危険物取扱者の資格を持っていると、転職や就職には有利なのか気になりますよね。今の時代、ほかの人と比較して何か特技を持っている方がいいのは確かなことです。今回は、危険物取扱者の転職や就職の実際に触れつつ、資格取得の方法などについても詳しく解説します。
危険物取扱者について知りたい人は、ぜひ読んでください。
- 危険物取扱者について
- 危険物取扱者の職場とは
- 危険物取扱者の転職について学ぼう
- 危険物取扱者の資格について
- 危険物取扱者の試験について
- 危険物取扱者資格取得のための勉強法を紹介
- 危険物取扱者の転職や就職でよくある質問
危険物取扱者になるには、資格取得が必要です。転職や就職で有利に活動するためにも、ぜひ危険物取扱者の資格取得を目指しましょう。記事を読んだ人は、資格取得に向けて必要な知識を身に付けることができるので有利になりますよ。
1.危険物取扱者について
危険物取扱者の資格概要や職務など、基本的なことを学びましょう。資格取得のためにも、基本を学ぶことはとても有利になります。
1-1.危険物取扱者の資格概要
危険物取扱者とは、危険物の取り扱いや立ち会いに必要になる国家資格です。危険物取扱者の資格を持っていない人が業務にあたることは法律違反になるので注意しましょう。危険物取扱者は、消防法によって規定がある資格です。資格取得のためには、規定の国家試験に合格する必要があります。
1-2.危険物取扱者の種類や分類について
危険物取扱者の種類や分類については、下記のとおりとなります。
- 甲種危険物取扱者
- 乙種危険物取扱者
- 丙種危険物取扱者
なお、乙種は第1類から第6類までの6種類があり、取り扱い可能な危険物の種類が限定となります。なお、甲種が最も上位となり、丙種が最も下位の資格です。初心者は、丙種危険物取扱者の資格取得から目指すことも検討してください。
1-3.危険物取扱者の職務とは
危険物取扱者の職務には、主に以下のようなものがあります。
- 危険物の取り扱い
- 危険物の取り扱いに関する立ち会い
- 危険物の保安や点検
なお、乙種は免状のある危険物の種類に関する業務に限定となります。また、丙種は立ち会い業務は行うことができません。
1-4.危険物取扱者の目的や必要性を学ぼう
危険物取扱者は、危険物の取り扱いに関するプロです。危険物は、取り扱いを間違えると大きな事故につながるため、専門の知識を学んだ危険物取扱者の必要性は高いと言えます。危険物を取り扱うためには、必ず危険物取扱者の資格が必要になるのも安全を考えてのことだと覚えておきましょう。
2.危険物取扱者の職場とは
危険物取扱者の職場に関して解説をします。職場の詳細だけでなく、就職や転職に関する情報もお伝えしましょう。
2-1.危険物取扱者を必要としている職場はどこ?
危険物取扱者を必要としている職場は、実際に危険物を取り扱う現場となります。たとえば、薬品・化学メーカーの工場などですね。つまり、危険物取扱者は現場で危険物のプロとして働くことになります。実際に取得した資格を生かすためにも、現場に配属になることは明らかでしょう。危険物取扱者の資格が生きるのは、現場での作業だと考えてください。なお、オフィスの事務部門には危険物取扱者の資格は必要ではありません。
2-2.危険物取扱者の求人・需要について
危険物取扱者は、常に求人が多くあります。危険物を取り扱うためには必ず危険物取扱者の資格が必要になるため、需要が無くなることはありえません。つまり、資格取得者は常に求人で有利に進めやすいと考えましょう。多くの求人の中から、自分にとって好ましいものを選ぶことができるのも、危険物取扱者のメリットなのです。
2-3.危険物取扱者の職場に関する注意点
満足する職場に転職・就職するためにも、危険物取扱者の職場に関する注意点も知っておきましょう。甲種危険物取扱者を取得している場合は、すべての種類の危険物を取り扱うことができるため、職場を選びません。しかし、乙種や丙種の資格取得者は取り扱うことができる危険物は限定となります。したがって、自分が取り扱い可能な危険物にかかわる企業でないと資格を生かすことができません。職場を選ぶときには、自分が取得した資格を生かすことができるところを選びましょう。
3.危険物取扱者の転職について学ぼう
危険物取扱者の転職について詳しく解説します。資格取得で転職を考えている人には、有益な情報ですよ。
3-1.危険物取扱者が転職に有利な理由は?
危険物取扱者は、国家資格です。また、消防法によって危険物を取り扱うためには必ず資格取得者が必要になるため、企業がほしがる人材と言えます。企業が社員を援助して資格取得を促すよりも、すでに取得済みの人を重宝するのは道理でしょう。最初から資格取得者を採用した方が、企業としても教育の手間を省くことができます。危険物取扱者が転職に有利な理由は、明らかなのです。
3-2.危険物取扱者の主な転職先
危険物取扱者を必要としている転職先候補は、危険物を取り扱っている企業すべてと言えます。主なものに関しては、以下を参考にしてください。
- 石油などの燃料関連企業
- 印刷関連企業
- 塗料メーカー
- 薬品・化学メーカー
石油やガソリン・塗料など燃焼性の高いものを扱う企業では、業務を進めるためにも危険物取扱者を必要としています。
3-3.危険物取扱者が転職するときに有利な資格
危険物取扱者が有利に転職するには、現在よりも上位の資格を取得するとよいでしょう。たとえば、丙種を取得している人は乙種を、乙種を取得している人は甲種を目指してください。乙種の中でも、ほかの種類を受験してもいいでしょう。現時点の業務内容のままでも転職はもちろん可能です。しかし、有利な条件で転職をしたいのなら、業務の幅を広げることも考えておきましょう。
3-4.危険物取扱者のキャリアアップの秘密
危険物取扱者としてキャリアアップするためには、以下のことを心掛けてください。
- 危険物に関する新しい知識や技能の習得に努力する
- 丙種・乙種の資格取得者は甲種の資格取得を考える
- 危険物取扱者以外にも業務に役立ちそうな資格取得を考える
- 危険物取扱者の求人情報を常にチェックする
危険物取扱者としてキャリアアップするには、現在の資格でできる業務の範囲内で満足していてはいけません。常に、自分の能力を磨くことでキャリアアップの道を開くことができます。また、より有利な条件で働く可能性を考えて転職情報などもチェックしてください。
3-5.持っていると有利になるほかの資格
危険物取扱者の資格取得者は、さらに以下の資格を持っていると有利な転職をすることができます。
- ボイラー技士
- 衛生管理者
- 公害防止管理者
ほかの資格を取得することで、扱うことができる業務範囲がさらに広がります。上記の資格取得が実現する場合、どんな職場に配属になっても企業にとって有益な人材であるとの評価が下ることでしょう。
3-6.危険物取扱者の転職に関する注意点
危険物取扱者として転職する場合は、給与条件を細かくチェックすることが大切です。たとえば、危険物取扱者としての資格手当が毎月支給となっている企業と、資格手当が無い企業では長期勤務になればなるほどもらう金額に差が出てきます。ぱっと見の条件だけで判断しないようにしましょう。また、転職するときには企業がどのような人物を求めているのかも見極めてください。未経験者でも歓迎なのか、実務経験を重視しているのかなど、実際に企業と向き合ってみてわかる情報もありますよ。
4.危険物取扱者の資格について
危険物取扱者の資格について、詳しく解説します。種類や分類、職務の違いなどを学んでください。
4-1.危険物取扱者資格はどの種類や分類を受験するべきか
危険物取扱者資格にも、甲種・乙種・丙種と3種類あり、それぞれに職務内容と範囲が異なります。職務内容や範囲を見比べて、自分が必要とする内容を網羅した種類を受験するようしましょう。特に人気が高いのは、乙種第4類です。乙種第4類は、ガソリン・灯油・軽油などの石油製品の取り扱いが可能かつ作業立ち合いができるため、ほかの種類よりも転職や就職の可能性が広がるためと理解してください。また、上位資格である甲種を取得することは、より有利な転職を期待できます。
4-2.危険物取扱者の種類・分類ごとの職務の違い
危険物取扱者の種類・分類ごとの職務の違いは、下記を参考にしてください。
- 甲種危険物取扱者:すべての種類の危険物に関する取り扱いと立ち会いができる
- 乙種危険物取扱者:第1類から第6類まで6種類あり、免状のある危険物の取り扱いと立ち会いができる
- 丙種危険物取扱者:灯油・軽油・第3石油類・第4石油類・動植物油類の取り扱いができる
危険物取扱者は、資格のランクと種類によって取り扱うことができる危険物の種類が限定になることがあります。すべての危険物を取り扱うためには、甲種危険物取扱者の資格取得を目指しましょう。
4-3.危険物取扱者の実務経験について
危険物取扱者の実務経験を積むには、実際に企業に勤務して現場で作業にあたることになります。資格取得の勉強だけでは見えなかったことも、実務を通してわかるようになるでしょう。また、実際に資格取得の知識を生かすことで仕事の楽しさを感じることができます。なお、甲種と乙種の危険物取扱者として6か月以上の実務経験者には、危険物保安監督者の資格を得ることができることを覚えておきましょう。
5.危険物取扱者の試験について
では、危険物取扱者の試験について詳しく解説します。確実に合格するためにも、じっくり読んで理解してください。
5-1.危険物取扱者の受験資格
危険物取扱者の受験資格は、下記を参考にしてください。
- 甲種危険物取扱者の受験資格:大学で化学を専攻・卒業するか15単位以上の単位を得たものなど4区分の受験資格指定あり
- 乙種危険物取扱者の受験資格:特に無し
- 丙種危険物取扱者の受験資格:特に無し
受験資格があるのは甲種だけで乙種と丙種に関しては受験資格が無いので、誰でも受験することが可能です。甲種の受験資格に関しては、下記もチェックしましょう。
参考:一般法人消防試験研究センター危険物取扱者受験資格の案内ページ
5-2.危険物取扱者の試験概要
危険物取扱者の試験概要については、下記をご覧ください。
- 申込期日:試験日の1か月前程度まで
- 申し込み方法:電子申請もしくは書面申請のいずれか
- 試験日:毎月1回以上(東京都)・そのほかの都道府県は下記リンクを参考
- 試験地:一般法人消防試験研究センターの各都道府県支部
- 受験費用:甲種・5,000円、乙種・3,400円、丙種・2,700円
資格取得を目指す人は、期日に間に合うように申し込むことを忘れないようにしましょう。なお、試験に関する詳細は下記も参考にしてください。
5-3.危険物取扱者の試験内容について
危険物取扱者の試験内容は、下記のとおりです。
- 甲種危険物取扱者:危険物に関する法令15問・物理学および化学10問・危険物の性質並びにその火災予防および消火の方法20問
- 乙種危険物取扱者:危険物に関する法令15問・基礎的な物理学および基礎的な化学10問・危険物の性質並びにその火災予防および消火の方法10問
- 丙種危険物取扱者:危険物に関する法令10問・燃焼および消火に関する基礎知識5問・危険物の性質並びにその火災予防および消火の方法10問
なお、乙種危険物取扱者と丙種危険物取扱者の試験に関しては、試験内容が一部免除となることもあります。詳しくは、下記を参考にしてください。
参考:一般法人消防試験研究センター危険物取扱者受験資格の案内ページ
5-4.危険物取扱者の受験者数や合格率について
危険物取扱者の受験者数や合格率は、下記のとおりです。
- 甲種危険物取扱者合格率:3割程度
- 乙種危険物取扱者合格率:6割程度(ただし第4類は3割程度)
- 丙種危険物取扱者合格率:5割程度
乙種でも第4類だけは、合格率がほかの種類よりも下がります。乙種第4類に関しては、特に人気が高くほかの種類と比べても受験者数がとても多いことも影響していると言えるでしょう。
5-5.危険物取扱者試験に関する問い合わせ先
危険物取扱者試験に関する問い合わせ先は、一般法人消防試験研究センターとなります。実際の試験は、最寄りの一般法人消防試験研究センターで受けることが多くなるはずです。何か不明な点がある場合は、必ず問い合わせをしてクリアしておいてください。まずは、下記の「よくある質問」ページを見ておきましょう。
6.危険物取扱者資格取得のための勉強法を紹介
危険物取扱者資格の取得のためには、効率よく勉強することが重要です。ここでは、おすすめのテキスト・参考書・教材の紹介や、資格取得のための講習・勉強法や学習のコツについても解説しましょう。
6-1.おすすめのテキスト・参考書・教材を紹介
まずは、資格取得の勉強におすすめのテキスト・参考書・教材をご紹介します。いずれも資格取得のために評判のいいものですから参考にしてください。
6-1-1.工藤政孝「最速合格!丙種危険物 でるぞ~問題集 (国家・資格シリーズ198)」
「最速合格!丙種危険物 でるぞ~問題集 (国家・資格シリーズ198)」は、危険物取扱者の中でも、初心者向けの丙種に特化した試験対策問題集です。初めて危険物取扱者の資格試験を受けようとする人のために、基本からやさしく教えてくれる内容で好評を得ています。
「最速合格!丙種危険物 でるぞ~問題集 (国家・資格シリーズ198)」
6-1-2.資格出版「乙種4類危険物取扱者試験 平成28年版」
「乙種4類 危険物取扱者試験 平成28年版」は、資格出版から出ている乙種第4類危険物取扱者受験対策本です。ジャンル別・頻出(ひんしゅつ)別で問題がわかれているなど、わかりやすい構成が人気の秘密でしょう。
6-2.危険物取扱者資格取得のための講習
各都道府県では、危険物取扱者資格取得のための講習を随時行っていることがあります。独学ではどうしても不安が残る人は、資格取得のための講習に参加することも検討しましょう。講習は、独学していて疑問に思ったことを質問するチャンスでもあります。いずれにしても、資格取得のために有益な講習には間違いありません。時間と場所に都合が付くときは、参加してみましょう。講習内容に関しては、下記を参考にしてくださいね。
6-3.危険物取扱者資格の勉強法や学習のコツ
危険物取扱者資格の学習は、空き時間を上手(じょうず)に利用することが大切です。特に、働きながらの資格取得を目指す場合は、帰宅後に学習をしようとしても疲れ切ってしまっていることも多いでしょう。気が付いたときには、試験日まで日数が残っていなかったということになりがちです。1日10分でも構わないので、空き時間をみつけて継続して学習してください。また、過去問題を集中的に解くのも実際の試験対策として効果的ですよ。
7.危険物取扱者の転職や就職でよくある質問
それでは、危険物取扱者の転職や就職に関するよくある質問をご覧ください。資格取得のメリットを最大限に生かすためにも、チェックしておきましょう。
7-1.危険物取扱者の資格取得では女性の就職も有利になりますか?
危険物取扱者の資格取得は、職種の幅を大きく広げます。女性であっても、危険物取扱者の資格取得者は企業にとって魅力的な人材となるでしょう。危険物を取り扱う業務を含む職に就職したい場合は、ぜひ資格取得を目指してください。未経験者より確実に有利になりますよ。
7-2.未経験の業種でも資格取得をすることで転職できますか?
企業としては、どんな職種であれ経験者を重視するのは事実です。しかし、危険物取扱者の資格取得者は需要が高いため、未経験者でも十分に採用の可能性があります。転職試験のときに、なぜ危険物取扱者の資格取得を目指したのかを明確に伝えて、転職希望先の企業に上手(じょうず)にアピールしてみてください。企業は、やる気と実力のある人材を求めていますからあきらめないことです。
7-3.危険物取扱者は実務経験があっても講習を受ける必要がありますか?
危険物取扱者として就職・転職後、実務経験を積んでも資格取得後に規定の講習を受ける必要があります。危険物の取り扱いについては、常に最新の情報を入手するべきです。また、新しい技能を習得するための絶好の機会ともなるでしょう。規定の講習を受けることは、危険物取扱者の義務です。実務経験を積んでいても、また、多忙な職場であっても、必ず参加してください。
7-4.転職のためにも甲種を受けるべきでしょうか?
自信が無い人は、丙種や乙種を受験して合格した後で甲種を受けましょう。甲種は、すべての危険物の取り扱いと立ち合いが可能な資格のため、試験の難易度が最も高くなります。試験慣れという点を考えても、最初は丙種や乙種を受験してからの方がいいでしょう。しかし、最初から甲種を受けても問題はありません。甲種を受けようと考えている人は、過去問や教材などを活用して試験対策を万全にして当日を迎えましょう。
7-5.危険物取扱者資格の受験に年齢制限はあるのですか?
危険物取扱者資格の受験資格には、年齢制限を明記していません。そのため、年齢に限らず受験することは可能です。現在の年齢がいくつであっても、危険物取扱者の資格取得にチャレンジしてください。年齢制限が無いことから、子どもでも受験は可能です。ただし、甲種はほかの受験資格に該当することも必要になるので注意しましょう。
まとめ
危険物取扱者は、危険物を取り扱うことができる国家資格として高い人気を誇ります。実際、資格取得後は転職に有利に働くことでしょう。危険物取扱者の資格取得は、転職・就職に有利なのは確実です。資格試験に確実に合格するには、危険物取扱者の職務などに関する正しい知識を身に付けるとともに、受験対策を行うことも必要だと考えましょう。記事で紹介した教材などを活用して、ぜひとも危険物取扱者の資格を手にしてくださいね。