物質の三態とは? どのように変化するものなの?

危険物取扱者の受験勉強をしていると、「物質の三態」という言葉を目にすることが多いでしょう。
物質は、条件によって形を変えるものが少なくありません。
そこで、今回は物質の状態変化についてご説明します。
危険物も、条件によって変化するものは多いのです。
保管をしておくときなどは、物質が変化する条件なども頭に入れておく必要があるでしょう。
危険物取扱者の資格取得を目指す人は、参考になりますよ。
試験を控えている方も、復習や確認のためにぜひ読んでみてください。

目次

  1. 物質の三態とは?
  2. 物質が変化する際の名称とは
  3. 危険物と物質の三態について
  4. おわりに

1.物質の三態とは?

物質は、温度や圧力を変えると

  • 固体
  • 液体
  • 気体

に変化するものもあります。
水を例に説明しましょう。
常温では、水は液体です。
0度以下になると固体になります。
逆に100度を超えると気体になるのです。
これを物質の三態といいます。
このように物質の状態が変化するのは、物質を構成している分子の動きが変わるからです。
固体では、分子は規則正しく配列されており、密につまっています。
分子は決められた位置で熱震動しているために、非常に安定しているのです。
ですから、保管も簡単にできるものが多いでしょう。
液体は、個体のときは規則正しく整列していた分子が、動き回っている状態です。
しかし、気体ほど分子間の距離は離れていません。
液体の形が入れた容器の形によって変化するのは、分子がバラバラになって自由に動けるからです。
しかし、液体の体積は圧力や温度によって変化することは少ないでしょう。
気体は、バラバラになった分子が激しく飛び回っている状態です。
分子間の距離も大きく圧力や温度によって体積が変わります。
ですから、スプレーのように強い圧力をかけると勢いよく気体が噴き出すこともあるのです。
気体はそのままでは保管できませんから、専用の保管容器が必要。
また、圧力や温度によって体積が変化するので、体積を減らして保管する方法もあるのです。

2.物質が変化する際の名称とは

物質の変化には、それぞれ名称がついています。
この項では、その名称についてご説明していきましょう。

2-1.融解と凝固

固体から液体への変化を融解。液体から固体への変化を凝固といいます。
氷が溶けて水になったり、水が凍って氷になったりするのも融解と凝固です。
固体から液体、または液体から固体へ変化する物質は大変多く、中には保管しやすいために液体を凝固させて固体にしているものもあります。

2-2.蒸発と凝縮

蒸発は、液体が気体になること。
凝縮は逆に気体が液体になることです。
常温でも蒸発していく物質は多いでしょう。
また、蒸発した物質はなくなるわけではありません。
密閉された空間で液体が蒸発すると気体となってその場にとどまっているだけなのです。
ですから、危険物が蒸発したことに気がつかずに火気を近づけてしまうと、着火して火災になる場合もあります。
凝縮はあまりなじみがないかもしれませんが、夏の朝などに草におりる夜露も気体となった水が冷えて液体になったものです。
これも、凝縮の一種でしょう。

2-3.昇華

これは、物質が固体から直接気体になることです。
代表的なのは、ドライアイスでしょう。
ドライアイスは、二酸化炭素を凝固させたもの。
これを常温で放置しておくと、昇華して気体の二酸化炭素に戻るのです。
物質によっては、昇華した際に体積が大きく変化するものもあるでしょう。
ですから、密閉容器に常温で気化する物質を入れておくのは危険です。
ちなみに、ドライアイスもビンなど割れやすく密閉できる容器に入れておくと昇華の圧力でビンが壊れます。
注意してください。

2-4.沸騰(ふっとう)と沸点

沸騰とは、物質が液体から気体となる蒸発が液体の表面だけでなく、内部からも起こる現象です。
また、水を例にして説明しましょう。
水を火にかけると温度が上がるにしたがって、容器の底から気泡がわいてきます。
これは、水の中に含まれている空気が熱せられたことによって蒸発しているのです。
また、沸騰すると水の表面が激しく沸き立ちますね。
これも、水の内部から沸騰が起きているせいです。
沸点とは液体が沸騰する温度のこと。
水の場合は100度ですが、物質によっては常温だったりマイナスでも沸騰したりするものがあります。
沸騰している物質は大変不安定で危険なので、不用意に沸騰させないように保管に注意しなければならないものもあるのです。
ちなみに、沸点に達しているのに沸騰しない現象を「過加熱」といいます。
電子レンジで飲み物を温めたとき、かき回したら急にあふれ出たという経験がある方もいるでしょう。
これが過加熱です。
過加熱している物体に何らかの衝撃を与えると急に沸騰することもあります。
これを「突沸」いい、物質によっては大変危険です。

3.危険物と物質の三態について

さて、これまで物質の三態についてご説明してきました。
では、危険物と物質の変化はどのようなかかわりがあるのでしょうか?
最後に、危険物取扱者が物質の変化について知っておかなければならない理由をご紹介します。

3-1.危険物に気体はない

消防法で定められている危険物に、最初から気体の物質はありません。
すべて液体か固体です。
ちなみに、天然ガスは危険物ではありません。
しかし、液体か蒸発したり固体が昇華したりして気体になることはあります。
「危険物は気体に変化しない」ということではないので、覚え間違いをしないようにしてください。

3-2.物質が変化するときには熱を出す

液体が凝固したり融解したり、さらに昇華したりする際は熱を吸収したり放出したりします。
ですから、物質の温度が上がったり下がったりするのですね。
この温度変化はわずかなものなので、普通はそれほど気になりません。
しかし、物質が大量にある場合は温度変化も大きくなるでしょう。
また、危険物の中には自然に発火する「発火点」が低いものもあります。
ですから、物質が変化する際の熱で着火する可能性もゼロではありません。
危険物を保管する際は、物質が変化しないように気をつける必要もあるのです。

3-3.水で火が消えるわけ

水を火にかけると消えるのは、水が蒸発する際に大量の熱を奪っていくからです。
ですから、水は冷却効果が高いので消火に利用されます。
しかし、危険物の中には水に触れると激しく反応して爆発したり有毒ガスが発生することもあるのです。
ですから、危険物取扱者の資格取得を目指している方は、水を消化に使えない危険物もしっかり覚えておきましょう。
また、危険物が蒸発して気体になった場合は、引火性の高い気体になります。
この気体に火気を近づければ、着火するのです。
ですから、蒸発しやすい危険物はしっかり密閉できる容器で保管しましょう。

4.おわりに

いかがでしたか?今回は物質の変化についてご説明しました。
まとめると

  • 物質は温度や圧力によって固体・液体・気体に変化するものもある。
  • 危険物が蒸発して気体化すると大変危険である。
  • 危険物に指定されている物質に気体はないが、危険物が気体にならないわけではない。
  • 危険物が変化する温度は覚えておこう。

ということです。物質が温度や圧力で変化するからこそ、危険物を保管しておくときに温度管理も大切になります。