燃焼の原理って? 意外と知らない燃焼の原理と種類について!

普段何気なく使っている火ですが、どんな原理で発生しているのか知っている人は多くありません。また、燃焼に種類があることも知られていないようです。

そこで、今回は燃焼の原理や種類を中心にご紹介していきます。ぜひ、最後までお付き合いくださいね。

目次

  1. 燃焼について
  2. 燃焼の4要素について
  3. 燃焼の種類
  4. 燃焼がしやすくなる条件
  5. 発火点・引火点の違い

1.燃焼について

燃焼の原理を話すうえで切っても切り離せないのが『酸化』についてです。物質が酸素と化合することを酸化と呼びます。普通の人は鉄製品や食べものなどを真っ先にイメージする場合が多く、燃焼との関係を思い浮かべる人は少ないのではないでしょうか。しかし、実はこの酸化と燃焼には大きなかかわりがあります。

1-1.燃焼とは

燃焼とは物質が酸素、または酸素を含む物質と急激に化合して酸化反応を起こし、その結果として多量の熱と光を伴う現象です。ちなみに、酸化鉄などは酸素と化合していても熱や光を発しないため、燃焼とはいいません。

1-2.燃焼の4要素

燃焼は4要素がすべてそろうことで発生する現象です。

  1. 可燃物
  2. 酸素供給源(燃焼支援体)
  3. 点火エネルギー
  4. 連鎖反応

2.燃焼の4要素について

この項目では燃焼の4要素について簡単に解説していきます。覚えておきましょう。

2-1.可燃性物質

可燃性物質は『酸化されやすい物質』のすべてが含まれています。しかし、反応熱の小さいものは可燃性物質とは呼びません。たとえば鉄です。知ってのとおり酸化しますが、可燃性物質に含まれません。

可燃性物質の数は数え切れないほどあります。有機化合物のほとんどが可燃性物質であるといっても過言ではありません。たとえば『木材、石炭、ガソリン、メタンガス』などは可燃性物質の代表例となります。

2-2.酸素供給体(燃焼支援体)

可燃性物質の燃焼には、延焼を支援する『酸素』が一定以上の濃度で存在することが必要です。一定以上の濃度は『限界酸素濃度』と呼ばれています。

酸素供給体として代表的なので『空気』です。空気は酸素を20.9%含んでいます。空気以外に挙げると、第1類危険物や第5類危険物などが代表的な酸素供給体です。

2-3.点火エネルギー

別の言い方では熱源や点火源などといわれ、単に『熱』と呼ぶこともあります。点火エネルギーの代表例は電気・静電気・摩擦熱・衝撃などによって発生する火花、または酸化熱などです。

2-4.連鎖反応

可燃性物質と酸素が反応する際には反応熱が発生します。その熱によって可燃性物質が温められて分子が活性化し、さらに酸化しやすい状態になることが『連鎖反応』です。この連鎖反応が起こることによって、燃焼は継続されます。

3.燃焼の種類

燃焼の分類方法にはどのようなものがあるのでしょうか。燃焼の分類は主に、酸素の供給状況による分類と物質の『3態(気体・液体・固体)』による分類があります。

3-1.酸素供給状況による分類

酸素の供給状況による分類では大きく2つに分かれます。『完全燃焼』と『不完全燃焼』です。恐らく皆さんも1度は耳にしたことがあるでしょう。

完全燃焼とは酸素の供給状況が十分であるときに生じる燃焼のことです。十分な酸素がある場所で燃焼するため、すべての構成元素が最も安定な単体、または酸化物になります。

不完全燃焼とは酸素の供給状況が不十分であるときに生じる燃焼のことです。酸素が不足しているため、酸化反応 (燃焼) が最後まで完結せず、一酸化炭素や煤(すす)などの中間生成物が発生します。また、当然のことながら発熱量も完全燃焼に比べて小さくなるでしょう。

3-2.気体・液体・固体による分類

可燃物は、気体、液体、固体に分けられますが、それぞれに応じてさまざまな燃え方をします。

(気体)

気体の燃焼には、管理された燃焼である『定常燃焼』と管理されていない『非定常燃焼』に分けられます。

定常燃焼は都市ガスやプロパンガスの燃焼のように炎の状態が一定しており、制御できる燃焼です。一方、非定常燃焼はガソリンエンジンの内部で起こる燃焼のように爆発的な燃焼をいいます。

(液体)

液面から蒸発した可燃性蒸気と空気が混合し燃焼することを『蒸発燃焼』といいます。つまり、液体はそのものが燃焼しているのではないということです。

分かりづらい方はアルコールランプを思い浮かべてください。アルコールランプには火が付きますが、芯は燃え尽きません。これは芯が燃焼するのではなく、芯から蒸発したアルコールが燃焼してるためです。

(固体)

固体の燃焼には『蒸発燃焼』、『表面燃焼』、『分解燃焼』、『自己燃焼』と4つの燃焼パターンがあります。

固体の蒸発燃焼は液体のときと同じです。蒸発して生じた可燃性蒸気が燃えることで生じます。硫黄などがこの燃焼の仕方をする代表的な固体です。

表面燃焼は固体表面で生じる燃焼で、『炎を上げない』のが特徴。熱分解を起こさず、蒸発もしないで高温を保ちながら酸素と反応して燃焼します。代表例には木炭、コークスが挙げられるでしょう。

分解燃焼は温度をかけることで熱分解を起こし、それによって生じた可燃性蒸気に着火して生じる燃焼。木材や石炭などがこの燃焼の仕方をする代表例です。

自己燃焼とは、分解燃焼のうち物質中に酸素を含有するもの(ニトロセルロースやセルロイドなど)の燃焼をいいます。別名で内部燃焼と呼ぶこともあるようです。

4.燃焼がしやすくなる条件

物質には燃焼しやすくなる7つ条件があります。以下のような条件を満たすほど燃焼がしやすいでしょう。

  • 可燃性蒸気が発生しやすい
  • 発熱量が大きい
  • 熱伝導率が小さい
  • 酸化されやすい
  • 酸素との接触面積が大きい
  • 乾燥している
  • 周囲の温度が高い

5.発火点・引火点の違い

発火と引火は似たような言葉だけに混同している方も少なくないと思います。この項目では発火と引火の違いについてお話ししましょう。

5-1.発火点

点火源がなくても自ら発火や爆発を起こす場合、その最低温度を『発火点』といいます。つまり、発火点に温度が達しなければ、物質は燃えないということです。ただし、発火点は可燃物の量や環境・状況により変動する場合もあります。

(発火点の例)

  • 灯油……255℃
  • 木材……250~260℃
  • 木炭……250~300℃
  • 新聞紙……290℃
  • ガソリン……300℃
  • ゴム……350℃

5-2.引火点

引火点とは、火を近づけたとき、瞬間的に引火するのに必要な濃度の蒸気を発生する最低温度のことです。

ただし、引火点ギリギリだと引火してもすぐに火が消えてしまいます。燃焼が継続するためには引火点よりも高い温度が必要です。これを燃焼点といいます。

(引火点の例)

  • ガソリン……-43℃以下
  • 二硫化炭素……-30℃
  • シンナー類……-9℃
  • 灯油……40~60℃
  • 軽油……40~70℃
  • 重油……60~100℃

まとめ

いかがでしたか?

今回は燃焼の原理について解説しました。

  1. 燃焼について
  2. 燃焼の4要素について
  3. 燃焼の種類
  4. 燃焼がしやすくなる条件
  5. 発火点・引火点の違い

まとめると以上のようになります。間違えないように、しっかりと頭に入れておきましょう。

燃焼とは『物質が酸素、または酸素を含む物質と急激に化合して化学反応を起こし、その結果として多量の熱と光を伴う現象』のこと。燃焼には4要素があります。すなわち『可燃性物質』、『酸素供給体(燃焼支援体)』、『点火エネルギー』、『連鎖反応』の4つです。

燃焼の種類は『酸素供給状況による分類』と『気体・液体・固体による分類』に分けられ、それぞれに細かな分類があります。燃焼には7つの条件があり、多く満たせば満たすほどに燃焼がしやすくなるでしょう。

また、発火点や引火点は間違えやすいものの、違う意味を持つ言葉です。

頭に入りましたか? 少しややこしいかもしれませんが、しっかりと覚えておきましょう。