一酸化炭素中毒の恐怖とは? 火災で発生するばかりではありません。

毎年たくさんの犠牲者が出る火災。
火災で怖いのは炎だけではありません。
煙に含まれる一酸化炭素も、多くの人の命を奪ってきました。
ではなぜ、一酸化炭素を吸うときけんなのでしょうか?
今回は、一酸化炭素中毒が起きる原因と対策をご紹介します。
一酸化炭素はとても怖い物質のように思われますが、実は私たちは昔から一酸化炭素を出すものを利用して生活してきたのです。一酸化炭素中毒の予防対策について知りたいという方は、ぜひこの記事を読んでみてくださいね。

目次

  1. 一酸化炭素と一酸化炭素中毒とは?
  2. 一酸化炭素を発生させるものとは?
  3. 一酸化炭素中毒の恐ろしさとは?
  4. おわりに

1.一酸化炭素と一酸化炭素中毒とは?

一酸化炭素とは炭素を含んだ物質が燃えるとき、酸素が不足している場合に発生する気体です。
通常、炭素を含んだ物質が燃えると二酸化炭素が発生します。
二酸化炭素の元素記号はCO2ですが、酸素が不足するとCO2になりきれず、COになるのです。
ところで、一酸化炭素といえば「一酸化炭素中毒」として有名。
なぜ、一酸化炭素を吸うと中毒になるのでしょうか?
それは、私たちの血液の中にあるヘモグロビンと関係があるのです。
私たちの血液の中にあるヘモグロビンは、酸素を細胞に届ける役目を担っています。
ヘモグロビンは肺の中で酸素と結びつき、細胞や臓器に酸素を供給して代わりに二酸化炭素を受けとるのです。
しかし、この一酸化炭素は酸素よりもヘモグロビンと強く結びついてしまいます。
ですから、一酸化炭素を人が吸いこむと、ヘモグロビンは一酸化炭素と結びついてしまうのです。
その結果、酸素欠乏症になり意識を失ったり最悪の結果になってしまったりします。

2.一酸化炭素を発生させるものとは?

さて、このように恐ろしい一酸化炭素ですが、私たちの身近なものから発生するのです。
では、いったいどのようなものや条件で一酸化炭素は発生するのでしょうか?
この項では、その一例をご紹介します。

2-1.炭火や練炭

炭や練炭を燃やすと一酸化炭素が発生します。
また、石油やガスが燃料のストーブでも不完全燃焼を起こせば一酸化炭素が発生するでしょう。
昔から、「火鉢などを使うときは、部屋の戸を少し開けておくように」といわれていたのは、炭火や練炭が一酸化炭素を発生させると経験で知られていたからです。

2-2.自動車の排ガス

自動車の排ガスからも、一酸化炭素が発生します。
ですから、車のエンジンが故障して一酸化炭素が車内に逆流すると、大変危険なのです。
また、車の排気孔に何かがつまっても同じ状態になるでしょう。
特に、気をつけなければならないのが雪です。
自動車がすっぽり雪に埋まった状態でエンジンをかけ続けていると、排気孔に雪がつまって排ガスが車内に逆流してしまいます。ですから、「急に大雪に降られて車ごと雪に埋まってしまった」という場合は、必ず排気孔の回りの雪をどかしてからエンジンをかけましょう。

2-3.ガス湯沸かし器

ガス湯沸かし器が不完全燃焼を起こしても、一酸化炭素中毒が発生します。
ガス湯沸かし器の不備で、一酸化炭素中毒が何件も発生した事件を覚えている方もいるでしょう。
今のガス湯沸かし器は不完全燃焼を起こした場合は、火が消えたり警告ブザーが鳴ったりする仕様になっています。
しかし、絶対に不完全燃焼が起こらないとは限らないのです。

2-4.火事

もちろん火事になっても一酸化炭素中毒が発生します。
特に、地下など密閉された空間で火災が発生すると危険は倍増するでしょう。
また、煙は上に行く性質がありますから、高層ビルの下層階で火災が発生した場合は上層階にいる人が一酸化炭素中毒になる場合もあるのです。

3.一酸化炭素中毒の恐ろしさとは?

一酸化炭素の怖さは無味無臭ということです。
炭火を見たことがある方は、たくさんいると思います。
卓上コンロに炭火が乗せられてくることもあるでしょう。
炭が燃えていれば一酸化炭素が発生していますが、知識がなければ「いつ、どのくらい」一酸化炭素が発生しているのかは全く分かりません。
つまり、全く気がつかないうちに意識を失い、死に至ることもあるのです。
また、一酸化炭素を吸ってしまうとあっという間に脳が酸素不足になって意識を失います。
つまり、一酸化炭素を吸いこめば避難ができなくなるのです。
ですから、一酸化炭素が発生している場所では息が吸えません。
火事で煙が充満してしまえば、炎がなくても命を失う可能性が高いのです。

3-1.一酸化炭素中毒を予防するには?

では、どうすれば一酸化炭素中毒を予防できるのでしょうか?
この項では、その一例をご説明します。

3-2.十分に換気をしながら火を使う

炭素を含んだ物質を燃やす場合、十分に換気をしましょう。
窓を10センチ開けておくだけでも違います。
昔の日本家屋はドアや戸を閉めきっていてもどこかにすきまがありました。
ですから、室内で火鉢を使っても一酸化炭素中毒になりにくかったのです。
しかし、現在の家は密閉性が高いので炭火を使う場合は、必ず換気しましょう。
換気扇を回しておいてもよいですね。
なお、室内の一酸化炭素濃度が高まると頭痛がしてきます。
風邪をひいたわけでもないのに頭痛がする場合は、まず換気をしてみましょう。

3-3.給排気設備をチェックする

窓がない場所で炭火をはじめとする炎を使う場合は、給排気設備が欠かせません。
しかし、給排気設備が故障していると、一酸化炭素中毒の危険性は一気に高まるのです。
ですから、職場の安全管理者は、必ず定期的に給排気設備のチェックを行いましょう。
給排気設備の故障で多いのが、中で鳥が巣を作ってしまったというもの。
鳥から見れば、円筒形の給排気設備は絶好の巣作り場所です。
ですから、春から初夏にかけてのチェックは特に念入りに行ってください。

3-4.避難訓練をしておく

大規模商業施設や高層ビルで火災が発生した場合、上の階ほど一酸化炭素中毒の危険があります。
ですから、高層ビルで仕事をしているという方や高層マンションに住んでいるという方は必ず避難訓練に参加してください。
火災の際はエレベーターが使えません。
しかし、非常階段の場所を知らないという人もいるかもしれないのです。
ですから、避難訓練に参加して必ず避難経路と消化器の位置を確認しておきましょう。
また、非常階段や非常口前が荷物置き場になってしまわないように、日頃から安全管理者が指導してください。

4.おわりに

いかがでしたか?
今回は一酸化炭素中毒の怖さと予防対策についてご説明しました。
まとめると

  • 一酸化炭素は酸素が足りない状態で炭素を含んだ物質が燃えると発生する。
  • 炭や自動車の排ガス、暖房器具が不完全燃焼しても一酸化炭素は発生する。
  • 一酸化炭素は無味無臭で、吸いこめば短期間で意識を失ってしまう。
  • 炭素を含んだ物質を燃やす際は必ず換気をする。
  • 給排気設備の点検や避難訓練をしっかりと行おう。

ということです。
一酸化炭素は思わぬところで発生することもあります。
ビルトインガレージの給排気設備が故障し、外に排出されるべき排ガスが居住空間に入ってしまい中毒事故が起こったこともありました。
ですから、「おかしいな」とおもったらすぐに換気をしましょう。
また、地下や窓のない場所では炭火などを使わないように心がけてください。
今は炭火風の照明など雰囲気を演出する道具はたくさんあります。
どうしても、という場合は換気を十分にして使いましょう。