着衣着火の原因や対処法・防止法について ~表面フラッシュが起こりやすい衣服とは~

人が着ている衣服に引火する「着衣着火」が起きたとき、どのように対処すれば良いのでしょうか。
瞬く間に火は広がってしまうため時間との勝負になります。
適切な対処ができるように着衣着火について詳しくチェックしていきましょう。
着衣着火の原因や表面フラッシュが起こりやすい衣服、着衣着火の対処法・防止方法を説明します。
着衣着火時の対処法を知りたい人はぜひチェックしてくださいね。

目次

  1. 着衣着火の原因
  2. 着衣着火時の対処法
  3. 着衣着火を防ぐためには
  4. まとめ

1.着衣着火の原因

着衣着火する危険性はあらゆるところに潜んでいるものです。
日ごろから注意していかなければ大変な火災事故につながります。
着衣着火の原因について詳しくチェックしておきましょう。

1‐1.ガスコンロを使った調理中

着衣着火の原因はさまざまですが、特に多いのが「ガスコンロを使った調理中」における事故です。
火を使わない電気コンロはガスコンロよりも安心できるでしょう。
しかし、火を使って調理するガスコンロは着衣着火に注意しなければなりません。
実際、ガスコンロの調理中に衣類へ火が燃え移った火災事故もたくさん起きているのです。
特に、1人暮らしの人や注意力が衰えている高齢者は注意が必要になります。
調理に意識が集中しているとつい火のもとに衣類を近づけてしまうものです。
いつの間にか燃え移っていたというケースも多いので気をつけてください。
調理をするときは衣類をカバーしてくれるエプロンを着用する、よそ見をしないなどの工夫や注意が大切ですよ。

1‐2.たき火や花火、ろうそく、ライターなど

落ち葉を燃やしてのたき火や花火など、ライターやろうそくの火を使いますよね。
たき火・花火・ろうそく・ライターは着衣着火の主な原因になっているのです。
火を使うときは十分な注意が必要でしょう。
子供たちで花火をするのではなく、必ず大人も混じってするようにしてください。
たき火をするときは周囲に燃え移るようなものがないか確認が必要です。
また、注意してほしいのは「風向き」になります。
着衣着火の原因は風向きにもあるのです。
実際に起こった火災事故を1つ紹介しましょう。Aさんは畑の枯れ草を燃やしていました。
しかし、いきなり風邪向きが変わり衣服に火が燃え移ってしまったのです。
風向きの変化による着衣着火の事故は結構起きています。

1‐3.冬場に大活躍の暖房器具

寒い時期に大活躍する暖房器具も着衣着火の原因になっています。
体を温めようと暖房器具に近づいてはいけません。
暖房器具には「○○m以上近づかないでください」などの表示が載っています。
必ず距離は守ってください。
暖房器具に近づきすぎると着ている衣服に火が燃え移ってしまうのです。
熱くなりすぎた衣類は火災のもとになります。
子供たちは暖房器具に近づいてしまうため大人が注意しておかなければなりませんよ。暖房器具を利用する際は正しい方法で利用しましょう。
また、暖房器具の近くに燃えやすいものを置かないことも大切なポイントです。
つい置いてしまったものが発火して火災事故になる可能性もあります。
十分に気をつけてくださいね。

2.着衣着火時の対処法

2‐1.炎が小さいときは息や手・タオルで消す

着衣着火時の様子によって対処法は異なります。
基本的に炎が小さいときは息を吹きかけるだけで消える可能性が高いです。
慌てずに強く息を吹きかけましょう。
自分の衣類についたときももちろんですが、ほかの人に炎が燃え移ったときも息を吹きかけてください。
ただ、本人がものすごく動揺してしまうケースがほとんどなので息を吹きかけるよりも「手」や「タオル」で消したほうが早いでしょう。
「手で消すとヤケドするのでは…」と思ってしまいますが、小さい火であれば問題ありません。
素早い動作で消すように衣類をたたくと熱さは感じないので安心してください。
ただ、火が手より大きいとヤケドをする可能性があります。
手のサイズよりも大きい場合はタオルを使って消しましょう。
タオルを素早く振って火を消してくださいね。
動作が遅いとタオルに燃え移ってしまうので要注意です。

2‐2.塗れた毛布や水、消化器などで消す

人体まで影響しそうなほどの火であれば、いち早く消化しなければなりません。
早く消さなければ大ヤケドを負ってしまうでしょう。
人体への影響を少なくするため、すぐに大声で叫んでください。
「火事だ―!」と大声で叫ぶことで周囲に危険を知らせます。
消化器の近くにいる人が持ってきてくれる可能性もあるでしょう。
消化器を使っていち早く消すことも1つの対処法です。
近くに消化器がない場合はホースやバケツに入った水、塗れた毛布で火を消してください。
とにかく火が大きくなった場合は水や消化器を使ったほうが適切です。
そして、すぐに消防車と救急車を呼びましょう。
本人だけでなく周囲にも危険が及ぶため、気をつけなければなりません。

3.着衣着火を防ぐためには

3‐1.「表面フラッシュ」が起こりやすい衣類を着ない

「表面フラッシュ」という言葉を聞いたことはあるでしょうか。
表面フラッシュとは、衣類に火が燃え移った瞬間衣類の全面を火が走る現象のことです。
カメラ撮影で使うフラッシュのように瞬く間全身に火が燃え移ってしまいます。
表面フラッシュが起こりやすい衣類があるので必ず把握しておいてください。
表面フラッシュが起こりやすい衣類は綿・植物性繊維、レーヨン、ネル地、モール系、パイル地などになります。
生地の表面に空気が含んでいるもの、起毛しているもの、毛羽立っているものすべて表面フラッシュが起こりやすい衣類です。
火を扱う際は表面フラッシュが起こりやすい衣類を着ないでください。
着用する衣類にも配慮することが着衣着火を防ぐ大切なポイントになります。
火を使う際は衣類の袖をまくる、裾の広がった服は着ないなどの工夫が大切です。

3‐2.火に近すぎない、ガスコンロでの注意点

着衣着火を防ぐためには火に近すぎないことが大切です。
暖房器具を使う、たき火をするときなど火に近すぎないよう気をつけてください。
特に、ガスコンロでの調理中はつい距離が近くなってしまいます。
ガスコンロはさまざまな種類があるでしょう。
奥にあるガスコンロを使う際、手前のガスコンロについている火は必ず消してくださいね。
調理に集中していると注意力が衰えてしまいます。
ガスコンロを使う際は入念に注意しておきましょう。
ガスコンロでの着衣着火を徹底的に防ぎたい人は電気コンロに変えると良いですよ。
電気コンロであれば火を使わないのでガスコンロよりも安心して使えます。

4.まとめ

着衣着火の原因や対処法、防ぐ方法について説明しましたが、いかがでしたでしょうか。
着衣着火が起きたとき焦ってしまいますよね。
焦りは判断力が鈍ってしまうので注意しなければなりません。
事前に適切な対処法を把握しておくとスムーズに消すことができます。
また、原因や防止法を把握することも大切ですよ。

  • ガスコンロを使った調理中
  • たき火や花火、ろうそく、ライターなど
  • 冬場に大活躍の暖房器具
  • 炎が小さいときは息や手、タオルで消す
  • 塗れた毛布や水、消化器などで消す
  • 「表面フラッシュ」が起こりやすい衣類を着ない
  • 火に近すぎない、ガスコンロでの注意点

以上はぜひ押さえておきたいポイントになります。
着衣着火を未然に防ぐため火の取り扱いには十分に気をつけてくださいね。

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