過塩素酸の特徴や性質とは? 類似物質に注意。

消防法で定められた危険物を取り扱ったり保管したりできる資格が、危険物取扱者です。
甲、乙、丙の3種類があり特に乙種4類、通称乙4は受験者も多く危険物取扱者の代名詞のようになっています。
しかし、今回ご紹介する「過塩素酸」は危険物乙種6類に分類されているのです。
乙種4類に比べたら受験者数も少ないですが、取得しておいて損はない資格でしょう。
特に、加塩素酸は「過塩素酸類」という言葉があるように、いろいろな化合物があります。
特徴や性質の違いをしっかりと覚えておきましょう。
ぜひ、この記事を参考にしてみてくださいね。

目次

  1. 過塩素酸とは?
  2. 過塩素酸の特徴とは?
  3. 過塩素酸の取り扱い方とは?
  4. ほかの危険物第6類に分類される物質とは?
  5. おわりに

1.過塩素酸とは?

加塩素酸とは、塩素のオキソ酸の一種で化学式は「HClO4」です。
塩素酸よりも酸素が1個多いので、過塩素酸という名前になっています。
非常に強い酸化力を持つ酸で、不安定な物質です。
水に溶けやすい性質を持ち、分解生成物が触媒になって爆発的に分解することもあります。
そのため、変色した過塩素酸は廃棄した方が安全です。
過塩素酸は、危険物分析の前処理である有機物分解に使われます。
この作業自体も爆発の危険があるものですから、慎重に行う必要があるでしょう。
過塩素酸自体は危険物第6類の「酸性液体」に指定されています。
しかし、過塩素酸の水素をほかのイオンや金属に変えた「過塩素酸類」になると、危険物乙種第1類に分類されるのです。
過塩素酸類は過塩素酸よりは安定した物質ですが、摩擦(まさつ)や加熱、衝撃によって発火したり爆発したりする危険性があります。
危険物甲類を受験する方や乙1類と6類を同時に受ける方は過塩素酸と過塩素酸類の区別をしっかりつけておきましょう。
ちなみに、過塩素酸類には過塩素酸カリウム、過塩素酸ナトリウム、過塩素酸アンモニウムがあります。

2.過塩素酸の特徴とは?

過塩素酸は、無色の発煙性液体です。
水に非常に溶けやすいですが、水と混じり合うと音を出して発熱します。
また、加熱すると有毒の塩化水素ガスを発生させるのです。
つまり、取り扱いには十分注意しなくてはなりません。
また、強酸化性の液体ですから、蒸気を吸いこんだり液体が皮膚についたりすると激しく腐食します。
そのため、過塩素酸の蒸気を吸いこんだり液体が皮膚についたり目に入ったりした場合は、すぐに洗浄して医師の診察を受けましょう。
放っておくと大変なことになります。
また、イオン化の小さい銀や銅とも激しく反応するため、保存は金属製以外の容器で行った方がよいでしょう。

3.過塩素酸の取り扱い方とは?

前項でご説明したように、過塩素酸は取り扱いに注意しないと爆発や発火の危険がある物質です。
では、過塩素酸の火災予防法や万が一発火や爆発した場合の消化方法はどうすればよいのでしょうか?
その一例を、この項ではご説明します。

3-1.過塩素酸の火災予防法とは?

過塩素酸は、金属製の容器で保存すると反応してしまいます。
ですから、反応しないようにガラス製の容器で保管しましょう。
また、前述したように汚れたり変色したものはより一層不安定になっていますから、どのような刺激で発火したり爆発したりするか分かりません。
そのため、一部だけ変色していただけだとしても廃棄してください。
また、変色したり汚れたりしないように、管理には気を使いましょう。
過塩素酸がもれだした場合は、消石灰で中和して大量の水で洗い流します。
人の皮膚についたり蒸気を吸いこんだりした場合は、前述したように水で洗い流したうえで医師の診察を受けてください。
また、保存する場合は熱に近づけてはいけません。つまり、火気厳禁です。

3-2.過塩素酸の消火方法とは?

過塩素酸の消化方法は、大量の注水による冷却消火です。
過塩素酸は水と混ぜると発熱はしますが爆発したり発火したりすることはありません。
ですから、冷却消火が有効なのです。
過塩素酸が発火した場合は、消火器ではなく水をかけつつ消防署に連絡してください。
そのとき、発火した原因が過塩素酸だということをしっかりと伝えましょう。
有毒ガスが発生している場合は、マスクなしに消火すると大変危険です。
また、火災現場に近づかないように危険物取扱者が警告したり必要とあらば避難させたりしましょう。

4.ほかの危険物第6類に分類される物質とは?

では、加塩素数以外に危険物第6類に分類される物質にはどのようなものがあるのでしょうか?
この項では、簡単にご説明していきます。

4-1.過酸化水素

広く工業の分野で使われている無色の液体です。
医療用の消毒薬や漂白剤としても使われているので、身近にあるという職場も少なくないでしょう。
ちなみに、3%の過酸化水素はオキシドールやオキシフルという商品名で消毒薬として市販されています。
過酸化水素は分解すると酸素と水素になってしまいますから、環境に与える影響も少なくエコな化学物質なのです。
しかし、濃度が高い過酸化水素の水溶液が皮膚につくとヤケドになったり分解反応の際に爆発したりします。
身近にある物質だからといって、いいかげんに扱ってはいけません。
直射日光を開けて、必ず通気孔のある容器に保管してください。密封すると爆発する危険があります。

4-2.硝酸

肥料や火薬の原料になる物質です。
しかし、強酸性のため銀や銅などの金属を腐食させてしまいます。
また、有機物と接触すると発火する恐れがあるので木や布などと一緒に保管してはいけません。
この硝酸の水素が金属やほかの陽イオンに置き換わったのが硝酸塩類です。
こちらは過塩素酸類と一緒で危険物第1類に分類されるので、甲類を受ける方は区別して覚えましょう。
また、危険物第5類には硝酸エステル類が指定されていますので、これも覚え間違いの内容に注意してください。
さらに、日光に当てたり加熱したりすると酸素と二酸化窒素を生成します。
ですから、保管は冷暗所でガラスかステンレスの容器に入れて行いましょう。
この硝酸の濃度が98%以上の水溶液を「発煙硝酸」といい、空気中で有毒な二酸化窒素を発生させます。
ですから、保管には十分な注意が必要です。
なお、硝酸自体は燃焼しないので、火災が起きた場合は消火剤で中和しましょう。
この際、有毒ガスを吸いこまないように風上で作業してください。

5.おわりに

いかがでしたか?
今回は過塩素酸の性質や特徴についてご説明しました。
まとめると

  • 過塩素酸は非常に水に溶けやすく、水と混じり合うと音を出して発熱する。
  • 強酸性の液体で皮膚についたり蒸気を吸いこんだりすると腐食してしまう。
  • 金属も腐食させるため、保管にはガラス容器を用いる。
  • 過塩素酸の水素をほかのイオンや金属に変えると過塩素酸類になり、危険物第1類に分類される。

ということです。
危険物第6類だけ受験する場合は、過塩素酸だけ覚えればよいでしょう。
しかし、第1類を同時に受験したり甲類を受験したりする場合は過塩素酸と過塩素酸類は区別して覚えなくてはなりません。
また、同じように硝酸も硝酸塩類という類似物質があるので注意が必要です。
危険物第4類ほどではありませんが、第6類も過酸化水素など私たちの身近にある物質が指定されています。
特に、過酸化水素は扱っている場所も多く、大量に扱っている会社も少なくありません。
第4類を取得して自信がついたら、第6類にも挑戦してみるとよいでしょう。