化学物質のリスクアセスメントの進め方とは?知っておきたい基礎知識

「リスクアセスメント」という言葉をご存じでしょうか。
危険な化学物質を取り扱う現場においては、とても大切な言葉です。
職場で働いている人たちの健康を守るためにも、リスクアセスメントについて把握しなければなりません。
そこで、リスクアセスメントとは何なのか、化学物質のリスクアセスメントの進め方や基本的な考え方、注意点について説明します。
危険物取扱者はぜひチェックしてくださいね。

目次

  1. リスクアセスメントとは
  2. 化学物質のリスクアセスメントの進め方
  3. リスクアセスメントの注意点
  4. まとめ

1.リスクアセスメントとは

‟リスクアセスメント”とはどのような意味を持っているのでしょうか。
化学物質のリスクアセスメントを把握する前に、意味について知ることが大切です。
危険物を取り扱う現場で働いている人はぜひチェックしてください。

1-1.リスクを回避するための手法

リスクアセスメントとは、いわゆる「リスクを回避するための手法」です。
危険物を取り扱う場所ではさまざまなリスクが潜んでいます。
危険物に関する知識の習得はもちろん、周囲とのコミュニケーションも積極的にしていかなければなりません。
リスクアセスメントは、職場に潜んでいる危険または有害になるものを見つけ、除去・低減する方法になります。
職場で働いている人たちの安全を守るため、リスクアセスメントはきちんとした手順で実施しなければなりません。
労働安全衛生法にはリスクアセスメントの実施を明記しています。
平成18年以降からは労働安全衛生法第28条の2によって努力義務になりました。

1-2.リスクアセスメントの必要性

リスクを回避する手法としてリスクアセスメントはとても大切なことです。
ほかにもリスクアセスメントの必要性はたくさんあります。
‟潜在的な危険性・有害性”を排除するのがリスクアセスメントの特徴です。
従来の労働災害防止対策は、すでに起こった労働災害の原因を調査してから対策を立てていました。
よって、潜んでいる危険・有害性を放置していたのです。
しかし、リスクアセスメントは決して放置をしません。
潜んでいるリスクをとことん突き止め対策を立てることを目的としているのです。
また、多様化している有害物質・化学物質の安全衛生対策としてリスクアセスメントが必要になります。

1-3.リスクアセスメントの効果とは

潜んでいるリスクを徹底的に解析して除去する‟リスクアセスメント”はどのような効果をもたらしてくれるのでしょうか。
リスクアセスメントの効果は主に5つあります。5つの効果は以下のとおりです。

  • リスクに対する認識が強くなる
  • 安全衛生対策の優先順位が決まる
  • ルールをきちんと守るようになる
  • 職場の全員における「危険」の知識が深まる
  • 職場のリスクがハッキリする

以上の5つがリスクアセスメントの主な効果です。
リスクアセスメントは従業員が普段から意識しないリスクまで明確にしてくれます。よって、リスクに対する認識が強くなる、職場の全員における「危険」への知識が深まるのです。
また、安全衛生対策の優先順位も決めることができます。
以上のようにさまざまな効果が期待できるので、リスクアセスメントはとても大切なのです。

2.化学物質のリスクアセスメントの進め方

2-1.基本的な進め方とは

化学物質のリスクアセスメントには基本的な進め方があります。
危険物取扱者はきちんと進め方を把握しなければなりません。
これから基本的な進め方について説明します。
最初にするべきことは「危険・有害性の特定」です。
職場に潜んでいる危険・有害性を発見しなければなりません。
現場で働いている従業員の害となるものや危険をおよぼす状況を見つけてください。
そして、特定した後は特定した危険・有害性について「リスクの見積もり」をします。危険・有害性となるものは私たちにどのような影響をおよぼすのか想定するのです。
見積もり後はそれぞれ「優先順位」を設定していきます。
最もリスクが高いものから片づけていかなければなりません。
最後は見積もりをした「リスクの処置」を実施します。
以上のような進め方が基本になるのでぜひチェックしてくださいね。

2-2.知っておきたい「実施時期」

多様化してきている化学物質ですが、大切なのは進め方だけではありません。
基本的な進め方と同じく、知っておきたいのが「実施時期」です。
化学物質のリスクアセスメントの実施時期は主に3つあります。
ベストな時期は以下の3つです。

  • 既存の設備・作業は計画的に実施する
  • 新しい設備や原材料、作業方法を導入・変更するとき
  • 機械設備の経年劣化や労働者が入れ替わるとき

以上の3つが化学物質のリスクアセスメント実施時期になります。
現場で使用している機械設備の経年劣化、労働者が入れ替わるときは定期的にリスクアセスメントを実施していきましょう。
そして、既存の設備や作業は計画的に進めていかなければなりません。
また、新しい設備や原材料、作業方法を導入・変更するときも実施時期としては大切です。

3.リスクアセスメントの注意点

3-1.リスクの見積もりはわかりやすく

化学物質のリスクアセスメントをする際、リスクはわかりやすく見積もりしなければなりません。
見積もりのやり方は主に2つあります。
「数値化するケース」と「数値化しないケース」です。
数値化する際は、リスクの重大性や発生したときにケガをする可能性、頻度などを数字に表します。
リスクレベルが高いものほど数を大きくするのです。
そして、数値化しないケースはリスクレベルと内容をわかりやすく表示しなければなりません。
危険物取扱者だけしかわからない難しい見積もりはNGです。
誰が見てもわかりやすい見積もりを意識してくださいね。

3-2.リスクアセスメントの優先順位

化学物質のリスクアセスメントは‟優先順位”が大きなポイントになります。
潜んでいるリスクを明確にしたら早めに解決しなければならないものから優先順位をつけるのです。
優先順位のつけかたとして、法令が定めている事項の実施を説明します。

  1. 危険な作業の廃止や有害性の低い材料への変更など
  2. 安全装置などの工学的対策
  3. マニュアルの整備や教育訓練などの管理的対策
  4. 個人用保護具の使用

以上の4点が主な優先順位になっています。
ぜひ参考にして化学物質のリスクアセスメントを実施してくださいね。
また、現場の状況によって異なるのでしっかり調査することが大切になります。

4.まとめ

リスクアセスメントとは何なのか、化学物質のリスクアセスメントの進め方、注意点について説明しましたが、いかがでしたでしょうか。
危険物取扱者にとっては従業員を守る大切な取り組みになります。
基礎知識を身につけて、安全で働きやすい職場をつくりましょう。

  • リスクを回避するための手法
  • 潜んでいる危険や有害を除去する
  • リスクアセスメントの効果は5つ
  • 基本的な進め方は4つの手順
  • 知っておきたい3つの実施処置
  • リスクの見積もりはわかりやすくする
  • リスクアセスメントの優先順位は大切

以上のポイントはぜひ頭の中にいれておいてくださいね。
危険物を取り扱う場所は徹底的に安全対策をしなければなりません。
潜んでいるリスクを徹底的に見つけるためにも、正しいやり方でリスクアセスメントを実施していきましょう。
リスクアセスメントについて詳しく知ることが大切ですよ。