スプリンクラー設備の仕組みとは?知るべき設備の種類や設置義務

火災が起きたとき、命を守るための役割を果たすのが「スプリンクラー」です。
実際、スプリンクラーが作動しなかったせいで亡くなるケースもあります。
とても大切な設備だからこそ、しっかり把握しなければなりません。
そこで、スプリンクラー設備の種類や仕組み、設置義務について詳しく説明します。
ぜひ危険物を取り扱う人はチェックしてくださいね。

目次

  1. スプリンクラー設備の種類
  2. スプリンクラー設備の仕組み
  3. スプリンクラーの設備義務
  4. まとめ

1.スプリンクラー設備の種類

オフィスビルや雑居ビルなどの天井についている「スプリンクラー」は私たちの命を守ってくれる大切なものです。
工場や作業場でもスプリンクラーの設置は必要不可欠になります。
大切なスプリンクラーにはさまざまな種類があるので確認していきましょう。

1‐1.閉鎖型スプリンクラーヘッド

消火設備の1つであるスプリンクラーにはさまざまな種類があります。
一般的なビルや寒冷地にある工場、病院、共同住宅などに設置しているタイプが「閉鎖型スプリンクラーヘッド」です。
閉鎖型スプリンクラーヘッドは常に水の出口が閉まっています。
よって、「閉鎖型」になるのです。
閉鎖型スプリンクラーヘッドにもさらに3種類にわかれます。湿式・乾式・予作動式の3種類です。
「湿式」は一般的なビルに設置しているスプリンクラーで配管内に水が充満しています。冬の寒さで凍結しない地域に最適です。
「湿式」は寒冷地にある工場などに設置しているタイプになります。凍結する恐れのある地域に設置するでしょう。
そして、最後の「予作動式」は病院や建築物に設置するタイプです。配管の中に圧力水を送る仕組みになっています。

1‐2.開放型スプリンクラーヘッド

閉鎖型とは真逆のタイプが「開放型スプリンクラーヘッド」です。
常に水の出口が開いているスプリンクラーのことを指しています。
開放型はビルや住宅ではなく、劇場の舞台部などに設置するタイプです。
劇場の舞台部以外にも化学工場や倉庫などに設置しているため、火災の拡大を防いでくれます。
一般的に開放型スプリンクラーヘッドは火災を検出する「火災感知器」を同時に設置するケースが多いです。
火災感知器が反応したとたん、すぐに開放弁が開きます。
火災している部分だけ水が放出するため、火災の拡大防止には最適です。

1‐3.放水型スプリンクラーヘッド

展示場やアトリウムなどに設置しているスプリンクラーが「放水型」です。
閉鎖型や開放型とは違い、天井が高い場所に設ける特徴を持っています。
また、放水型には「固定式」と「可動式」の2種類があるので確認しておきましょう。
放水型「固定式」は壁面や天井に設置します。
一斉に放水するので小規模な空間・広場に設置することが多いです。
一方、放水型「可動式」は放水範囲が変更できるタイプになります。
よって、ドームなど広い空間に設置することが多いでしょう。
放水型スプリンクラーでも設置する場所によって種類が異なります。
放水型の中には手動操作で放水区域が変更できる種類もあるのです。
以上のように、場所に合ったスプリンクラーを設置しなければなりません。

2.スプリンクラー設備の仕組み

2‐1.閉鎖型の仕組み

スプリンクラー設備の仕組みは種類によってさまざまです。
仕組みを主に区別するなら「閉鎖型」と「開放型」の2つにわかれるでしょう。
「閉鎖型」の場合、水の出口は基本的に閉まっています。
たとえば、湿式の場合、常に配管内は水でいっぱいになっているのです。火災の熱によって閉鎖している部分が作動して放水する仕組みになっています。
そして、放水と同時に湿式流水検知装置が開き警報装置が作動するでしょう。
乾式スプリンクラー設備には「加圧空気源」がついています。
加圧空気源から低圧空気が供給すると同時に水に圧力が加わるのです。
そして、火災の熱を感じると加圧によって放水する仕組みになっています。

2‐2.開放型の仕組み

開放型スプリンクラーには先述したとおり、火災感知式を同時に設置するのが一般的です。
火災感知器は警報装置もついています。
火災が起きると一斉開放弁が開き配管内にある水がスプリンクラーから放出するのです。
火災が起きていないときは一斉開放弁からスプリンクラーヘッドまでの配管はからっぽになっています。
また、開放型スプリンクラーは制御盤・手動起動弁がついているため、手動で設備を起動することもできるのです。
手動で起動できる点は開放型の特徴ではないでしょうか。
有効な消化効果が期待できますが、消火効果を高めるために「閉鎖型スプリンクラー」を用いるところも多いです。
以上のように、閉鎖型と開放型によって仕組みが異なります。
有効的に使用するためにもスプリンクラーの仕組みを把握しておきましょう。

3.スプリンクラーの設備義務

3‐1.設置場所によって異なる基準

スプリンクラーの設置義務は設置場所によってさまざまです。
たくさんの設備種類があるように、種類によって設置場所は異なります。
閉鎖型の湿式・湿式・予作動式は天井の高さが10m以下の施設に設置するのが基本です。
開放型スプリンクラーは劇場の舞台部、倉庫、化学工場などに設置します。
また、場所によってスプリンクラーの設置が義務になっているのです。
密封空間になる劇場・映画館・演芸場などは11階以上すべてに設置しなければなりません。
一般㎡も決まっているため、必ず確認しておきましょう。
基本的に設置しなければならない場所は以下のとおりです。

  • 階数が11階以上
  • 地階、または無窓階は1,000㎡以上
  • 3,000㎡以上
  • 3,000㎡以上で危険物を保管している階
  • 4階以上10階までの1,500㎡

消防法では以上のような場所でのスプリンクラー設置が義務になっています。

3‐2.設置義務が厳しい自治体もある

消防法で決まっている設置基準よりも厳しくなっている自治体はあります。
自治体によって設置基準も異なるので注意しなければなりません。
自治体の基準を把握しなければ消防署の「指導」が入る可能性もあります。
消防法はもちろん、危険物を取り扱う場所は消防署の指示に従ってください。
きちんと指示どおりに設置しなければ、いざというときに大事故につながります。

4.まとめ

スプリンクラー設備の種類や仕組み、設置義務について説明しましたが、いかがでしたでしょうか。
危険物取扱者を目指している人、実際に働いている人は知るべき基礎知識です。
スプリンクラーは従業員の安全確保はもちろん、火災を防ぐための大切な設備になります。
「設備したら終わり」ではなく、定期的な点検が必要です。
定期的に点検をして正常に作動するかどうか確かめてくださいね。

  • 閉鎖型スプリンクラーヘッドには3種類ある
  • 化学工場などに設置する開放型スプリンクラーヘッド
  • 展示場などにある放水型スプリンクラーヘッド
  • 閉鎖型は常に水の出口が閉まっている
  • 開放型は水の出口が開いている
  • 場所によって設置基準が異なる
  • 設置義務が厳しい自治体がある

以上は踏まえておきたいポイントです。
それぞれスプリンクラーの特徴や設置基準を把握して作業場に適切なタイプを設置していきましょう。
従業員たちが安心して作業するためにもスプリンクラーの設置は必要不可欠ですよ。
消防法はもちろん、自治体の設置義務もしっかりチェックしてくださいね。