重油の種類や性質とは?どんなところに使われているの?

重油は、原油から取れる石油製品のひとつです。
しかし、ガソリンや軽油、灯油などと違い、直接私たちの身近で使われることはないように思えます。
しかし、重油も私たちの生活と密着にかかわりがあるのです。
私たちが毎日使っているものの中にも重油が使われています。
そこで、今回は重油の性質や種類についてご紹介しましょう。
危険物取扱者乙種4類の資格を目指す方も、重油についての知識は必要です。
また、重油を取り扱う仕事に就いている方も、ぜひこの記事を読んでみてください。
仕事に役立つかもしれません。

  1. 重油とは?
  2. 重油の性質や使い道とは?
  3. 重油の種類とは?
  4. 危険物としての重油
  5. おわりに

1.重油とは?

重油とは、産出された原油を蒸留してガソリンや灯油、軽油を生成した残りです。
そのため、ガソリンや灯油、軽油にはほとんど含まれていないアスファルトやタールが多量に含まれています。
ですから、どろどろとした粘り気があるのです。
さて、これほど重そうな見た目ですがオイルですので水よりは比重が軽くなっています。
時折、タンカーの事故などで油が海面に広がる様子がテレビで中継されますが、あれも重油なのです。
そのまま放っておくと環境汚染の原因になりますので、オイルフェンスなどで早急に回収されます。

2.重油の性質や使い道とは?

重油というのは、見た目から名付けられた日本でだけ通用する名称です。
諸外国では、燃料油といわれるのが一般的でしょう。
重油は、炭化水素が主成分ですからガソリンや灯油、軽油と比べると火力が強いという性質があります。
そのため、大型船舶や発電機、ボイラーなどの燃料に使われるのです。
また、重油に含まれるアスファルトは、皆様もご存じのように道路の舗装材料として欠かせません。
つまり、重油も直接実物を目にする機会が少ないだけで、私たちの身の回りでたくさん使われているのです。

3.重油の種類とは?

重油は、税法のつごうでいくつかの種類に分かれています。
この項では、重油の種類についてご紹介しましょう。

3-1.重油の種類はどこで決まる?

重油は、税法のつごうにより、A~C重油の3種類に分かれています。
この分類は「残渣油(ざんさゆ)」といわれる、蒸留後に残った油と軽油をどのくらいの分量で混合したかによって決まるのです。
また、軽油が含まれる割合によって使い道も変わってきます。

3-2.A重油

残渣油(ざんさゆ)1に対して軽油が9の割合で含まれている重油です。
限りなく軽油に近いので、ボイラー、農機具、小型船舶などの燃料として使われています。
私たちの生活に一番身近な重油といえるでしょう。
なお、A重油は軽油と成分があまり変わりませんので、ディーゼルエンジン車に軽油の代わりに使われることもあるのです。
しかし、これは「不正軽油」という違法行為になります。
重油は軽油に比べて税が安いので、同じ分量だと重油の方が安価です。
でも、ディーゼルエンジンに重油を使うと排ガスが環境汚染の原因になります。
また、脱税行為になるため法律で罰せられるのです。

3-3.B重油、C重油

B重油は残渣油(ざんさゆ)と軽油の割合が5:5の重油。
C重油とはA重油と逆に残渣油(ざんさゆ)が9に対し軽油が1の割合の重油です。
C重油は軽油の量が最も少ないので、安価ですが不純物が多いので、使用されるときは油清浄機が必要になります。
しかし、それでも機械がいたんだり腐食したりするのは避けられません。
B重油やC重油は大型船舶やボイラーの燃料として使われていますが、安い重油を使うほど機械の寿命は短くなると覚えておきましょう。

4.危険物としての重油

重油は、消防法によって危険物に指定されています。
この項では、危険物としての重油の特徴や消火方法、保管方法などをご紹介していきましょう。
危険物取扱者の資格取得を目指している方は、ぜひ参考にしてください。

4-1.重油の分類

重油は、消防法で危険物第4類の第3石油類に指定されています。
危険物第4類は、引火性液体といって、火を近づけると常温でも発火する危険のある液体が指定されるのです。
ガソリンや灯油、軽油なども引火性液体に含まれます。
さて、危険物取扱者は、社会人に人気のある資格ですが、その中でも乙種4類通称乙4を受験する方が多いでしょう。
乙種4類の資格を取得すれば、重油も分類されている引火性液体を管理したり取り扱ったりしできます。
ガソリンスタンドをはじめとして、引火性液体を扱っている場所は多いので乙種4類の需要も高く、受験者数も多いのです。

4-2.重油の性質

引火性液体に指定されている物質の多くが原油を原料としています。
そのため、石油類としてまとめられ、その中で危険度に合わせて1~4に分類されているのです。
重油は引火点が60度~150度と石油類の中では比較的高めになっています。
ちなみに、軽油の含まれている量が多いA重油が最も低く、C重油よりも10度以上低い温度で引火するのです。
石油類の中には引火点がマイナスのものもありますが、通常の室温では引火の可能性は低いでしょう。

4-3.重油の特徴

重油は、前述したように大変火力が強い物質です。
ですから、一度火がつけば消火が困難になります。
ガソリンや軽油、灯油などは初期消火が可能ですが重油は不可能だと考えてよいでしょう。
そのため、防火が大切になります。
また、重油は液比重が1より軽いので水に浮くのです。
この性質を持っている第3石油類は重油だけですので、覚えておきましょう。
ほかの第3石油類は水に沈みます。
また、重油の中にはガソリンを生成した残液から作られた「分解重油」というものもあるのです。
この重油は自然発火する恐れがありますので、保管方法に気をつけましょう。
さらに、通常の重油でも霧状になれば常温でも引火します。重油は粘度が高いので霧状になるということは考えにくいですが、A重油は粘度が低いので気をつけてください。

4-4.重油の保管方法と消火方法

重油は、換気のよい場所に密閉容器に入れて保管しましょう。
重油が揮発すればちょっとした火種で発火する可能性もあります。
また、重油は水に浮くため火災になったときに水をかけると、かえって燃え広がってしまうのです。
そのため、重油の消火には化学物質やハロゲン、泡を使った窒息消火を行いましょう。
万が一少量の重油が発火し、周りに消火器がないという場合は、砂をかけても同じ効果が得られます。
しかし、前述したとおり重油の火力は強いので、発火した場合は無理に消火をしようとせずすぐに消防署へ通報してください。

5.おわりに

いかがでしたか?
今回は、重油の性質や種類についてご紹介しました。
重油はボイラーの燃料にもなりますので、皆様が思っているよりも身近な場所に保管されていることも珍しくありません。
たとえば、大きな商業施設のボイラー設備の中に保管庫があるケースもあるのです。
また、缶に入れられたA重油もごく普通に買えます。ごく普通の農家が燃料用として保管しているケースもあるでしょう。
少量の重油を保管するならば、危険物取扱者の資格は不要です。
しかし、ほうりっぱなしにしておかないように注意しましょう。
灯油と同じように火気や直射日光を避けて保管してください。
不要になった場合は販売店やガソリンスタンドに持っていきましょう。
処分してくれるはずです。
有料か無料かは店によって異なりますので、必ず問い合わせてください。