危険物製造所の基準は? 危険物取扱者の取得方法や受かるコツも!

「危険物製造所の基準や決まりごとを知りたい」とお考えではないでしょうか。危険物取扱者試験に合格するためにも、危険物製造所について正しく理解しておくことが必要です。まずは、どんな決まりごとや基準があるのかなどを学びましょう。今回は、危険物製造所について詳しく解説します。

  1. 危険物製造所について
  2. 危険物製造所の基準
  3. 危険物取扱者の取得方法
  4. 危険物製造所や危険物取扱者に関するよくある質問

この記事を読むことで、危険物製造所についてよく分かります。まずは、記事を読んでみてください。

1.危険物製造所について

最初に、危険物製造所の定義や決まりごとについて見ていきましょう。

1-1.危険物を製造するための施設

危険物製造所とは、危険物を製造するための施設のことです。大量の危険物を安全に取り扱うため、危険物製造所を設置する際は、法律で決められた3つの基準(構造・設備・配管)に合致する必要があります。危険物製造所以外に危険物を取り扱うことができるのは、危険物貯蔵所・危険物取扱所です。危険物貯蔵所は、危険物の希釈や混合・濃縮などの単純な加工を行う施設になります。また、危険物取扱所は危険物を取り扱う施設のことです。危険物貯蔵所7種類と危険物取扱所4種類の詳細は、以下をご覧ください。

危険物貯蔵所

  • 屋内貯蔵所(油庫)
  • 屋外貯蔵所
  • 屋内タンク貯蔵所(タンク室)
  • 屋外タンク貯蔵所
  • 地下タンク貯蔵所
  • 簡易タンク貯蔵所
  • 移動タンク貯蔵所(タンクローリー)

危険物取扱所

  • 給油取扱所(ガソリンスタンド)
  • 販売取扱所
  • 移送取扱所
  • 一般取扱所(ボイラー室)

1-2.各種申請手続きや設置許可などの決まりごとがある

危険物製造所に関する主な決まりごとを詳しく解説します。

1-2-1.申請手続きは4種類

危険物製造所には、安全性の確保を目的として各種申請手続きを行う義務があります。具体的には、以下をご覧ください。

  • 許可申請:製造所などの設置や位置・構造や設備の変更の申請
  • 承認申請:製造所などの仮使用(変更工事以外の部分を一時使用)・10日以内の仮貯蔵や仮取り扱いの申請
  • 検査申請:完成検査前検査・完成検査・保安検査の申請
  • 許可申請:予防規定(火災予防のため規定)の作成または変更の申請

1-2-2.定期点検を実施する義務がある

危険物製造所は、1年に1回以上の定期点検が必要です。点検を行う際には、危険物取扱者や危険物施設保安員本人もしくは立ち会う必要があります。また、以下の施設では危険物の数量に関係なく点検が必要です。

  • タンク貯蔵所
  • 地下タンクを有する製造所
  • 地下タンクを有する給油取扱所
  • 地下タンクを有する一般取扱所
  • 移動タンク貯蔵所
  • 移送取扱所

1-2-3.保有空地は消火活動や延焼防止のための区域

保有空地(ほゆうくうち)とは、火災発生時の消火活動や延焼防止のための区域です。危険物製造所など5つの施設の周辺に設置され、消火活動と延焼防止のため、ものを置いてはいけない決まりがあります。また、万が一の際の安全を確保するため、以下のように保安距離(火災や爆発が起きても保安対象物に影響を与えない距離)が規定されているのです。

  • 特別高圧架空電線:3m以上
  • 特別高圧架空電線:5m以上
  • 同一敷地外の一般住宅:10m以上
  • 高圧ガスなどの施設:20m以上
  • 学校や病院など多人数がいる施設:30m以上
  • 重要文化財など:50m以上

1-2-4.指定数量

指定数量とは、それぞれの危険性に応じて政令で定められた数量のことです。指定数量以上の危険物の貯蔵・取り扱いは消防法、指定数量未満の危険物は市町村の火災予防条例の規制を受けます。たとえば、第4類の危険物では、ガソリン200L・アセトン400L・メチルアルコールやエチルアルコール400L・第2石油類(非水溶性)の灯油や軽油1,000Lです。危険性が高いものほど指定数量が少なくなります。

2.危険物製造所の基準

危険物製造所の基準を、構造・設備・配管それぞれ詳しく解説します。

2-1.構造の基準

危険物製造所の構造の基準は、以下をご覧ください。

  • 屋根:爆発が起きても屋根がすぐ抜けるよう、軽量な金属板など不燃材料を使用する
  • 壁:延焼の恐れのない部分には不燃材料(コンクリートなど)を使用し、延焼の恐れのある部分は耐火構造(鉄筋コンクリート造など)を採用する
  • 窓:網入りガラスを使用する
  • 床:危険物が流出してもしみこまない構造にし、傾斜をつけて「ためます」(もれた危険物をためる場所)を設置する
  • 地階:引火性蒸気の滞留を防ぐため、地階は設置しない

2-2.設備の基準

危険物製造所の設備の基準は、以下を参考にしてください。

  • 避雷設備:危険物の指定数量が基準の10倍以上ある場合、避雷設備を設置する
  • 蒸気排出設備:可燃性蒸気などが滞留する恐れがある場合、蒸気排出設備を設置する
  • 採光:危険物を取り扱う際に必要な明るさを確保すため、採光設備や照明を設置する

2-3.配管の基準

危険物製造所の配管に関する基準は、以下のとおりです。

  • 配管の材質:強度のある材質(最大常用圧力の1.5倍以上の水圧実験をし漏えいなどの異常がない)を使用
  • 配管を地上に設置する場合:鉄筋コンクリート造など支持物によって支える(地震・風圧・地盤沈下・温度変化による伸縮対策のため)
  • 配管を地下に埋設する場合:配管の接合部分からの漏えいを点検できるようにし、地盤にかかる重量が配管に影響しないように保護する

3.危険物取扱者の取得方法

危険物取扱者の取得方法を詳しく解説します。

3-1.危険物取扱者は甲種・乙種・丙種の3つがある

危険物取扱者は、消防法に基づいて危険物を取り扱うことのできる資格で、以下の3つがあります。

  • 甲種危険物取扱者:全種類の危険物の取り扱いと立ち会いが可能
  • 乙種危険物取扱者(第1類~第6類):免状を交付された類の危険物に対して取り扱いと立ち会いが可能
  • 丙種危険物取扱者:第4類危険物のうち、ガソリン・灯油・軽油・第3石油類(重油、潤滑油・引火点130度以上のもの)・第4石油類・動植物油類の取り扱いが可能

乙種の6種類が取り扱いと立ち会い可能な危険物については、以下を参考にしてください。

  • 第1類:酸化性固体(塩素酸カリウム・過マンガン酸カリウム・次亜塩素酸ナトリウムなど)
  • 第2類:可燃性固体(硫黄・赤リン・マグネシウムなど)
  • 第3類:自然発火性物質および禁水性物質(ナトリウム・リチウム・黄リンなど)
  • 第4類:引火性液体(ガソリン・灯油・軽油・エタノールなど)
  • 第5類:自己反応性物質(ニトログリセリン・トリニトロトルエン・アジ化ナトリウムなど)
  • 第6類:酸化性液体(過酸化水素・硝酸など)

3-2.丙種と乙種は受験資格がない

丙種と乙種には、受験資格がありません。従って、国籍・性別・学歴・実務経験の有無を問わず受験可能です。甲種を受験する場合は、以下のような受験資格が必要になります。

  • 大学などで化学に関する学科などを履修・卒業した者
  • 大学などで化学に関する授業科目を15単位以上修得した者
  • 乙種危険物取扱者免状を有し実務経験が2年以上の者
  • 科学に関する学科・課程において修士・博士の学位を有する者

なお、甲種の受験資格の詳細は、一般財団法人消防試験研究センターの受験案内ページも確認してください。

3-3.全国47都道府県で1~3か月に1回以上実施

危険物取扱者の試験概要は、以下を参考にしてください。

  • 試験日程:1~3か月に1回以上
  • 受験地:全国47都道府県の一般財団法人消防試験研究センター支部
  • 受験料:甲種6,500円・乙種4,500円・丙種3,600円
  • 申し込み方法:書面申請もしくは電子申請
  • そのほかの注意点:居住地以外の受験地の選択も可能

なお、より詳しい内容は一般財団法人消防試験研究センターの受験案内ページをご覧ください。

3-4.試験は筆記試験だけでマークシート方式

危険物取扱者の試験内容は、以下を参考にしてください。

  • 試験時間:甲種2時間30分・乙種2時間・丙種1時間15分
  • 試験科目:甲種(危険物に関する法令15・物理学および化学10・危険物の性質ならびにその火災予防および消火の方法20)・乙種(危険物に関する法令15・基礎的な物理学および基礎的な化学10・危険物の性質ならびにその火災予防および消火の方法10)・丙種(危険物に関する法令10・燃焼および消火に関する基礎知識5・危険物の性質ならびにその火災予防および消火の方法10)
  • 実地試験:なし
  • そのほかの注意事項:甲種と乙種は五肢択一式・丙種は四肢択一式のマークシート方式

3-5.通信講座や過去問で得点力を高める

危険物取扱者の試験対策は、専門用語の暗記が第一となります。試験はマークシート方式であるため、選択肢に必ず正解が含まれているため、基礎を身につけることがそのまま得点力につながるでしょう。たとえば、当SATの危険物取扱者講座は、DVDやスマホを活用し、すき間時間などを利用して学習することができます。仕事などで忙しい人でも、効率よく試験対策できるのでぜひご検討ください。また、出題形式に慣れるためにも過去問の攻略を忘れてはいけません。過去問は一般財団法人消防試験研究センターの過去に出題された問題ページからダウンロード可能です。

4.危険物製造所や危険物取扱者に関するよくある質問

最後に、危険物製造所や危険物取扱者に関する質問に回答します。それぞれ確認してください。

Q.危険物製造所の設置基準を満たしていないことが判明した場合は?
A.基準維持命令(修理・改造または移転の命令)を受けることがあります。

Q.危険物製造所で事故が発生した場合、どんな義務がある?
A.事故発生時に応急措置を行う義務や事故発見者の通報義務があります。危険物製造所の事故は重大な被害につながる恐れが高いため、早急に対応・通報することが必要です。

Q.危険物施設保安員の選任には危険物取扱者の資格が必要?
A.必要ありません。しかし、危険物取扱者であるほうが望ましいとされています。

Q.危険物取扱者は複数受験できる?
A.種類の組み合わせによっては、複数受験可能です。たとえば、以下のような組み合わせとなります。

  • 午前に乙種第4類を受験し、午後に甲種・乙種・丙種のいずれかを受験する
  • 午後に複数の乙種を同時受験する(乙種第4類以外2種類もしくは3種類)

乙種の複数同時受験はすでに乙種危険物取扱者免状を所持していることが条件です。なお、複数受験の場合は、書面申請だけの取り扱いとなるので注意してください。

Q.危険物取扱者の合格基準や難易度は?
A.危険物取扱者の合格基準は、全種類において各科目とも60%以上の得点率です。また、平成30年度の合格率は、以下をご覧ください。

  • 甲種:39.4%
  • 乙種:第1類66.5%・第2類69.3%・第3類69.5%・第4類39.3%・第5類66.4%・第6類63.6%
  • 丙種:52.6%

甲種は受験資格がありながらも4割弱の合格率であることから、難易度はやや高めです。また、乙種は人気の高い第4類の難易度が高くなっています。丙種に関しても、5割強の合格率にとどまっていることを考えれば、決して簡単な試験とは言えません。試験当日に向けて、万全の準備をする必要があるでしょう。

まとめ

今回は、危険物製造所について詳しく解説しました。危険物製造所は、危険物を製造するための施設です。安全性を確保するためには各種申請手続きが義務付けられているほか、さまざまな基準があります。危険物製造所の定期点検は、危険物取扱者もしくは危険物施設保安員本人もしくは立ち会いが必要です。危険物取扱者の資格取得により、危険物製造所において必要不可欠な人材となり、就職・転職に有利になります。乙種・丙種は受験資格もなく、誰でも受験できるため挑戦してみるといいでしょう。


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