酸化還元反応とはどういうもの?危険物とどんな関係があるの?

消防法によって定められた危険物の中には、「酸化剤」や「還元剤」として使われているものがあります。
では、酸化還元反応とはいったいどのようなものなのでしょうか?
そこで、今回は酸化還元反応についていろいろとご説明します。
また、酸化剤や還元剤に指定されている危険物についてもご説明しましょう。
実は酸化剤と還元剤を合わせると、爆発や薄荷の危険もあるのです。
危険物取扱者の資格取得を目指している方も、ぜひこの記事を読んでみてください。

目次

  1. 酸化還元反応とは?
  2. 酸化剤と還元剤とは?
  3. 危険物同士を混ぜる危険性とは?
  4. 危険物同士の取り扱い方とは?
  5. おわりに

1.酸化還元反応とは?

酸化と還元とは、物質が酸素や水素の原子をくっついたり離れたりをすることです。
具体的に説明しましょう。
銅が酸素と化合すると、酸化銅になるのです。
新しい10円玉は赤みが強い茶色なのに、古い10円玉は黒ずんでいますね。
これは汚れではなく、酸化をしたために黒っぽくなるのです。
また、酸化銅と水素を反応させると水素と酸素が結びついて水となり、酸化銅は酸素を失って銅に戻ります。
これが、酸化と還元なのです。
また、酸化還元反応は電子のやり取りでも起こります。
電子を失う反応が酸化、電子がくっつく反応が還元です。
さて、酸化還元反応とは、2種類の物質間で酸素、水素、電子のやり取りを同時に行う化学反応のことをいいます。
ちなみに、英語の酸化と還元の表記を合わせて「レドックス反応」ということもあるでしょう。

2.酸化剤と還元剤とは?

この項では、酸化剤と還元剤に少しご説明しましょう。
危険物とどんなかかわりがあるのでしょうか?

2-1.酸化剤とは?

酸化剤とは、相手を酸化させる物質です。
相手が酸化したら、酸化剤は還元します。
危険物の第1類に指定されている酸化性固体と第6類に指定されている酸化性液体は、酸化剤としていろいろな場所に使われているのです。
酸化性固体は、無色の結晶や白い粉末であり、水よりも重い物質になります。
また、加熱・衝撃・摩擦を与えることで酸素を放出するのです。
この放出した酸素によって相手を酸化させます。
ですから、保管しておく場合は、熱だけでなく衝撃や摩擦にも注意が必要になるでしょう。
酸化性液体は、不燃物ですから、単独では燃焼しません。
しかし、可燃物を混ぜると酸素を放出するという特徴があるのです。
また、水と激しく反応する物質もありますし、可燃物と反応した結果有毒ガスを発生させるものもあります。

2-2.還元剤とは?

還元剤とは、酸化剤とは逆に物質を還元させる効果を持った物質です。
危険物の第2類に指定されている可燃性固体と第4類の可燃性液体が還元剤としてよく使われています。
第4類の可燃性液体とは、私たちの最も身近な危険物である、灯油やガソリンなどです。
なぜこれが還元剤なのか、というと酸素と結びつきやすいため。
燃焼という現象は、酸素と結びつくことでもあるのです。
ですから、燃えやすい固体や液体は参加している物質から酸素を奪うということで、還元剤として使われています。

3.危険物同士を混ぜる危険性とは?

危険物は第1類~第6類まで分類されています。
工場などでは、複数の危険物を取り扱っているところも珍しくはありません。
しかし、危険物の組み合わせによっては、爆発や薄荷の危険性があるものがあるのです。
危険物取扱者の資格を取得したいという方は、「混ぜるな危険」という注意書きの意味についてもご存じでしょう。
その中のひとつが、酸化剤と還元剤。
酸化剤というのは、前述したように相手に酸素を与える物質です。
還元剤とは、酸素を与えると激しく燃焼する物質になります。
つまり、危険物第1類、第6類、第2類、第4類を一緒に保管していると、爆発したり発火したりする危険が高まるのです。
危険物の取り扱いについてはいろいろな決まりがあります。
火気厳禁なのはもちろんのこと、衝撃や摩擦、光などを与えないようにして保管しなければなりません。
しかし、危険物同士の保管については何も決まりがないのです。
ですから、類の異なる危険物同士を一緒に保管する場合は、危険物取扱者が大丈夫かどうか判断する必要があります。
今回ご紹介した酸化剤と還元剤は、お互いに酸素を与えるものと酸素を取り入れて激しく燃焼したり爆発したりするものです。
ですから、混じり合うと激しく反応するでしょう。

4.危険物同士の取り扱い方とは?

では最後に、危険物同士の取り扱い方をご紹介します。危険物取扱者の試験に出ることもありますので、しっかりと覚えておきましょう。

4-1.一緒に保管しない

前述したように、混ぜると激しく反応する危険物は一緒に保管しないようにしましょう。
「容器に分けてあるからよいのでは?」という意見もあるかもしれません。
しかし、危険物の中にはガソリンのように、気化しやすいものもあるのです。
気化をしたからといって危険物が無害のものになる、というわけではありません。
目に見えなくなった分だけ危険なのです。
また、地震などの災害が起こった場合、危険物を保管していた容器が壊れて危険物が混じってしまう可能性があります。
こうなった場合は、2次災害の危険性も高まるでしょう。

4-2.一緒に運搬しない

混ぜると爆発したり発火したりする可能性がある危険物同士は、同じ車両に入れて運搬できません。
これは、消防法にも取り決めがありますので、ご存じの方も多いでしょう。
逆に、一緒に運べる危険物の方が少ないのです。
「危険物を運搬するの?」と思われる方もいるかもしれませんが、危険物の運搬は珍しいことではありません。
ガソリンや灯油などは、タンクローリーといって運搬専用の車両まであります。
ですから、危険物取扱者の試験を受験する際は、一緒に運んでもよい危険物の種類を覚えておくとよいでしょう。

4-3.一緒に使わない

一番大切なことですが、混ぜると危険な危険物同士を一緒に使ってはいけません。
職場によっては酸化還元反応が作業行程で必要なこともあるでしょう。
ですから、酸化剤と還元剤の両方を扱う業者もあります。
しかし、それを両方同じ場所で使うと事故の危険性が高くなるのです。
危険物取扱者の資格保持者は、無資格者の監督も仕事になります。
しっかりと目を光せておきましょう。

5.おわりに

いかがでしたか?
今回は、酸化還元反応についてや、危険物のうち酸化剤と還元剤に指定されているもの等をご紹介しました。
まとめると

  • 酸化還元反応とは、酸素原子、水素原子、電子を同時にやり取りする反応のことである。
  • 物質を酸化させる酸化剤や物質を還元させる還元剤は、危険物に指定されているものが多い。
  • 酸化剤と還元剤を混ぜると、爆発したり発火したりする可能性が高まるということです。

参加も還元も、私たちの身の回りで毎日のように起こっている現象。
しかし、物質を酸化させたり還元したりする危険物同士を混ぜ合わせると、大変危険です。
ですから、取り扱いには十分注意してください。
また、このほかにも混ぜ合わせると爆発や発火の可能性がある危険物はあります。
危険物取扱者乙種を受験する方は、よく覚えておきましょう。
法律で規制されていないことも多いです。
事故が起こらないようにすることも、危険物取扱者の職務になります。