引火性固体の種類や定義とは?身近なものが指定されています。

引火性固体とは、文字どおり火がつきやすい固体のことです。
同じように危険物に指定されている引火性液体よりはマイナーな存在ですが、私たちの身の回りにもたくさんあります。
そこで、今回は引火性固体の定義についてご紹介しましょう。
特に、危険物取扱者の乙種を複数受ける方や、甲種を受験する方は定義をしっかりと把握しておかないと、混乱することもあります。
また、指定数量未満の引火性固体でも取り扱いには十分な注意が必要です。
危険物取扱者の資格を取りたい方などは、ぜひこの記事を読んでみてください。

  1. 引火性固体の定義とは?
  2. 引火性固体に指定されている物質の特徴とは?
  3. 引火性固体を運搬するときの注意点
  4. おわりに

1.引火性固体の定義とは?

引火性固体とは、1気圧のときに引火点が40度以下の固体を指します。
引火点とは、火の気を近づけると、物体が発火する温度のこと。
料理酒やみりんを沸騰させて火に近づけると、炎があがりますね。
あれは、アルコールが引火点に達しているからです。
ちなみに、引火点と間違えやすいものに、発火点があります。
発火点とは、火気を近づけなくても自然に物体から炎が上がる現象のこと。
油を熱し続けると238度前後で、火気がなくても炎が上がります。
このようなものが発火です。
引火点が40度以下ということは、常温でも火気を近づければたやすく火がつくということ。
ですから、引火点が低いものほど火気厳禁のところで保管する必要があります。
また、量が多いほど危険性は高まるでしょう。
ちなみに、引火性固体の指定数量は1000キロです。
なお、引火性固体は少量でも、燃えやすいものと一緒に保管しておくと、大きな火災の原因になるでしょう。
ですから、次の項にご紹介するものを取り扱ったり保管していたりする場合は、十分に気をつけてください。

2.引火性固体に指定されている物質の特徴とは?

この項では、引火性固体に指定されている物質の特徴をご紹介します。
保管の仕方や火災のときの消火方法は、どうすればよいのでしょうか?

2-1.固形アルコール

通常のアルコールは液体ですが、そこに凝固剤を加えると固まります。
固形アルコールは、メチルアルコールやエチルアルコールが原料で、携帯用の燃料としてよく使われているのです。
通常は乳白色をした寒天状の物体で、独特のアルコール臭がします。
アルコールは揮発性が高いですが、固体になっても変わりありません。
通気性のよい場所に置いておくと、アルコールが蒸発して小さくスカスカになってしまうでしょう。
また、引火点が20度と低いので、火気を近づければ即引火します。
さらに、蒸発したアルコールは密閉した室内では、引火性の気体となってとどまり続けるのです。
ですから、固形アルコールを保管する容器は密閉状態にしても、保管している場所は通気性のよいところにしてください。
もちろん、取り扱う場合も火気厳禁です。
なお、アルコールが燃えた場合は、冷水消火ではなく、泡や二酸化炭素、ハロゲン化合物などによる窒息消火を行います。
ただし、消防車での放水など、多量な冷水による消火は有効です。
ですから、初期消火は化学物質や二酸化炭素を詰めた消火器で行い、大規模な火災になった場合は大量の冷水消火をしましょう。

2-2.ゴムノリ

生ゴムをベンジンやベンゼンなど、石油系の有機溶剤に溶かした製品です。
タイヤのパンク修理などに使われます。
今は、自分で自転車のパンクを修理する方も多いですし、ホームセンターにも修理キットが販売されているでしょう。
ゴムノリは引火点が10度以下とかなり低いです。
ですから、冬の戸外でも火気を近づければ発火する恐れがあります。
また、石油系有機溶剤は揮発しやすいため、不用意に放置しておくと可燃性蒸気が発生するでしょう。
さらに、蒸気を吸いこむとめまいや頭痛、貧血などを起こす可能性があります。
自転車のパンク修理に使う程度の量でしたら、人体に深刻な影響が出ることはありません。
しかし、業務用として大量に仕入れた場合などは取り扱いに気をつけてください。
密閉して保管しないと、部屋の中に引火性の有毒場蒸気がまん延する可能性もあります。
また、直射日光によって分解するので、保管する場合は日陰で通気性のよい場所にしてください。
もちろん、火気厳禁です。
また、発火した場合は固形アルコールと同じように窒息消火を行います。

2-3.ラッカーパテ

トルエン、酢酸ブチル、ブタノール等などが成分の下地修正をする塗料です。
プラモデルなどを作るときに使われます。
最近は、自分でオリジナルの模型を作る方も多いので、たくさん使う方も少なくないでしょう。
また、子どもも使う可能性があります。
通常はペースト状の固体で、引火点は10度と大変低いです。
ですから、くわえタバコなどをして使うと、引火して火災が発生することもあります。
また、揮発性が大変高いので、ふたを開けたまま放置していると有毒な引火性蒸気が発生するでしょう。
それを吸いこむと、有機溶剤中毒になることもあります。
ですから、使う際は部屋の換気に気をつけて、マスクをして使用しましょう。
また、子どもが使う場合は大人が監督してください。
子どもは大人よりも体が小さいので、少量で有機溶剤中毒になってしまう可能性があります。
また、直射日光により分解するのです。
そのため、容器は密封して小さい子どもの手の届かない場所に保管しましょう。
時々換気をするのを忘れないでください。
また、使っている最中は火気厳禁です。
さらに、火花を散らす可能性があるものも、そばに置いてはいけません。
電化製品などは注意してください。
発火した場合は、ほかのものと同じように窒息消火を行います。

3.引火性固体を運搬するときの注意点

さて、引火性固体は一般住宅や商店、さらに宿泊施設などで使われるものばかりです。
ですから、引火性液体と同じくらい身近な危険物といえるでしょう。
さらに、運搬されることも多いです。
危険物は第1類~6類までありますが、一緒に運搬してよい危険物は決められています。
引火性固体は第2類危険物に指定されているのです。
ですから、一緒に運搬できるのは、第4類と第5類だけ。
また、運搬する場合は危険物取扱者の資格保持者の道場が必要です。
さらに、引火性固形燃料は少量だけ運ばれることも珍しくありません。
このとき、不用意に日当たりのより車内に放置しておくと、引火性の蒸気が充満することもあります。
ですから、少量でも運搬する際は日当たりや通気性に注意しましょう。
容器を密閉しているかの確認も忘れずに。

4.おわりに

いかがでしたか?
今回は、引火性固体の定義についてご紹介しました。
特に、固形アルコールやゴムノリは、業務用として多めに購入して保管していることも珍しくありません。
指定数量以上を保管しているところは、専用の保管庫があるところが多いです。
しかし、商店や宿泊施設では、物置にそのまま入れておくというところもあるでしょう。
火気と通気性だけ気をつければ、物置で保管しておいても大丈夫です。
しかし、容器のふたは必ずきちんと閉めましょう。
半開きになっていたりすると引火性蒸気が充満します。
また、ラッカーパテは使わなくなったら、できるだけ早く処分してください。
古いラッカーパテは品質が劣化します。
さらに、容器が劣化して破損してしまうと、隙間から蒸気が出ることもあるでしょう。
もちろん、管理には気を配ってください。