酸化プロピレンの性質や特徴とは?危険性を把握して正しく扱おう!

私たちのまわりには危険物質がたくさんひそんでいます。
特に、作業場や工場では普段扱うことのない物質を扱う機会が多いでしょう。
危険物質を扱う現場では、危険物取扱者を必ず配置しなければなりません。
そこで、今回は危険物の1つである“酸化プロピレン”をピックアップしたいと思います。酸化プロピレンの性質・特徴、危険性、取り扱いや保管方法について説明しましょう。危険物取扱者資格取得を目指している人は、ぜひ参考にしてください。

  1. 酸化プロピレンの性質・特徴
  2. 酸化プロピレンの危険性
  3. 酸化プロピレンの取り扱い・保管方法
  4. まとめ

1.酸化プロピレンの性質・特徴

危険物の1つである酸化プロピレンの性質・特徴について説明します。
危険物を扱う際は、物質の性質をきちんと把握しておかなければなりません。
性質や特徴を把握しているからこそ、正しい取り扱い方ができます。事故が起きないよう、十分に把握しておきましょう。

1‐1.第4類危険物の特殊引火物

危険物は第1類から第6類まであります。
それぞれ特殊な性質を持っているので、しっかり把握しておかなければなりません。
酸化プロピレンは引火性液体の特徴がある「第4類危険物」になります。
引火性液体にもさまざまな種類はありますが、酸化プロピレンは“特殊引火物”の1つです。
特殊引火物は第4類危険物の中でも最も危険な危険物と言われています。
特殊引火物の特徴は、「1気圧において発火点が100℃以下になっているもの」です。
また、「引火点が-20℃以下、沸点が40℃以下のもの」も特徴の1つになります。
つまり、第4類危険物の中でも、発火点が低く気化しやすい特徴を持っているのです。

1‐2.さまざまな特徴を持っている“酸化プロピレン”

第4類危険物には酸化プロピレンのほかに、アセトアルデヒドやジエチルエーテルなどさまざまな種類があります。
それぞれの物質によって性質・特徴が異なるものです。
中でも酸化プロピレンは、ほかの特殊引火物と比べて燃焼範囲が狭くなっています。
狭いと言っても、特殊引火物の中と比較した場合です。第4類危険物以外と比較すれば、十分に範囲が広いでしょう。
また、酸化プロピレンは気温が沸点である35℃を超えると危険性が高まります。
塩基や銅・金属などによる重合がすすむと、熱が発生するのです。発生した熱によって火災や爆発の原因になります。
よって、重合の可能性がある物質とは関係のない場所で保管しなければなりません。

1‐3.「水」との関係と有毒な蒸気の発生

水の質量と比較する際、水より軽いか重いかを示す値が「液比重」です。
液比重が1より大きいか少ないかによって、消火方法や保管方法を決めます。
管理や取り扱いに関係することなのでとても大切です。
酸化プロピレンの液比重は1より小さくなります。水より軽い性質を持っているのです。また、水によく溶ける特徴も持っています。
酸化プロピレンを保管する際は、水との関係を詳しく把握しておきましょう。
さらに、注意しておきたいのが酸化プロピレンから発生する有毒な蒸気です。
酸化プロピレンは有毒な蒸気を発する傾向があります。蒸気が発生したら吸いこまないように注意しなければなりません。

2.酸化プロピレンの危険性

2‐1.引火しやすい性質に要注意

引火性物質の中でも引火しやすい酸化プロピレンは、「火」との関係に注意しなければなりません。
近くに火の気があれば、すぐに引火して火災・爆発する恐れがあります。
火気の注意はもちろんのこと、人間にも悪影響をおよぼす危険があるのです。
国際がん研究機関によると、酸化プロピレンには発がん性の懸念があるとわかりました。
ハッキリとしたデータは出ていませんが、発がん性の確率が高いため発がん性のグループ2Bに入っているのです。
また、人の皮膚に酸化プロピレンが付着すると、凍傷のような状態になります。
最悪なケース、切断せざるを得なくなるので取り扱いには十分に注意してください。

2‐2.酸化プロピレンの使用用途とは

酸化プロピレンの使用用途は非常に幅広いです。
基本的に、酸化プロピレン本体を使用しません。
化成品の原料として使用することが多く、特殊用途の燃料・溶媒としても活躍しています。
主な使用用途となっている化成品原料は、大半がポリウレタンやポリエステルの製造です。
また、食料品や化粧品に入っている保水剤・界面活性剤としても使用しています。
燃料としては、模型用エンジンの添加物、気化しやすい特徴から燃料気化爆弾として使うこともあるのです。
日本では禁止になっていますが、アメリカでは農薬としても使用しています。
しかし、酸化プロピレンの危険性に換わりはないため、さまざまな法規制で扱い方が決まっているのです。
たとえば、高圧保安法では可燃性ガスとして、労働安全衛生法では危険物引火性のものとさまざまな法律で決まりごとがあります。

3.酸化プロピレンの取り扱い・保管方法

3‐1.取り扱う場所は「風とおり」「火気厳禁」を徹底する

特殊引火性に分類する酸化プロピレンは、取扱場所が大切です。
安全が確保できた環境内で取り扱わなければなりません。
引火しやすい性質を持っているため、もちろん火気のある場所はNGです。
火気を近づけないこと、そして、風とおりの良い場所で扱いましょう。
もし、酸化プロピレンから蒸気が発生した場合、すぐ換気ができるような環境にしなければなりません。
発生した蒸気は私たちにとって有毒です。換気しやすいよう工夫してください。
また、酸化プロピレンが皮膚につかないよう保護服の着用をおすすめします。
非常に危険な物質には変わりないので、取り扱いには念入りに注意を徹底してください。

3‐2.酸化プロピレンの保管・消火方法

酸化プロピレンは、冷却装置などによる沸点以下の状態で管理してください。
沸点が35℃以上になるとすぐに爆発・引火します。特に、夏場は要注意です。
すぐに室内の温度があがってしまうため、冷却装置が必要になります。
常に35℃を超えないよう、沸点以下での管理が基本です。
そして、酸化プロピレンを貯蔵するときは窒素ガスのような“不活性気体”を封入してください。
不活性気体はほかの物質との化学反応を防ぐことができます。爆発の恐れがある気体を生み出さないためにも、不活性気体が必要です。
もし、酸化プロピレンによる火災・爆発が起こったときは、窒息消火・冷却消火が良いでしょう。
窒息消火には主に耐アルコール泡や粉末、二酸化炭素を利用します。
もう1つの消火方法である冷却消火は水です。いざというときのためにも、正しい消火方法をチェックしておいてください。

4.まとめ

酸化プロピレンの性質や特徴、危険性、取り扱い・保管方法について説明しましたが、いかがでしたでしょうか。
酸化プロピレンを扱うときは、「水溶性」「不活性気体の封入」「有害蒸気」など、引火点や燃焼範囲と幅広い知識を持つことが大切です。
正しい知識を持っておかなければ、間違った扱い方をしてしまいます。
結果、爆発や火災につながり事故を起こすことになるでしょう。
危険物取扱者は危険物それぞれの特徴をきちんと把握しておかなければなりません。
また、いざというときのためにも消火方法や対処法を確認してください。
きちんと知識を身につけておけば、事故を防ぐ対策も立てやすくなります。
現場で働いている人たちへの指導や注意喚起もできるでしょう。