【知らなきゃ危険】ガソリン火災の消火方法は?原因や注意点を徹底解説!

危険物について

私たちの最も身近にある危険物といえば、灯油やガソリンです。灯油は使う季節が限られていますが、車やバイクの燃料でもあるガソリンは年中身近あります。その分、火災の危険性が高いでしょう。

そこで、今回はガソリン火災を消火する方法をご紹介します。ガソリン火災は普通の火災と何が違うのでしょうか?

また、ガソリン火災が起こったときにやってはいけない消火方法もご紹介します。ガソリンを扱っている施設や企業に勤めている方や危険物取扱者の資格取得を目指している方は、ぜひ読んでみてくださいね。

日常生活で頻繁に接するものの中で、灯油やガソリンのような燃料は、その便利さと同時に、取り扱いには大きな注意が必要な危険物です。特にガソリンは、車やバイクの燃料として日常的に使用されており、その存在感は年間を通じて強いものがあります。しかし、この日常的な燃料の使用には、火災のリスクが付きまとうため、正しい知識と対処法を身につけることが極めて重要です。

この度は、ガソリンによる火災と、その消火方法に焦点を当てて解説します。ガソリン火災は、他の火災とは異なる特性を持っていますが、その違いは何でしょうか?また、起きてしまった場合に絶対に避けるべき消火方法とは?

ガソリンを扱う施設や企業で働く方、また危険物取扱者の資格を目指している方だけでなく、日常生活でガソリンを使う全ての人にとって、この情報は必見です。ガソリン火災に遭遇したときに冷静に対処できるよう、正しい消火方法を知り、誤った対応がもたらす危険性を避けるための準備をしておきましょう。今回の記事を通じて、ガソリン火災に対する理解を深め、より安全な日常を目指してください。

  1. ガソリンとは?
  2. ガソリン火災が起きる原因
  3. ガソリン火災を消化する方法
  4. ガソリン火災の消火方法まとめ

1.ガソリンとは?

ガソリンとは、危険物乙種4類の中の第1石油類に分類されています。危険物とは、そのままの状態で保管しておくと引火したり発火したりする可能性が高い物質のことです。一定量以上を扱ったり、保管したりする場合は危険物取扱者という資格が必要になります。ガソリンは私たちの最も身近にある危険物のひとつ。

車やバイクといった乗り物だけでなく、農機具や発電機、携帯コンロもガソリンは燃料です。この危険物乙種4類というのは、引火性液体のこと。引火とは、火種が近くにあれば火がつくことをいいます。

つまり、引火性液体というのは火種があれば火事になる可能性の高い液体のことです。ガソリンはその中の第1石油類に分類さています。これは引火点が21度以下であるということ。

つまり、常温でも火種が近くにあれば火がついてしまうのですね。ですから、ガソリンには絶対に火気を近づけてはいけません。さらに、ガソリンのもうひとつの特徴は、非常に気化しやすいです。

気化とは、液体が気体になること。ガソリンをふたのない容器に入れておけば、あっという間に蒸発してしまうでしょう。

しかし、蒸発したからといってガソリンがなくなったわけではありません。引火性が高く、目には見えない気体となったガソリンが容器周辺には漂っているのです。ですから、そこにタバコの火などを近づければ大爆発が起こるでしょう。つまり、ガソリンは私たちの身近にありながら、最も危険な液体のひとつなのです。

2.ガソリン火災が起きる原因

では、ガソリン火災はどのようなときに発生するのでしょうか? この項では、発生しやすいガソリン火災をご紹介します。

2-1.ガソリンを燃料とする乗り物などは燃える

車やバイクなどガソリンを燃料とする乗り物が燃えた場合、燃料のガソリンに引火してガソリン火災になります。たとえ出火場所が燃料タンクから遠い場所であっても、ガソリンに引火する可能性は非常に高いでしょう。ボヤがあっという間に大火災になる可能性も少なくありません。

2-2.取り扱い方法が間違っていたために起こる火災

給油などで私たちがガソリンを取り扱う機会は多いです。そのときに、扱い方が間違っていると火災が発生するでしょう。

特に、危ないのがタバコの火と静電気です。ガソリンを常に取り扱っていると、どうしても慣れが生じます。

その結果、くわえタバコで給油をするなど危険なことを行いがちなのです。前述したように、ガソリンの引火点は21度以下。ですから、タバコの火が気化したガソリンに触れればあっという間に火事になるでしょう。

また、油断できないのが静電気です。静電気のパチッとした火花も火種になります。ですから、セルフのガソリンスタンドでは静電気を予防する器具が取りつけられているのです。

さらに、ガソリンと灯油を間違って暖房器具に給油をしてしまったことによる火災も、毎年のように起きています。ガソリンと灯油を事情があって家で保管している場合は、このふたつを並べておかない、など工夫をしてください。

2-3.災害による火災

地震が起こると、多くの建物が倒壊します。もちろん、ガソリンが多量に保管されている建物も倒壊するでしょう。ガソリンスタンドの給油タンクは地下にありますが、絶対に安全とはいい切れません。

大地震が起こると、同時に火災も発生します。東日本大震災のときは千葉県の石油コンビナートが炎上しました。これも、ガソリン火災の一種といえるでしょう。

3.ガソリン火災を消火する方法

では、ガソリン火災はどのように消火すればよいのでしょうか? この項では、その方法をご紹介します。

3-1.やってはいけない消火方法

通常、火災には水を使って消火を行います。しかし、ガソリンは水よりも比重が軽いため水をかけるとかえって火災が燃え広がってしまう恐れがあるのです。東日本大震災でも、宮城県の気仙沼で津波の上の火災が発生しました。

これは、ガソリンが水よりも軽いために起きた火災です。ですから、ガソリン火災を発見したらバケツで水をかけてはいけません。

3-2.ガソリン火災は窒息消火

ガソリン火災は、二酸化炭素、泡、ハロゲン化合物による窒息消火を行います。つまり、酸素の供給を遮断して火を消すのですね。ですから、ガソリン火災を見つけたら、まずは消火器を用意しましょう。ガソリンを扱う場所には、必ず消火器を用意しておくことも大切です。

3-3.消火活動をしつつ消防に連絡する

素人が消化できるガソリン火災は、本当に初期の頃だけです。多量のガソリンに火がついたり、気化したガソリンに火がついたりした場合はすぐに大規模な火災になるでしょう。

ですから、ガソリン火災が起きた場合は初期消火をしつつ、すぐに消防に通報してください。その際、ガソリン火災であることを必ず告げましょう。そうすれば、消防署もそれに対応した装備で出動してくれます。

また、ガソリンを取り扱っている店舗や施設から火災が発生した場合は、近隣住民へも避難を呼びかけてください。

3-4.一般家庭では貯蔵しない

ガソリンは、車やバイクの燃料タンク以外の場所では保存が難しいです。ガソリンを保管しておく場合は、金属製の専用容器が必要ですが、それでも気化は免れないでしょう。緊急時に備えてどうしてもガソリンを家で保管したい場合は、缶詰のように密封されたガソリンを保管しておいてください。これならば、ガソリンが気化することはありません。

しかし、ガソリンにも消費期限があり、劣化したガソリンを使うと車などが故障しやすくなります。ですから、消費期限が迫ったガソリンはできるだけ早く使いましょう。

4.ガソリン火災の消火方法まとめ

今回はガソリン火災の消火方法についてご説明しました。

まとめると

  • ガソリンは気化しやすく引火しやすい。
  • ガソリンは取り扱い方法を間違えると火事になりやすい。
  • ガソリンは窒息消火、水を使ってはいけない。
  • 初期消火をしつつ消防署に通報しよう。

ということです。

ガソリンスタンドなど、ガソリンを多量に扱っている場所はガソリンの保管方法なども法律で決められています。ですから、かえって火事が起こりにくいのです。ガソリン火災はガソリンの取り扱いを間違った場合に起こりやすいでしょう。

2013年に起きた福知山市の花火大会での火災も、ガソリンの取り扱いを間違ったことが原因でした。ですから、ガソリンを取り扱う際は充分に注意してください。

特に、気温が高いときにガソリンを取り扱う場合は、近くに絶対に火の気を置いてはいけません。容器のふたを開けた瞬間に気化したガソリンが空中に出てくることも多いのです。

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