転職や就職に有利なようにと資格を取得する方は、年々増えているそうです。
世の中にはたくさんの資格がありますが、その中でも危険物取扱者は人気があります。
危険物取扱者は乙種4類、通称乙4が有名ですが、そのほかにも種類があるのです。
そこで、今回は危険物取扱者の種類についてご紹介します。
誰でも受験できるイメージがある危険物取扱者ですが、種類によっては受験資格が必要なものもあるのです。
危険物取扱者の資格取得を考えている方は、ぜひこの記事を読んで参考にしてくださいね。
- 危険物取扱者とはどんな資格?
- 乙4が危険物取扱者の代表格な理由とは?
- 危険物取扱者の種類とは?
- 危険物取扱者はどれを取得すればいいの?
- 危険物取扱者の難易度はどのくらいなの?
- おわりに
1.危険物取扱者とはどんな資格?
危険物取扱者とは、消防法で定められた危険物を取り扱ったり保管できたりする資格のことです。
危険物は私たちの身近にもたくさんあります。
一例をあげると、ガソリンや灯油です。
「でも灯油なら、自宅にも保管している」という方もいるでしょう。
危険物は、どんな少量でも扱うのに資格が必要というわけではありません。
「指定数量」といって、定められた量以上の危険物を扱ったり保管したりしたい場合に、資格が必要なのです。
2.乙4が危険物取扱者の代表格な理由とは?
危険物取扱者には、甲種乙種丙種の3種類があります。
このうち最も受験者数が多いのが、乙種第4類。通称乙4です。
この資格を取ると引火性液体に分類される危険物が扱えます。
引火性液体というと、ガソリンや灯油、軽油など。
そう、ガソリンスタンドで扱っているものです。
ガソリンスタンドは街中にたくさんあります。
そのすべてに、最低でもひとりは危険物取扱者の資格が必要なのです。
最近は、セルフサービスのガソリンスタンドも増えていますが、全くの無人というわけではありません。
必ず給油現場を監督している人がいます。
もちろん監督者は危険物取扱者の資格が必要です。
つまり、乙4を取得していると、働ける場所が多いということ。
しかし、これ以外にも危険物取扱者には種類があります。
それを次の項で詳しくご紹介しましょう。
3.危険物取扱者の種類とは?
では、危険物取扱者の種類にはどのようなものがあるのでしょうか?
この項では、その一例をご紹介します。
3-1.危険物の甲種と乙種の違いとは?
危険物の甲種というのは、消防法に指定されている危険物すべてを取り扱いができたり保管したりすることができます。
この資格があれば、ほかの資格を取る必要はありません。
ただし、受験するには一定の学歴が必要です。
また、乙種を数種類取得すると受験資格を得られます。
乙種というのは、1類~6類まで分かれており、取得するとその類の危険物を取り扱ったり保管できたりするのです・
また、1類~6類まですべての資格を取得すれば、甲類と同じになります。
乙類は受験資格がありません。
年齢や性別、学歴にかかわらず受験ができます。
3-2.危険物の丙種とは?
危険物の丙種とは、危険物第4類の中でも特定のものだけを取り扱える資格です。
また、危険物取扱者の資格を取得していない人が危険物を取り扱うのを、監督することもできません。
さらに、危険物取扱者の甲種と乙種は6か月以上の実務経験を積めば、危険物保安監督者という危険物を取り扱う人を監督できる資格を取得できます。
しかし、丙種は実務経験を積んでも保安監督者になることはできません。
でも、できることが限られている分、試験内容は甲種や乙種よりも簡単です。
ですから、「ガソリンスタンドなどで働きたい」という方や、工業高校の生徒が力試しに受けることも多いでしょう。
4.危険物取扱者はどれを取得すればいいの?
では、転職や就職に役立つ危険物取扱者の資格を取得するにはどうしたらよいのでしょうか?
この項では、資格の選び方の一例をご紹介します。
4-1.就職や転職したい企業が扱っている資格を取得する
危険物取扱者の資格取得者が取り扱える危険物は数多いです。
中には、あまり知られていないものもあるでしょう。
特に、化学工場などは扱っている危険物の種類も多いです。
ですから、「この企業で働きたい」というものがあるのなら、その企業が取り扱っている危険物を扱える資格を取得しましょう。そうすれば、就職や転職活動の大きな武器になります。
4-2.複数の資格を取得する
危険物取扱者の乙種は、複数の類を持つことができます。
「とりあえず乙4を取っておこう」という方もいますが、できれば複数の類を取得しておきましょう。
そうすれば、それだけ扱える危険物が増えます。
なお、危険物取扱者乙種の試験は新しい類を取得する際、一部の学科が免除になるのです。
ですから、複数の類を受験するほど合格しやすくなるでしょう。
4-3.乙種を複数取得したら、甲種に挑戦する
甲種を受験するには、受験資格が必要です。
ほかの試験の受験資格は特定の学歴を持っていることが条件になっていることが多いでしょう。
甲種も大学の化学に関する学科を卒業していることが条件になっています。
しかし。このほかにも、乙種を複数の類、取得していれば受験資格を得られるのです。
危険物乙種よりも甲種の方が難易度は高い資格ですので、需要は高いでしょう。
5.危険物取扱者の難易度はどのくらいなの?
危険物取扱者の難易度は決して高くはありません。
暗記科目が中心ですから、内容は理解していなくても暗記さえしていれば合格できます。
ちなみに、現在のところ一番年少の合格者は7歳です。
しかし、危険物取扱者の資格を取得してそれを生かせる職場で働くためには、危険物のことをよく理解しておく必要があります。そうでないと、実際の仕事で知識を生かすことができません。
危険物取扱者の試験は、基礎的な科学と物理の知識。
さらに、取り扱える類の危険物の特徴や保管の仕方、消化方法などが問われます。
高校卒業程度の化学や物理の知識があれば大丈夫です。
危険物取扱者の試験勉強は、参考書を読んで過去問をくりかえし解くことが中心になります。
書店に行けばたくさんの参考書が販売されていますが、一冊をくりかえし勉強した方が知識は身に付くでしょう。
また、全く化学や物理の知識がないという方は、通信教育による勉強がお勧めです。
分からないことはメールなどですぐに質問できますから、勉強もしやすいでしょう。
また、受験者が集まるインターネットのサイトなどもありますので、意見を交換するのもお勧めです。
6.おわりに
いかがでしたか?
今回は、危険物取扱者の種類に就いてご紹介しました。
まとめると
- 危険物取扱者には3種類ある。
- 乙種4類が有名だが、そのほかにも乙類は5種類がある。
- 甲種や複数の乙種を取得していると、転職や就職に役立つ。
ということです。
また、危険物取扱者の合格率は乙種4類だけが突出して低くなっています。
しかし、これは乙種4類だけが極端に難しいわけではありません。
乙種4類だけがほかの類に比べて受験者が多いので、相対的に合格率が低くなってしまうのです。
ただし、甲種はすべての危険物に関する知識が必要なため、難易度は高いでしょう。
危険物取扱者は独学でも合格できますが、だからといって全く勉強せずに合格できるものでもありません。
計画的に勉強していきましょう。
社会人ならば、通勤時間や昼休みの時間を利用して勉強するのもお勧めです。