ガソリンと軽油の違いは? それぞれの特徴や取り扱い方

危険物について

ガソリンと軽油は、どちらも自動車の燃料として使われており、ガソリンスタンドで販売されています。では、ガソリンと軽油の違いは何か? と聞かれたらどうでしょうか?

即座に答えられる人は少ないと思います。危険物取扱者の資格試験を受ける場合、危険物それぞれの特徴を知っておかなければなりません。

そこで、今回はガソリンと軽油の違いについて解説します。

  1. ガソリンの特徴や性質は?
  2. 軽油の特徴や性質は?
  3. ガソリンと軽油の違いについて
  4. 危険物取扱者の資格取得方法
  5. ガソリン・軽油と危険物取扱者に関するQ&A

この記事を読めば、ガソリンと軽油の違いはバッチリです。危険物取扱者の資格取得を目指している人も、ぜひ読んでみてくださいね。

1.ガソリンの特徴や性質は?

ガソリンとは、原油を加熱して蒸留した際、沸点が30~220℃の原油留分から得られる物質のことです。原油にはいろいろな成分が混合しているため、蒸留の温度を調節することにより、ガソリン・灯油・軽油・重油などを抽出します。

日本ではガソリンを日本工業規格(JIS)により、工業用ガソリン・自動車用ガソリン・航空ガソリンの3種類に分類しているのです。この中で、最もおなじみのものが、自動車用ガソリンでしょう。自動車だけでなくバイクや農機具などにも使用されています。

ガソリンの特徴は、以下の通りです。

  • 引火点が低い(自動車用はマイナス40℃)
  • 沸点が低い(自動車用で40℃~220℃)
  • 比重が水より軽い
  • 水に溶けない
  • 特有の臭気がある
  • 有鉛ガソリンには毒性がある
  • 危険物第4類・第1石油類に分類されている

2.軽油の特徴や性質は?

軽油とは、沸点200~350℃の原油留分のことです。主にディーゼルエンジンの燃料として使用されています。そのため、ガソリンと一緒にガソリンスタンドで販売されているのが一般的です。

軽油という名前は重油に比べると比重が軽いという理由でつけられた名前であり、英語ではdiesel oil「ディーゼルオイル」と呼ばれています。その名前から、軽自動車用のガソリンと間違える人も多いので、セルフのガソリンスタンドでは給油する際に気をつけましょう。

また、軽油とガソリンを混合すると引火しやすくなります。

軽油の特徴は、以下の通りです。

  • 引火点が45℃以上である
  • 液体の軽油が45℃以上になると、引火の危険性はガソリンと同等になる
  • 霧状になると、常温でも引火の可能性が高まる
  • 水より軽い
  • 水に溶けない
  • 灯油に比べると硫黄の含有量が多い
  • 淡い黄色、もしくは淡い褐色である
  • 危険物第4類・第二石油類に分類されている
  • 特有の臭気がある

3.ガソリンと軽油の違いについて

この項では、ガソリンと軽油の違いについて解説します。どのような違いがあるのでしょうか?

3-1.引火点の違い

ガソリンと軽油では、引火点が異なります。ガソリンの引火点はマイナス40℃と大変低く、常温でも火を近づければ着火してしまうでしょう。一方、軽油は引火点が45℃ですから、常温では火を近づけても着火しません。しかし、霧状になれば常温でも引火します。軽油の取り扱いにも注意が必要です。

3-2.発火点の違い

ガソリンの発火点は300℃であり、軽油の発火点は250℃です。引火点はガソリンのほうが高いのに対し、発火点は軽油のほうが高くなっています。

3-3.保管方法の違い

ガソリンは非常に揮発性が高く、常温でもどんどん揮発していきます。そのため、保管は密閉できる容器であることが条件です。ホームセンターなどでガソリンを携帯するための容器が販売されていますが、金属製で密閉できるようになっています。長期間保管する場合は、缶詰めタイプがおすすめです。

一方、軽油のほうはガソリンよりも揮発性がなく、引火点も低いので灯油のようなポリタンクの容器に保管することができます。ホームセンターなどでは、20L入る軽油の保管容器が販売されていますので、少量の軽油を保管したい場合は利用しましょう。

前述の通り、軽油とガソリンは混ぜ合わせるとより引火しやすくなります。同じ場所で保管するのは避けたほうがよいですね。なお、ポリタンクにガソリンを保管してはいけません。

3-4.危険物としての違い

ガソリンも軽油も、消防法によって危険物第4類・引火性液体に分類されています。第4類には石油製品が多数含まれているので、1気圧下における引火点により第1石油類~第4石油類に分類されているのです。ガソリンは第1石油類、軽油は第2石油類に分類されています。

また、指定数量はガソリンが200Lに対し、軽油は1,000Lです。これ以上の分量を保管したり取り扱ったりする場合は、危険物取扱者の資格が必要になります。ちなみに、危険物取扱者の甲種・乙種4類・丙種の資格保持者が、軽油やガソリンを取り扱うことが可能です。ただし、丙種は保安監督業務を行うことはできませんので注意しましょう。

3-5.共通点

ガソリンと軽油は、消化方法は共通しています。どちらも水より比重が軽いので、水で消火しようとしても火がついたままの液体が拡散してしまうでしょう。そのため、泡や二酸化炭素・ハロゲンなどによる窒息消化を行います。

4.危険物取扱者の資格取得方法

この項では、危険物取扱者の資格取得方法について解説します。ぜひ、参考にしてください。

4-1.危険物取扱者とは?

危険物取扱者とは、消防法に定められている危険物を取り扱ったり、保安監督業務を行ったりすることができる資格です。危険物にはそれぞれ指定数量が定められており、指定数量を超えた危険物の保管・取り扱いには、危険物取扱者の資格が必要になります。

資格を取得すれば、転職や就職に役立ち昇給ものぞめるということで、社会人から学生まで幅広い世代に人気の資格です。

4-2.資格区分について

危険物取扱者の資格区分は、

  • 甲種:すべての危険物の取り扱いや保安監督業務を行うことができる
  • 乙種:1~6類に分かれており、取得した類の危険物の取り扱いや保安監督業務を行うことができる
  • 丙種:危険物第4類に指定されている引火性液体のうち、ガソリンや灯油など一部の物質の取り扱いが可能。保安監督業務は行えない

このようになっています。

4-3.資格取得方法

危険物取扱者の資格は、消防試験研究センターが主催する試験を受け、合格すれば取得できます。試験日は都道府県によって異なっており、どの県も年に最低2回は試験が実施されるため、比較的取得しやすいでしょう。乙種と丙種には受験資格が定められていません。

性別・学歴・年齢に関係なく試験を受けることができます。甲種は、乙種を4種類以上取得する、大学で化学に関する単位を一定数取得するなど受験条件が定められているので、無資格無経験から資格取得を目指す場合は、乙種・丙種から受験しましょう。

4-4.申し込み方法など

試験を申し込む場合は、消防試験研究センターのホームページからの電子申請が便利です。このほか、全国の消防署で配布している願書に必要事項を記入し、センターに送付しても申し込めます。乙種を1種類でも取得している人が別の乙種を取得するために試験を受ける場合は、試験の一部免除があるため、郵送で申し込みましょう。受験料は甲種:5,000円・乙種:3,400円・丙種:2,700円です。

4-5.試験科目と勉強方法

危険物取扱者の試験は、

  • 危険物に関する法令
  • 物理および化学 (丙種:燃焼および消火にかんする基礎知識)
  • 危険物の性質並びにその火災予防および消火の方法

の3科目の学科試験です。各科目で6割以上の得点で合格となります。前述の通り、一定の条件を満たせば受験科目の一部免除が認められますので、詳しくは、消防試験研究センターのホームページを確認してください。

危険物取扱者は人気の資格ですから、参考書や過去問題集も豊富に販売されています。丙種や乙種を受験する場合は、参考書と過去問題集を購入して独学で勉強をしても、受験に必要な知識を身につけられるでしょう。

5.ガソリン・軽油と危険物取扱者に関するQ&A

Q.ガソリンと軽油を購入し、個人で保管しておいても大丈夫ですか?
A.少量なら大丈夫ですが、保管方法には注意しましょう。

Q.危険物取扱者の資格は、未成年でも取得できますか?
A.はい。何歳からでも試験を受けることは可能です。

Q.ガソリンと軽油は、混ぜて使うことはできますか?
A.できませんので、絶対に混ぜないようにしてください。混ざったものは使いものになりません。

Q.ガソリン車に軽油を給油してしまった場合はどうしたらよいでしょうか?
A.エンジンをかけずに整備工場に搬送し、ガソリンタンクを洗浄してもらいます。

Q.軽油は、灯油を保管する容器で保管できるでしょうか?
A.緊急時以外は専用容器を使ってください。軽油と灯油を混ぜても使い物にならなくなります。

おわりに

今回は、軽油とガソリンの違いについて解説しました。軽油はガソリンのほか、灯油とも混同しやすい物質です。軽油を誤ってストーブなどに給油すると火災の原因になります。同じ石油製品ですが、ガソリン・灯油・軽油はまったく別種の物質であり、代替はできないということを覚えておきましょう。

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