灯油の寿命は保管方法で変わる!使用期限や正しい保管のポイントを紹介

灯油の寿命を延ばす保管方法危険物について

冬の季節になると、灯油を買い置きしている方も多いかと思います。

しかしながら、冬が終わっても使い切れなかった灯油は、保管方法によっては変質してしまうことがあります。その結果、灯油の異常燃焼や機器の故障の原因となってしまうこともあるということです。

そこで、本記事では正しい灯油の保管方法について紹介していきます。これを知っておけば、買い置きしておいた灯油も無駄にすることなく、安全に使うことができます。是非、最後までお読みください。

  1. 灯油の使用期限
  2. 灯油の保管方法
  3. 保管するうえでの注意点
  4. 灯油の知識を深めておこう

1.灯油の使用期限

1-1.使用期限はないが保管の仕方で変わる

灯油には、使用期限は特にありません。でも、保管の仕方で大きく変わってきます。保管状態がよくないと、もともと無色透明に近い色が、黄色がかった色に変色してしまい問題です。臭いも通常の灯油とは違って、臭みが出てきます。こうなると、異常燃焼や機器の故障の原因に。使わないようにした方が賢明です。

なぜ、そうなるのでしょうか。結論をいうと、日が当たる場所に置いているからです。灯油は気化する温度は40℃なので、常温で自然発火する可能性はほとんどありません。でも、紫外線によって変質してしまうのです。

1-2.保管は次の冬までがベター

灯油は、1シーズンで使いきってしまうのが理想でしょう。もちろん、ストーブやファンヒーター内に残っている灯油も同様です。でも、どうしても残ってしまう場合がありますよね?次のシーズンのために保管しておくか、それとも処分するかは、あなたしだいです。

ファンヒーターの取り扱い説明書を見ると、持ち越し灯油の使用禁止とあります。国民生活センターでも、古い灯油を使用しないように呼びかけていました。不完全燃焼などが生じる危険があるからです。でも、現実に持ち越し灯油を使っている方もいらっしゃいます。特に問題はないということです。

ガソリンスタンドの方に聞いてみました。「きちんとした保管をしていれば、次の冬くらいまでは大丈夫では」とのことです。危険性があることを踏まえて、どうするかご自分で判断してください。

次の冬まで保管した場合は、使用する前に変色など品質が劣化していないかどうかを、必ず確認することが重要です。

灯油は保管の仕方で寿命が変わるんですね。
はい。樹脂製のポリタンクで保管する場合は、できるだけシーズン中に使いきりましょう。

2.灯油の保管方法

灯油は、どのように保管すればいいのでしょうか。次の冬まで保管することを想定しながら、上手な保管方法を紹介します。もちろん、冬の間、ストーブやファンヒーターを使用しているときの日常的な保管にもおすすめです。

2-1.灯油用のポリ容器に入れる

ご家庭では、ポリ容器(20ℓ)に入れて保管するのが一般的だと思います。必ず灯油用のポリ容器にしてください。赤い色を始め色がついている容器です。太陽熱で発火しないような工夫がされていて、紫外線を通さないようになっています。透明に近い容器は、飲料水などを入れる容器です。灯油を保管する機能はありませんから、使用しないでください。

2-2.古いポリ容器は交換する

ポリ容器は、使い続けると持ち運ぶときに何かにぶつけたりして劣化してきます。壊れやすくなるので、古いポリ容器は新しいものに交換しましょう。

2-3.直射日光の当たる場所を避ける

保管する場所は、直射日光が当たる場所を避けてください。物置や収納スペースに入れて保管するのがいいでしょう。お部屋が狭い場合は、臭いや安全対策をしたうえで、玄関に保管するのも1つの方法。お部屋の中に保管する場合は、いうまもでもなく、火の気がある場所の近くは厳禁です。

2-4.屋外に保管するときはカバーを

ベランダなど、お部屋の外に保管する方もいるでしょう。その際は、直射日光が当たらないように、カバーをかけてください。ポリ容器を収納するケースも市販されていますから、利用するといいでしょう。室内でも利用できます。

2-5.高温多湿の場所は避ける

温度が高い場所だけでなく、湿度が高い場所もよくありません。できるだけ風通しのいい日陰の場所を選んでほしいものです。

直射日光に当ててはいけないんですね。
はい。可能ならば金属容器で保管するのが理想です。

3.保管するうえでの注意点

3-1.防犯対策も入念に

お部屋の外に保管する際は、盗難や放火など犯罪に遭う危険性があります。灯油の劣化だけでなく、防犯のこともよく考えて保管してください。外部から見て、灯油とわからないように工夫することが大切です。

3-2.不純物の混入に注意

ポリ容器のフタは、しっかり締めましょう。屋外で保管した場合、雨が入り込むだけでなく、霜や結露で水分が混じることも。不純物が混じると、不完全燃焼や故障の原因になってしまいます。

3-3.少ない量はヒーターのタンクに

もし、保管する量が少ないと、寒暖の差で容器内に水気がたまることがあります。やはり不完全燃焼や故障の原因になりますから、寒暖の差がない場所にしてください。

できれば、満タンにして保管するのが理想です。とはいえ、残ったものを保管するのですから、なかなか満タンでは保管できないでしょう。量が少ない場合は、もったいないと思っても、使いきった方がいいと思います。

3-4.取り扱いは火気厳禁

ポリ容器を取り扱うときは、火気厳禁です。徹底してください。くわえタバコは当然として、静電気が置きやすい服装も注意が必要です。

3-5.廃棄する場合の留意点

側溝などに流すのは危険です。絶対にダメ。多くのガソリンスタンドは処分をしてくれるので、持参するといいでしょう。灯油を買いに行ったときに聞いてみてはいかがですか?有料の場合もありますから、処分してもらえるかを含め、事前に確認しておくといいでしょう。

灯油の保管は火気と防犯に注意するんですね。
はい。保管に自信がない場合は、処分しましょう。

4.灯油の知識を深めておこう

灯油は、ガソリンと違って爆発的に燃焼する物質ではありません。でも、防火安全のためには、十分な注意が必要。消防法令では、合計200ℓ以上の灯油を保管する場合、建物の大幅な改修が必要になるほどです。普通のご家庭で200ℓを保管することはないと思いますが、やっぱり灯油の知識はもっておくといいと思います。

危険物取扱者乙4の資格を得るというのはいかがでしょうか。最短3日間で取得できるコースをもつ民間の教育機関などがあります。加えて、将来、危険物を扱う仕事に就く可能性も否定できません。せっかくですから、この際、挑戦してみてはいかがですか?

多量に灯油を保管する場合は危険物取扱者の資格が必要なんですね。
はい。指定数量以下でも大量の灯油を保管する場合は、専用の保管庫などが必要です。

まとめ

本記事では、灯油の保管方法や保管時の注意点について解説しました。まず、灯油には使用期限がないことがわかりましたが、保管方法によって変質し、劣化することがあるため、5つの秘訣を守って保管することが重要です。

その5つの秘訣としては、

  • 灯油用のポリ容器に入れる
  • 古いポリ容器は交換する
  • 直射日光を避ける
  • 屋外に保管する場合はカバーをする
  • 高温多湿の場所は避ける

ということが挙げられました。

さらに、冬の暖房には欠かせない灯油ですが、保管時には注意が必要です。本記事で紹介した秘訣を守って、安全で快適な暖房生活を送りましょう。

知っているようで知らなかったこともあったかもしれませんが、今後の灯油の保管方法には、ぜひこの記事を参考にしてみてください。

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