トリニトロトルエンの性質・特徴・用途や取り扱い方について

TNTとも呼ばれている「トリニトロトルエン」は、火薬の主成分です。
危険物を専門的に取り扱う“危険物取扱者”は、さまざまな危険物質を把握しなければなりません。
そこで、トリニトロトルエンの特徴・性質・用途、取り扱い方、注意点について詳しく説明します。
危険物取扱者を目指している人、トリニトロトルエンについて気になっている人は、ぜひ参考にしてください。

  1. トリニトロトルエンの特徴・性質・用途
  2. トリニトロトルエンの取り扱い方
  3. トリニトロトルエンの注意点
  4. まとめ

1.トリニトロトルエンの特徴・性質・用途

火薬の主成分であるトリニトロトルエン(TNT)の特徴・性質・用途について説明します。
トリニトロトルエンを安全に取り扱うためにも、正しい知識を取得していきましょう。危険物取扱者の資格取得のために勉強している人にとっては必要な知識です。

1-1.爆薬・火薬として使用することが多い

トリニトロトルエンの正式名称は、「2,4,6,‐トリニトロトルエン」です。
略称でTNT、トリニトロトルオールとも呼んでいます。
トリニトロトルエンの特徴は、「爆薬・火薬」として使用することが多い点です。
熱を加えるとアルコールにとける特徴をもっています。
アルコールだけでなく、ジエチルエーテルと呼ぶ成分にもとけやすい特徴があるのです。
ジエチルエーテルとは、麻酔薬・燃料として使用することが多く、引火点が低い性質をもっています。
ジエチルエーテルの引火点はマイナス45℃です。
さまざまある第4類危険物の中では最も低い数値になっています。
とけやすい成分を把握することも、安全に取り扱うポイントになるでしょう。

1‐2.トリニトロトルエンの性質

トリニトロトルエンには、ほかにも独特の性質をもっています。
トリニトロトルエンは結晶の形をしていて、淡黄色(たんこうしょく)です。
淡黄色の結晶を日の光に当てると違う色に変化します。
淡黄色から茶褐色(ちゃかっしょく)に変わるのです。
また、固体ではなく熱でとかした状態にすると、衝撃に対して敏感になります。少しの衝撃でも大きなダメージを受けるでしょう。
よって、爆薬・火薬として使用するときにも衝撃による性質を生かしています。
ほかにも、水にとけない、金属に作用しない性質をもっているのです。
性質にとって、トリニトロトルエンの製造方法には1~3段法・連続法があります。1段法はとても危険なので実際には使用していません。
製品の純度が高い3段法・連続法を使用して製造するケースが多いです。

1‐3.トリニトロトルエンの用途

トリニトロトルエンの特徴や性質を見るとわかるように、主な用途は“爆薬・火薬”です。市販で手に入れることはできません。
なぜなら、火薬類取締法第2条によって、製造・所持に関する制限があるからです。
日本では、消防法において「第5類危険物」に分類しています。
私用での使用・所持は厳しくなっているので注意してください。
しかし、実験や経済産業省令で認めている数量以内であれば、製造可能です。
製造する際は十分に性質・特徴を把握して安全面を確保しなければなりません。
また、トリニトロトルエンでつくる火薬は、熱に対しての反応が非常ににぶいです。よって、導火線では爆発しない特徴をもっています。
爆薬・火薬として広く使用していることから、核爆弾の威力を表す単位「TNT総量」になっているのです。

2.トリニトロトルエンの取り扱い方

2‐1.火気や衝撃・打撃に気をつける

トリニトロトルエンを取り扱う現場においては、気をつけなければならないことがあります。
熱で溶解したトリニトロトルエンは、とても衝撃に敏感です。少しの衝撃・打撃でも危険をともなう可能性があります。
よって、トリニトロトルエンを取り扱うときは“衝撃・打撃”に気をつけてください。
まわりに邪魔になるものがないかどうか確認しましょう。
そして、衝撃・打撃と同じく“火気”にも気をつけなければなりません。熱を加えるとアルコールやジエチルエーテルにとける特徴があります。
もし、火災になった際は水を利用した冷却消火になるでしょう。
しかし、冷却消火でも1度火がついてしまえば消火困難になります。
なかなかついた火を消すことができないので、火気のあるところでは扱ってはいけません。
取り扱うときは火の気がないところを選びましょう。タバコの煙もNGです。

2‐2.摩擦にも要注意

トリニトロトルエンは衝撃に敏感な特徴をもっていますが、“摩擦”にも注意しなければなりません。
摩擦も衝撃の1つになるため、爆発する恐れがあります。トリニトロトルエンを摩擦しないように気をつけてくださいね。
また、加熱しすぎも危険なので最低でもおよそ30%水分を与える必要があります。
水分を30%ふくんでいることで爆発の対策になるでしょう。
ほかにも、体への影響を防ぐため“粉じんの拡散”を防ぐことが大切です。
粉じんの拡散によって体に悪影響をもたらします。
トリニトロトルエンを取り扱う作業場は、粉じんが拡散しないように作業環境管理を徹底しておきましょう。

3.トリニトロトルエンの注意点

3‐1.トリニトロトルエンの管理方法

結晶、または粉になっているトリニトロトルエンを保存する際、注意しなければならないことがあります。
安全のためにも徹底した管理をしなければなりません。
基本的に、トリニトロトルエンの保存方法は“破損しない包装”です。破損している袋には絶対にいれないでください。
また、破損しやすい包装であっても、密閉式の容器にいれる必要があります。
管理方法は、念には念を、徹底的にすることが危険物質の基本です。
少しのミスが大事故につながるので注意しなければなりません。
きちんと正しい方法でトリニトロトルエンを管理していきましょう。

3‐2.金属以外の化学物質と激しく反応する

国際化学物質安全性ガード(ICSC)によると、“科学的危険性”としてピックアップしていることがあります。
トリニトロトルエンは“金属以外の化学物質と激しく反応すること”です。
金属とは反応しませんが、多くの化学物質と激しく反応する特徴をもっています。
よって、保管するときはほかの化学物質と一緒にしてはいけません。
多くの化学物質と反応すると、火災・爆発の危険が高まります。
トリニトロトルエンを輸送する際も、飼料・食品と一緒にしてはいけません。
加熱・衝撃・化学物質との反応によって、一気にトリニトロトルエンが爆発するでしょう。
多くの反応によって爆発が重なるため、爆発が起きたときはすぐに避難しなければなりません。

4.まとめ

トリニトロトルエンの特徴・性質・用途、取り扱い方、注意点について説明しましたが、いかがでしたでしょうか。
トリニトロトルエンにかかわらず、すべての危険物を取り扱うには危険物についての知識が必要不可欠です。
危険物を知るからこそ、安全面での対策や作業場の環境を整えることができます。
危険物取扱者は、作業場で働く人たちの安全を守る大切な仕事です。
トリニトロトルエンは爆薬・火薬に使用するほど危険な物質になります。
特に、火気・衝撃・摩擦には注意しなければなりません。
少しのミスが事故につながるので、徹底した管理・取り扱いが必要になります。
危険物取扱者の資格取得のためにも、知識を身につけていきましょう。