禁水性物質とは? 危険物取扱者の勉強をしている人が知るべき基礎知識

「禁水性物質」を知っていますか?将来、危険物取扱者になりたい人は必ず知っておかなければならない危険物質です。
消防法では、第3類危険物に分類されています。
危険物にはさまざまな種類があり、それぞれ特徴を把握しなければ取り扱うことができません。禁水性物質とはどのような物質なのか、特徴や火災予防方法、消化方法、資格を取得する方法について説明します。
危険物取扱者の勉強をしている人はぜひチェックしてください。

目次

  1. 禁水性物質の特徴
  2. 火災予防方法・消化方法
  3. 資格を取得する方法
  4. まとめ

1.禁水性物質の特徴

危険物質としてみなされているものは資格がなければ取り扱えません。
危険物質のひとつである「禁水性物質」について説明します。
禁水性物質とはどのような物質なのか、何が当てはまるのか詳しく確認しましょう。
危険物取扱者の資格を取得したい人は要チェックです。

1-1.第3類危険物に分類されている禁水性物質

「禁水性物質」は第3類危険物に分類されています。
危険物はそれぞれの特徴によって、第1類・第2類・第3類・第4類・第5類・第6類にわかれていることを知っておいてください。
第3類危険物は、消防法によると「自然発火性物質および禁水性物質」が指定されています。
自然発火性物質は、空気に触れると自然発火しやすい物質(液体・固体)であり、一方、禁水性物質は水に触れると発火し、可燃性ガスが発生する物質のことです。
どちらとも自然発火しやすい物質ですが、「空気」か「水」と要因となるものが違います。
また、自然発火性物質や禁水性物質のほかにも、第3類危険物に指定されている物質があるので要チェックです。

1-2.禁水性物質の特徴

禁水性物質は、水に触れたとたん発火し、可燃性ガスを発生させる危険性を持った物質のことです。
特徴的な部分を挙げると、20℃くらいの液体や固体、可燃性物質だけでなく、不燃性物質もあることがポイントになるでしょう。
水に触れると火災の恐れがあるため、保存する際はできるだけ小分けにして水気から離れた場所に保管しなければなりません。
「水」が大きなキーワードになるのではないでしょうか。
ちょっとした油断が大きな大事故につながる可能性も十分に考えられるので、危険物を取り扱うときはきちんと特徴をつかんでおかなければなりません。

1-3.禁水性物質の種類とは?

禁水性物質の種類はたくさんあります。
カリウム・ナトリウム・アルキルアルミニウム・アルキルリチウム・アルカリ金属およびアルカリ土類金属・有機金属化合物・金属の水素化物・金属のりん化物・カルシウムまたはアルミニウムの炭化物・リチウム・水素化リチウム・水素化ナトリウム・水素化ほう素ナトリウムなどが主に挙げられるでしょう。
また、それぞれ指定数量が定められているのでしっかり確認してくださいね。
指定数量を超えた量で保存してはいけません。
禁水性物質および自然発火性、どちらの性質も持っていますが、「黄りん」と「リチウム」のみ例外です。
黄りんは自然発火性のみ、そしてリチウムは禁水性のみの特徴しかありません。

2.火災予防方法・消化方法

2-1.できるだけ「水」の近くに置かない

先ほど、禁水性物質の特徴について説明した通り、禁水性物質の火災予防方法はできるだけ「水」に近づけないことです。
水に反応しやすい特徴を持っているので水気のある場所に保管すると、火災を誘致する危険性が高くなります。水気がまったくない場所で保管、管理しなければなりません。
水への危険性を高めるために、禁水性物質が保管されている容器には必ず「禁水」という文字を掲示してください。
「禁水」という掲示は法律で定められているので絶対です。
危険物取扱者は必ず「禁水」マークを提示し、常に安全なところで保管されているかどうか確認しなければなりません。
もし、事故になってしまえば、危険物取扱者の責任になるので注意してくださいね。

2-2.注意しなければならない消化方法

火災が起きたとき、「水」で消化するのが当たり前になっています。
しかし、禁水性物質は「水」と非常に相性が悪いので水を使った消化方法は絶対にしてはいけません。水を使用すると逆に火災状況が悪化してしまう恐れがあります。
では、何を使って消化すれば良いのでしょうか。
1番良い方法は、「窒息消化」です。
窒息消化とは、粉末の消化剤を使います。
火災が発生したとき、火源に消化剤となる粉末をかけることで火を消す方法です。禁水性物質は水が使えないので基本は「粉末」を利用することを忘れないでください。
また、第3類危険物は基本的に「窒息消化」になりますが、自然発火性のみの特徴を持っている黄りんだけ消化方法が異なります。
黄りんは窒息消化ではなく、水や強化液、泡を使用した「冷却消化」になるでしょう。

3.資格を取得する方法

3-1.禁水性物質を扱うために必要な資格

危険物取扱者の資格には3つの種類があります。
全種類の危険物が取り扱える「甲種」と第1類~第6類までの危険物が取り扱える「乙種」、ガソリン・灯油・軽油・重油などが取り扱える「丙種」です。
禁水性物質は第3類危険物に分類されるので、必要な資格は「甲種」か、または「乙種」になるでしょう。
「丙種」を取得しても禁水性物質は取り扱えません。
そのため、将来自分がどのような危険物を取り扱うのかによって必要な資格も異なります。
禁水性物質を取り扱う人は、必ず取り扱える資格を取得してくださいね。
物質に関して正しい知識と情報を習得しておかなければ大事故につながり、自分の命だけでなく現場で働いている人の命まで脅かしてしまいます。
安心して働くためにはとても大切なことなのです。

3-2.どうすれば資格が取得できるの?

危険物取扱者の資格を得るためには試験に合格しなければなりません。
基本的に、試験は小学生でも受験できますが、「甲種」に限っては条件をクリアしている者しか受験できないので注意してください。
「乙種」と「丙種」は受験資格に条件はありません。
自分で参考書や問題集を購入し、独学で勉強している人もいますが、最近では「通信講座」を利用している人も増えてきています。
通信講座は自宅で空いている時間に勉強できますし、受験内容に沿っている参考書を使うのでピンポイントで必要なところだけ勉強ができるでしょう。
効率的に勉強したい人は通信講座がおすすめです。
さまざまな通信講座があるので、ぜひチェックしてみてはいかがでしょうか。
どのような方法で勉強をし、資格を取得するのか人それぞれです。

4.まとめ

第3類危険物に指定されている「禁水性物質」の特徴や種類、火災予防方法・消化方法・資格取得の基礎知識について説明しましたが、いかがでしたでしょうか。
将来、危険物取扱者として禁水性物質を取り扱う人は必ず把握しておきたい知識ばかりです。何の知識もないまま危険物を扱うことはできません。
必ず危険物について知識を身につけ、試験に合格し、資格を取得してください。

  • 第3類危険物としての禁水性物質
  • 禁水性物質は水に反応しやすく、可燃性ガスが発生する
  • たくさんの種類がある
  • できるだけ「水」の近くに保存しない
  • 必ず「水禁」を掲示する
  • 消化方法は「窒息消化」
  • 黄りんの場合のみ「冷却消化」
  • 「甲種」と「乙種」が禁水性物質を取り扱える
  • 資格の取得方法は人によってさまざま

禁水性物質を取り扱うためには、以上のポイントを押さえてください。
正しい知識・情報を身につけ、取り扱える資格を取得しましょう。

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