危険物の簡易タンク貯蔵所とは? 基準や特徴を徹底解説します。

危険物とは、消防法で定められている火災を発生させやすい物質の総称です。自動車やバイクの燃料であるガソリンや、灯油・軽油なども危険物に指定されています。危険物にはそれぞれ指定数量が定められており、それを超えた量の危険物を保管する場合は、専用の貯蔵所が必要です。貯蔵所には大きく分けて屋内・屋外・タンクの3種類がありますが、それぞれどんな違いがあるのか分からない方もいると思います。

そこで、今回は危険物を保管することのできる貯蔵所の一種、簡易タンク貯蔵所についてご紹介しましょう。

  1. 簡易タンク貯蔵所の基礎知識
  2. 簡易タンク貯蔵所の基準について
  3. 危険物取扱者とは?
  4. 危険物取扱者の資格を取得する方法について
  5. 簡易タンク貯蔵所に関するよくある質問

この記事を読めば、貯蔵所の種類や特徴も分かります。危険物取扱者の資格取得を目指している方も、ぜひ読んでみてくださいね。

1.簡易タンク貯蔵所の基礎知識

はじめに、簡易タンク貯蔵所の特徴をご紹介します。どのような貯蔵所なのでしょうか?

1-1.簡易タンク貯蔵所とは?

簡易タンク貯蔵所とは、指定数量を超えた危険物を保管するための貯蔵所の一種です。タンク貯蔵所には、屋外・屋内・地下・移動などの種類がありますが、簡易タンク貯蔵所は、容量が600リットル以下の液体の危険物を貯蔵するために使われます。電動式給油設備器や手動式給油設備など、簡易的な給油設備として使われることが一般的です。

1-2.簡易タンク貯蔵所の使い道

簡易タンク貯蔵所は、燃料用の灯油や耕運機に使う軽油などを保管しておくために使われることが多いでしょう。寒冷地では石油給湯器でお湯を沸かしていたり、灯油ストーブを使ったりしているところも珍しくありません。樹脂製の灯油保管容器では間に合わず、簡易タンクを使っているところもあります。また、ビルのボイラーで使う重油を保管しているところもありますし、小規模な運送会社が簡易的な給油所として使用しているところもあるでしょう。

1-3.他のタンク貯蔵所との違い

簡易タンク貯蔵所は、他のタンク貯蔵所よりも少量の液体の危険物を安全に保管することができます。設置も簡単ですので、指定数量以上、大容量未満の危険物を保存したいという施設向けです。

2.簡易タンク貯蔵所の基準について

  • 原則として屋外に設置する
  • 1か所の貯蔵所にタンクは3基まで設置できるが、同一の危険物は1基しか設置できない
  • タンクの容量は600L以下にする
  • 通気管を地上から1.5m以上の高さに設け、動かないように固定する
  • 給油管は5m以下にし、専用室にタンクを設置する場合は、壁とタンクの間を0.5m以上あける

以上を必ず守りましょう。なお、タンクの管理は危険物取扱者の有資格者が行います。定期点検なども有資格者が行いましょう。

3.危険物取扱者とは?

危険物取扱者とは、指定数量を超えた危険物の保管・取り扱い・取り扱いの立ち合い、などを行うことができる資格です。甲種・乙種・丙種の3種類があり、甲種を取得すればすべての危険物を取り扱うことができます。乙種には1類~6類まであり、取得した類の危険物を取り扱うことが可能です。丙種は、危険物第4類に分類されている引火性液体の内、ガソリンや灯油などを取り扱えますが、立ち合いはできません。甲種と乙種は6か月以上の実務経験を経れば、危険物の取り扱い作業で保安監督を行うことができる、危険物保安監督者になることができます。

危険物取扱者といえば、乙4が有名ですが、これは乙種4類のことです。引火性液体は取り扱ったり保管していたりする施設が多く、有資格者の需要が多いため、取得を目指す方もたくさんいます。

4.危険物取扱者の資格を取得する方法

この項では、危険物取扱者の資格を得る方法をご紹介します。ぜひ参考にしてください。

4-1.危険物取扱者になるには?

危険物取扱者になるには、消防試験研究センターが主催する試験を受けて合格する必要があります。甲種には学歴や実務経験などの受験資格がありますが、乙種や丙種には定められていません。年齢・性別・学歴などに関係なく受験することができます。

4-2.試験日や申し込み方法など

危険物取扱者は、ほぼ毎月試験が行われています。特に、東京や大阪などの大都市では試験回数が多く、その気になれば一か月後くらいに試験を受けることも可能です。試験の詳しい日程はセンターのホームページで確認してください。試験の申し込みも、同じ場所から行えます。試験手数料は甲種が5,400円・乙種が3,400円・丙種が2,700円です。複数を受験する場合は、その都度受験料がかかります。

4-3.試験科目について

危険物取扱者の試験問題は、法令・物理及び化学・危険物の特徴や火災予防・消化方法の3科目です。甲種から丙種まですべて同じ科目ですが、範囲が異なります。乙種のうち1種類を取得しており、別の種類にチャレンジする場合などは、法令と物理及び化学の試験が免除となるのです。そのため、資格取得がより簡単になります。ちなみに、乙種をすべて取得すれば甲種と変わりない仕事が可能です。

危険物取扱者の試験は、総合得点率が60%以上で合格になります。合格率は甲種が30%前後、乙種が37%前後、丙種が50%前後です。乙種を類別で見た場合、乙種4類だけが突出して合格率が低いのですが、問題が格別に難しいわけではありません。乙種4類が飛びぬけて受験者が多いので、合格率も下がるのです。

4-4.勉強方法のコツ

危険物の受験勉強は、独学か通信教材を利用する方法があります。各種参考書はたくさん販売されているので、書店やネットショップで過去問題集と共に買いましょう。参考書の内容を覚えてしまえば、合格は確実です。甲種の場合は覚える内容が多いので、危険物のそれぞれの特徴をはっきりと覚えておきましょう。

短時間の勉強で一発合格したい場合は、SATの教材がおすすめです。ブック式の参考書だけでなく、専門の講師が行った講義を収録したDVDとeラーニングが付いてきます。最短で20時間あれば、合格に必要な知識を身につけることができるでしょう。

5.簡易タンク貯蔵所に関するよくある質問

Q.個人宅で設置している簡易タンク貯蔵所も、危険物取扱者が管理しなくてはいけませんか?
A.危険物が有資格者が必要です。

Q.タンクはどのくらいの割合で定期点検が必要なのでしょうか?
A.1年に1回は行ってください。

Q.個人で簡易タンク貯蔵所を購入し、指定数量未満の危険物を貯蔵している場合は危険物取扱者を取得していなくでも管理は行えますか?
A.消防法では行えますが、自治体独自の決まりがある場合はそれに従ってください。

Q.灯油・軽油・重油は1か所の簡易タンク貯蔵所に保管可能ですか?
A.問題ありません。

Q.固体の危険物はタンク貯蔵所の中に入れることは不可能ですか?
A.構造上不可能になっています。

6.おわりに

いかがでしたか? 今回は簡易タンク貯蔵所についてご説明しました。液体の危険物は揮発すれば爆発するものもあります。タンクに入れてある状態ならば安全性は高いのですが、取り扱いには十分注意しましょう。特に、火気を扱いながら危険物を扱っては絶対にいけません。冬場は静電気に注意しましょう。