少量危険物貯蔵取扱所の基準と注意点について解説【消防法による規定も】

少量危険物貯蔵取扱所危険物について

少量危険物消防法に則った少量危険物貯蔵取扱所の運用、その重要性を理解していますか?

本記事では、その重要な基準と注意点を明らかにします。危険物取扱者や資格取得を目指す皆様にとって、この情報は必見です。日々の業務を安全に、そして円滑に進めるためにも、正しい知識が重要となります。

少量危険物貯蔵取扱所について理解し、より安全で健全な職場環境を実現するためのステップを共有しましょう。

この記事を読んで、基準と注意点について正しく理解し、現場の安全向上に役立ててください。貯蔵取扱所について知っておくことは、安全で健全な職場環境を実現するためにも欠かせません。

是非、この記事を読んで少量危険物貯蔵取扱所の基準や注意点について正しく理解しておきましょう。

1.少量危険物とは?

少量危険物

この項では、少量危険物についてご紹介します。いったいどのくらいの量が「少量」になるのでしょうか?

1-1.指定数量5分の1以上が「少量」

消防法で定められた危険物には、それぞれ指定数量があります。たとえば、ガソリンならば200リットル、灯油や軽油は1000リットルが指定数量です。

これ以上の危険物を保管したり取り扱ったりする場合は危険物取扱者が行わなければならず、指定された貯蔵所以外の場所に保管したり、製造所や貯蔵所、取扱所以外の場所で取り扱うこともできません。

では、指定数量以下の量ならば自由な場所に保管したり、どこでも取り扱ったりしてもいいかというとそれは違います。

例えば指定数量の2分の1の量である100リットルのガソリンを適当な容器に入れて、一般住宅の収納スペースの保管しておけば大事故に繋がる可能性が高いでしょう。

この指定数量の5分の1以上、指定数量未満の危険物が「少量危険物」なのです。ガソリンを例にとると、40リットル以上200リットル未満が少量危険物になります。

また、複数の危険物を保存していてその合計数が5分の1以上であれば、少量危険物の指定を受けます。つまり、指定数量の10分の1の危険物と8分の1の危険物を同時に保管する場合はその和が4分の1になりますので少量危険物になります。

1-2.少量危険物を取り扱ったり保管したりするには?

少量危険物を保管したり取り扱ったりする場合は、最寄りの消防署に届け出が必要です。この届け出書の書式は、自治体のホームページでダウンロードできる場合もありますので、まずは自治体のホームページを確認してください。わからない場合は最寄りの消防署に尋ねてみましょう。

また、貯蔵庫の周りに幅1m以上の空き地が必要など、決まりもあります。ちなみに少量危険物は資格が無くても取り扱い可能です。

指定数量の5分の1以上、指定数量未満の危険物が「少量危険物」なんですね。
少量危険物を保管したり取り扱ったりする場合は、最寄りの消防署に届け出が必要ですが、資格が無くても取り扱いは可能です。

2.危険物貯蔵所が必要な場合は?

危険物貯蔵所

少量危険物は、物によっては結構な量があります。これらを安全な場所で保管する場合は危険物貯蔵所が必須でしょう。この危険物貯蔵所を扱っている業者はたくさんあります。これらの業者から危険物貯蔵所を買ったりレンタルしたりすれば、少量危険物を安全に保管できるでしょう。

インターネットを検索すれば危険物貯蔵所を取り扱っている業者がたくさん出てきます。その多さに驚く方もいるかもしれません。実は少量危険物を貯蔵しているところは思っている以上に多いのです。特に北国ならば、暖房用の灯油を指定数量の5分の1以上保管してある家は少なくありません。

また、ガソリンで動く機械をたくさん取り扱っている工事現場などは、給油用のガソリンをまとめて貯蔵してあるという所も珍しくないでしょう。ですから、色々なタイプの貯蔵所が販売されたり、貸し出されたりしているんです。現在は設置が簡単な「ユニット型少量危険物保管庫」なども販売されています。

危険物を少量でも貯蔵する場合は、「少量危険物貯蔵所」「火気厳禁」といった標識を設置し、消火器をすぐ側に置きましょう。また、換気口や溜め枡・分電盤なども設置するとより安全です。販売されている保管庫は、これら必要な装備が一式セットになっていますので、まとめて購入できます。

危険物貯蔵所を扱っている業者はたくさんあるんですね。
業者から危険物貯蔵所を買ったりレンタルすることで少量危険物を安全に保管できるでしょう。

3.少量危険物の貯蔵・取り扱いの注意点

では、少量危険物を貯蔵取扱をする際にはどのような点に気をつければよいのでしょうか?この項ではそれをご紹介します。

3-1.取り扱いには十分に注意する

危険物は、取り扱いの方法を間違えると火災や爆発をする危険性があるものです。少量とはいえ、扱いを間違えれば大事故につながる可能性もあるでしょう。危険物を取り扱う際に最も怖いのは「慣れ」です。

特に、ガソリンや灯油は気化率が高いため、火種が近くにあればそれ自体に触れていなくても炎上します。ですから、くわえ煙草で給油など絶対にしてはいけません。

職場で少量危険物を貯蔵取扱をしている場合はしっかりと安全教育をしましょう。また、一般家庭で少量危険物を取り扱う場合はその危険性を頭の中に叩き込んでおいてください。

3-2.貯蔵所の管理をしっかりと行う

少量危険物貯蔵所は指定数量を貯蔵する施設よりは手軽に購入したり、レンタルできます。特に、北国では、「灯油貯蔵庫」という名目でホームセンターでも販売されているでしょう。

しかし、手軽に販売されているからこそ管理もしっかりと行わなけれなりません。危険物貯蔵所で一番怖い事故は、貯蔵所が壊れて危険物が流出することです。

ですから、1m以上の空き地が必要だったり、油止めの設置が義務付けられています。

また、自治体によっては火災防止条例によって独自の決まりを定めているところもあるでしょう。少量危険物の届け出を出す際に教えてもらえるはずですから、必ず守ってください。

3-3.万が一流出事故などが起きたら?

危険物が流出するなどの事故が起きた場合は、すぐに最寄りの消防署に連絡しましょう。40リットル以上のガソリンや200リットル以上の灯油が流れ出せば大変なことになります。素人では手におえません。

また、片付け方が悪いと悪臭のもとになったり環境破壊になったりします。必ず消防の指示に従って片付けてください。こっそりと新聞紙などに吸収させておしまい、ではいけませんよ。

3-4.販売店に危険物を引き取ってもらう

暖房用の灯油など、冬にしか使わないものはシーズンが終わったらガソリンスタンドに引き取ってもらいましょう。少量危険物取扱所で保管していても問題はないのですが、事故を防止するためにはそのほうが良いのです。

ただし、量が少なかったので灯油をポリタンクに移し、来年の冬まで取っておこうとしてはいけません。

ポリタンクに入れられていた灯油は半年以上置いておくと劣化する可能性が高くなります。劣化した灯油をストーブに入れて使用すれば、火災の原因になる場合もあるでしょう。

灯油以外にも、しばらくは貯蔵所の中の危険物を使わないという場合は、貯蔵所に鍵をかけるなど保管方法を厳重にしておいてください。盗難にでもあったら大変です。

やはり取り扱いには十分気をつける必要があるんですね。
しばらく使わない場合は、販売店に危険物を引き取ってもらうとよいでしょう。

4.少量危険物貯蔵取扱所に関するQ&A

Q.少量危険物を取り扱い場合、危険物取扱者の選任は必要ですか?
A.基本的には必要ありませんが、安全のために選任がすすめられている自治体もあります。

Q.少量危険物の管理は、無資格者が行ってもかまわないでしょうか?
A.消防法上の問題はありませんが、危険物取扱者の資格を取得している人の方が知識があり、おすすめです。

Q.少量危険物は、移送に制限はありますか?
A.基本的にありません。

Q.少量危険物は、どんな容器に保管してもかまわないのですか?
A.いいえ。専用の容器に入れましょう。

Q.少量危険物貯蔵所として、既存の建物や保管庫を利用することはできますか?
A.法律上は問題ありませんが、専用のものを利用した方がおすすめです。

少量危険物貯蔵取扱所に関することが色々とわかってすごくタメになりました。
ガソリンや灯油の場合は気化率が高く、何かの火種で引火する危険があるということを覚えておきましょう。

少量危険物貯蔵取扱所の基準まとめ

今回は少量危険物貯蔵取扱所の基準や、少量危険物を取り扱う際の注意点などをご紹介しました。

まとめると

  • 少量危険物とは指定数量の5分の1以上の危険物のことを指す
  • 少量危険物を取り扱ったり貯蔵したりする際は、消防署に届け出が必要
  • 少量危険物取扱所は周りに1mの空き地を設けるなどの規定がある

ということです。危険物というと何やら大仰な感じがしますが、私たちの身の回りにもたくさんの危険物があります。少量危険物くらいならば家庭で保存しているという方も多いですし、大学などの研究施設でも保管されている場合が多いでしょう。

つまり、思わぬところに危険物は保管されているのです。大抵は貯蔵方法がしっかりしていますので、危険物が漏れ出したり、火災を起こす危険はありません。

しかし、万が一危険物の流出などを目撃したらすぐに消防に通報してください。特に、ガソリンや灯油の場合は気化率が高いので、何かの火種で引火する危険があります。

また、流出事故などが起こらぬように貯蔵所の管理はしっかり行いましょう。

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