石油とガソリンの違いは? ガソリンの特徴と共にご紹介します!

私たちにとって最も身近な危険物のひとつ、ガソリン。では、ガソリンと石油の違いは何でしょうか?

そこで今回は、ガソリンと石油の違いについてご紹介します。また、灯油や重油、軽油などとの違いもご説明しましょう。危険物乙種4類(通称乙4)の取得を目指す方だけでなく、家に車や石油ストーブがある方も知っておいた方が良い情報ばかりです。石油は私たちの身近にあるものですが、その危険性やそれぞれの特徴は案外知られていません。

ぜひ、この記事を読んで最も身近な危険物のことを知ってください。

  1. 石油は総称?
  2. ガソリンの特徴は?
  3. ガソリンの種類は?
  4. ガソリンを取り扱う際の注意点

1.石油は総称?

石油は、原油から作られます。映画やドラマで、地中から原油が噴き出すシーンを見たことがある方もいるでしょう。原油は黒くてドロドロしていますが、これは不純物がたくさん混じっているからです。そのままでは燃料として使えませんので精製します。その精製の仕方によって、原油はガソリンや灯油、軽油、重油、などに分けられるのです。

そして、原油から作られたガソリンや灯油などの総称を「石油」と言います。ちなみに石油を辞書で引くと「天然にできた燃える鉱物油とその製品の総称」と記載されているのです。
ですから「石油」は灯油でもあり、ガソリンでもあります。しかし、ガソリンや灯油、さらにはプラスチックなど原油が原料のものは「石油製品」と呼ばることが多いですね。

ガソリンも石油の一種なんですね。
はい。そのため、石油と言っただけではどんな製品を指すのかわかりません。必ず正式名称を伝えましょう。

2.ガソリンの特徴は?

では、ガソリンと灯油や軽油との違いはなんでしょうか? この項では、ガソリンの特徴をご紹介します。

2-1.沸点

ガソリンの沸点は、30度~220度と大変幅があります。これは、ガソリンの中に混合物が混じっているからです。ちなみに、ガソリンというと車の燃料というイメージがありますが、それ以外にも衣類の汚れを落とす洗剤や工業用品などにも使われています。「揮発油」と書いてあるものや「ベンジン」もガソリンの一種です。

2-2.引火点・発火点

引火点とは火を近づけると発火する温度のこと。発火点とは、火の気がなくても発火する温度のことです。ガソリンの引火店はマイナス40℃以下。つまり、極地に近いような極寒の地でも、ガソリンにライターの火を近づければ燃え上がるということです。

また、ガソリンの特徴に「揮発性の高さ」があげられます。ガソリンが灯油のようにポリタンクで保存ができないのは、わずかな隙間からでも蒸発してしまうからです。ちなみに、蒸発した気体にも引火性があります。つまり、個人のお宅でこっそりガソリンを保管していた場合、蒸発したガソリンに何かの火が引火すれば、大火災が発生する可能性があるのです。

2-3.ガソリンに色がついている理由

あまり知られてはいませんが、ガソリンにはオレンジ色に着色されています。これは灯油や軽油と区別をつけるために、行われているのです。ちなみに軽油は緑色に着色されています。災害などでガソリンスタンドが被害を受けて、何らかの危険物が漏れ出しているという場合は、まず色を確認しましょう。

ガソリンは引火点が低いのが大きな特徴なんですね。
はい。ですから、常温でも絶対に火気を近づけてはいけません。

3.ガソリンの種類は?

ガソリンには、いくつかの種類があります。この項では、ガソリンの種類についてご説明していきましょう。

3-1.自動車用ガソリン

私たちがイメージするガソリンはこれでしょう。ガソリンスタンドで販売されているものです。ガソリンにはハイオクとレギュラーがあり、燃焼効率を表す指標である、 「オクタン価」が違います。レギュラーと比べた場合、ハイオクの方が燃焼効率は良いのですが、日本ではレギュラーガソリンの品質も高いです。ですから「ハイオク仕様車」でない限り、レギュラーでも全く問題ありません。

なお、軽自動車にもレギュラーガソリンを使用します。「軽自動車だから、燃料は軽油を使う」と思っている方は案外多いのです。最近では、ガソリンスタンドによっては軽油を「ディーゼル」と言い換えている所もあります。

3-2.航空用ガソリン

飛行機の燃料として使われているガソリンです。自動車が無鉛ガソリンで動いているのに対し、航空用ガソリンはアルキル鉛などで加鉛されています。ですから、航空用のガソリンで自動車を動かすことはできません。

ちなみに、航空用ガソリンに使われている鉛は、呼吸器からだけでなく皮膚からも体内に浸透します。そして、体内に蓄積されすぎれば、鉛中毒を起こすでしょう。航空用ガソリンの取り扱いには十分な注意が必要です。

3-3.工業用ガソリン

ベンジンやクリーニング用の洗剤など、燃料以外に使われるガソリンをまとめて、工業用ガソリンと言います。「ガソリンが洗剤に使われているなんて」と思う方もいるでしょうが、ガソリンを使用する洗剤は、クリーニング工場などで使用されるものだけです。

一般家庭用の洗剤には、ガソリンは入っていません。これらのガソリンはJIS K2201により、引火点や蒸留性状によって5種類に分類されています。

ガソリンにも複数の種類があるんですね。
はい。最も身近にあるのは自動車の燃料用ガソリンです。

4.ガソリンを取り扱う際の注意点

この項では、ガソリンを取り扱う際の注意点をご紹介します。知っておけば役立つものばかりです。

4-1.セルフガソリンスタンドでは、静電気も要注意

ガソリンはマイナス40℃でも、引火します。ですから、ガソリンを取り扱っている最中は火気厳禁です。くわえタバコでガソリンを給油する人はさすがにいないでしょうが、案外盲点なのは静電気。静電気の火花で、ガソリンに引火することもあります。

セルフのガソリンスタンドで給油する際は、給油機についている静電気を除去する装置に必ず触れてください。また、ベンジンを家庭で保管する際は火の気のない所で密封して保存しましょう。もちろん、取り扱う時は火気厳禁です。

4-2.ガソリンは腐る

意外に思われる方も多いですが、ガソリンは2年~3年で腐ります。ですから、長期保存はできません。東日本大震災の際、ガソリン不足が大変深刻でした。「大震災に備えてガソリンを保管しておきたい」という方もいるでしょう。しかし、ガソリン用の保管容器を使っても、ガソリンは揮発し続けます。つまり、家庭で保存するのは大変危険です。

4-3.どうしても、という場合は缶詰を使おう

ガソリンスタンドが遠くで、車が必須の地域に住んでいる場合は「どうしても非常時のためにガソリンを保管しておきたい」という人もいるでしょう。そのような場合は、缶詰のガソリンを保管しておいてください。密閉されていますので、揮発する心配はありません。ただし、このようなガソリンも保証期限があります。ですから、定期的な買い替が必要です。

ガソリンは長期保管が難しいんですね。
はい。どうしても自宅で保管したい場合は、ガソリンの缶詰を備蓄しましょう。

おわりに

今回は、ガソリンと石油の違いやガソリンを取り扱う際の注意点をご紹介しました。
まとめると

  • 石油は、ガソリンや軽油など原油を精製して生まれた製品の総称
  • ガソリンは揮発性が高く、引火点が低いので、取り扱いには注意が必要
  • ガソリンは自動車用の他に航空用と工業用がある
  • ガソリンは携帯容器に入れて保管しない

ということです。

ガソリンスタンドが街のあちこちにあるので、ガソリンの危険性をあまり感じていない人も多いでしょう。しかし、ガソリンは一度火がつけば、大火災になります。映画で次々と車が爆発・炎上しているシーンがありますが、あれは誇張ではありません。くれぐれも取り扱いには注意してください。なお、お年寄りの中には「ガソリンで油汚れを落とす」という方もいますが、大変危険です。今は良い洗剤がたくさん出ていますから、そちらをすすめてください。なお、不要になったガソリンはガソリンスタンドで処分してもらえます。