燃焼範囲とは?爆発範囲とは何なのか?危険物取扱者に必要な基礎知識

危険物を正しく取り扱うためには、燃焼範囲について知らなければなりません。
燃焼範囲とは、どのような意味を持っているのでしょうか。
燃焼範囲や可燃性蒸気が発生する危険物、燃焼範囲が広い物質について説明します。
また、燃焼範囲だけでなく、爆発範囲についても知りましょう。
危険物取扱者試験を控えている人は、ぜひチェックしてくださいね。

目次

  1. 燃焼範囲(爆発範囲)とは
  2. 可燃性蒸気が発生する危険物
  3. 燃焼範囲が広い物質
  4. まとめ

1.燃焼範囲(爆発範囲)とは

危険物取扱者試験には、絶対必要になる「燃焼範囲」について説明します。
危険物を正しく取り扱うためにも、きちんと燃焼範囲(爆発範囲)を知ることが大切です。
少しでも扱い方を間違えると大事故につながります。知識を身につけておきましょう。

1-1.発火できる可燃性気体と空気の比率

燃焼範囲は簡単に説明すると、「発火できる可燃性気体と空気の比率」です。
燃焼する条件の1つだと言われています。
燃焼範囲は、爆発範囲とも言われており、可燃性気体と空気の割合によって燃焼範囲が決まっているのです。
可燃性気体と空気が混ざっている割合が、範囲内になった時点で燃焼します。
気体が薄すぎても、空気の量が濃すぎても燃焼は起こりません。
燃焼する割合が「燃焼範囲(爆発範囲)なのです。
燃焼範囲は、可燃性気体がどのくらい入っているのかによって値(%)を示します。
よって、燃焼範囲=空気中に含まれている可燃性気体の濃度と思っておいてください。
燃焼範囲で示す濃度になれば、燃焼する危険があるのです。

1-2.爆発下根値と爆発上限値

燃焼範囲は、空気と可燃性気体の混合割合で決まっているのです。
燃焼範囲における下限のことを「爆発下限値」、上限のことを「爆発上限値」と言います。
可燃性気体と空気の混合割合が、燃焼範囲に入ると非常に危険です。
爆発・燃焼する可能性があるため、可燃性気体の種類によって、燃焼範囲を把握しておかなければなりません。
爆発下限値と爆発上限値は、必ずチェックしておきましょう。
また、燃焼範囲の単位は[vol%]になります。[容量(%)][体積(%)]と表すこともあるでしょう。
上限・下限に割合が近くなると、熱の発生と拡散のバランスが悪くなってしまうのです。
バランスが悪くなると、燃焼する確率があがります。

1-3.熱の発生・逸散(いっさん)速度のバランスが大切

燃焼範囲は、どのように決まっていると思いますか?
決める要素は、熱の発生と逸散(いっさん)、それぞれのバランスなのです。
温度が高ければ高いほど、熱の逸散(いっさん)は遅くなります。
逸散(いっさん)が遅くなると、熱が停滞し続けるため、燃焼範囲がさらに拡大するのです。
温度が低いと逸散(いっさん)しやすくなります。
しかし、可燃性気体がそもそも小さい比熱なので、それほど差はありません。
熱の発生・逸散(いっさん)のバランスが崩れたとき、燃焼が起こるのです。
危険物の保管は、2点のバランスに注意しておかなければなりません。

2.可燃性蒸気が発生する危険物

2-1.引火性液体の第4類危険物

可燃性蒸気が発生する危険物は、特に燃焼範囲を注意しておかなければなりません。
保管場所や保管方法、取り扱い方を誤ってしまうと、大事故につながる危険性があります。
可燃性蒸気が発生する危険物と言えば、引火性液体となる「第4類危険物」になるでしょう。
第4類危険物には、引火性液体・引火しやすい液体が入っています。
主にあがっている第4類危険物は、以下のとおりです。

  • 特殊引火物・・・二硫化炭素、ジエチルエーテル、ペンタン、ギ酸メチルなど
  • 第1石油類・・・アセトン、ガソリン、ギ酸エチル、トリエチルアミン、アクロレイン、アセトニトルなど
  • アルコール類・・・メチルアルコール、エチルアルコール、プロピルアルコール
  • 第2石油類・・・灯油、軽油、酢酸、クロロベンゼン、アクリル酸、キシレン、プロピオン酸など
  • 第3石油類・・・重油、アニリン、グリセリン、クレオソート油、ニトロベンゼンなど
  • 第4石油類・・・潤滑油、リン酸トリクレジルなど
  • 動植物油類・・・アマニ油や椰子(やし)油など

以上のような引火性液体が、可燃性気体が発生する危険物になります。

2-2.燃焼範囲が広く、下限値の低い危険物

第4類危険物の中でも、特に注意しておかなければならないのが「特殊引火物」です。
特殊引火物は、最も可燃性蒸気が発生しやすいと言われています。
なぜなら、特殊引火物は「燃焼範囲」が最も広いからです。
特殊引火物のアセトアルデヒドは、爆発下限値が4vol%~爆発上限値が60vol%と、最も広くなっています。
燃焼範囲が広い危険物ほど、注意しておかなければなりません。
また、先ほどは引火性液体に説明しました。しかし、危険物は液体だけではありません。
「固体」にも、可燃性蒸気が発生する危険物があります。
固体アルコールやラッカーパテ、ゴムのりが当てはまるでしょう。
それぞれ燃えると、可燃性蒸気が発生するので非常に危険です。
取り扱いには、十分注意が必要になるでしょう。

3.燃焼範囲が広い物質

3-1.燃焼する機会が増える

燃焼範囲が広い物質は、燃焼する機会が増えることと同じです。
燃焼しやすい物質とも言えるので、正しい方法で管理しなければなりません。
先ほど説明した、アセトアルデヒドは最も燃焼範囲が広い物質です。
爆発下限値が低いほど燃焼しやすいとも言われますが、燃焼範囲が広い物質の方が危険度が高くなります。
燃焼しやすい範囲が広いことは、空気と可燃性気体の割合バランスが細かいことでもあるのです。燃焼範囲内に入らないよう、調整しなければなりません。
より細かく調整する必要があるでしょう。
燃焼範囲が広い物質は、気をつけてくださいね。
危険物取扱者の資格を取得するのであれば、知らなければなりません。

3-2.危険度が高いガソリンと二硫化炭素

私たちの生活には必要不可欠な「ガソリン」も、危険度が高い危険物です。
ガソリンの燃焼範囲は、1.4~7.6%になっています。
少しのガソリンが空気に触れるだけでも、燃焼が始まる数値です。
空気中におよそ30%と言う高い濃度であれば、燃焼の危険も低くなります。
そして、特殊引火物の1つである「二硫化炭素」も要注意です。
二硫化炭素は1.3~50%と、燃焼範囲が広くなっています。
そのため、燃焼が起こりやすいと言えるでしょう。

4.まとめ

燃焼範囲(爆発範囲)とは何なのか、可燃性蒸気が発生する危険物や燃焼範囲が広い物質について説明しましたが、いかがでしたでしょうか。
危険物の種類はもちろんのこと、それぞれの燃焼範囲を必ず把握しておかなければなりません。
燃焼範囲を理解したうえで、適切な方法で保管してください。
正しい方法で取り扱わなければ、大事故につながってしまいます。

  • 発火できる可燃性気体と空気の割合
  • 爆発下限値と爆発上限値
  • 熱の発生、逸散(いっさん)速度のバランスが大切
  • 引火性液体の第4類危険物
  • 燃焼範囲が広く、下限値の低い危険物
  • 燃焼する機会が増える危険物は燃焼範囲が広い
  • 危険度が高い「ガソリン」と「二硫化炭素」

以上のポイントは、ぜひ頭の中に入れておいてください。
燃焼範囲は、危険物取扱者の試験に出てくる問題内容です。
試験に合格するためにも、危険物の燃焼範囲をチェックしておきましょう。
合格してからでも、常に頭の中に入れておく必要があります。
安心して扱うためにも大切なことですよ。