炎色反応の原理や色の種類について~炎色反応でわかる物質の特徴~

私たちのまわりにはさまざまな「物質」が存在しています。「炎色反応」とは物質が炎に触れるとき起こる現象のことです。物質の中には危険なものもあるので注意しなければなりません。これから、炎色反応の原理や緑・青・オレンジなど色の種類、特徴について詳しく説明しましょう。

危険物取扱者の資格勉強をしている人はぜひ参考にしてください。

  1. 炎色反応とは?
  2. 炎色反応の色の種類
  3. 身近にある炎色反応

1.炎色反応とは?

物質が炎に触れたとき、「炎色反応」が起こります。昔にやった理科の実験を思い出してみてください。物質にはさまざまな反応を起こす特徴を持っているものです。炎色反応とは何なのか、原理や特徴について詳しく説明します。

1-1.塩や金属類を炎の中にいれると起こる反応

「炎色反応」とは、塩や金属類を炎の中にいれると起こる反応です。ただ、反応を起こすだけでなく炎の「色」が変わります。色は金属元素によって異なるため、炎色反応の色によって何を投入したのかわかるでしょう。炎色反応の仕組みによって、金属の成分を調べる企業・研究機関は多いです。金属に入っている成分を調べることを「定性分析(ていせいぶんせき)」と言います。

塩のほかに、アルカリ金属や銅などさまざまの金属類を投入するでしょう。火事が起きたときでも、炎の色を見て燃えている物質を確認するケースがあります。炎色反応は私たちの生活でも、さまざまなところで起こっているものです。危険物取扱者になりたい人は、ぜひ把握しておきましょう。

1-2.炎色反応の原理

炎色反応の原理は思っているよりも簡単です。炎の中にいれる「金属」は、小さな原子が集まっています。そして、原子は原子核+電子の融合でできているものです。基本的に、電子は円を描くようにぐるぐると原子核のまわりをまわっています。原子核と電子でできている原子が加熱することで、電子自体が熱のエネルギーを吸収するでしょう。

吸収した結果、そとにある別の軌道に移るのです。吸収した熱エネルギーが大きければ大きいほど、電子が持っているエネルギーも高くなります。しかし、そとにある新しい軌道は非常に不安定です。よって、電子は安定しているもとの軌道に戻ろうとします。

戻るときに発生するのが「光」です。つまり、吸収したエネルギーはもとの軌道へ戻るため使い、「光」として放出します。放出する光が“炎色反応”になるのです。

1-3.物質によって放出する光が異なる

電子がもとの軌道に戻る際、放出する「光」は物質によって異なります。炎色反応で生まれる「光」のエネルギーは物質の特徴になるでしょう。また、光のエネルギーが物質ごとに違うのは、放出する「光の波長」が違うと言うことです。光の波長が異なるため、私たちに見える色にも変化があります。ただ、物質の成分が異なるだけでなく、光の波長も違うということを把握しなければなりません。

危険物取扱者の試験では、色によって物質を答えなければならないでしょう。物質の特徴を把握しつつ、炎色反応の「色」も覚える必要があります。

炎色反応は、金属をはじめとする物質と炎が触れたときに起こるんですね。
はい。花火の色も炎色反応を利用してつけられています。

2.炎色反応の色の種類

2-1.炎色反応が起こる主な元素

炎色反応が起こる元素は、主に金属類になります。アルカリ金属やアルカリ土類金属がほとんどになるでしょう。物質によって炎色反応の「色」が異なります。

たとえば、第1族元素のアルカリ金属には、リチウム・ナトリウム・カリウム・ルビジウム・セシウムのケースを見てみましょう。リチウムを炎の中にいれると深紅色(赤紫色)になります。元素の波長は670mmです。

ナトリウムは黄色、カリウムは淡紫色、ルビジウムは暗赤色、セシウムは青紫色になります。
第2族元素であるアルカリ土類金属は、カルシウム・ストロンチウム・バリウム・ラジウムの4種類です。カルシウムは橙赤色(とうせきしょく)、ストロンチウムは深赤色、バリウムは黄緑色、ラジウムは洋紅色になります。

炎色反応の色は覚えておきましょう。覚え方としては、元素の記号での語呂合わせがおすすめです。自分にとって覚えやすい語呂合わせを元素の記号と色でつくってみてください。

2-2.11族や13族も炎色反応を起こす

主に炎色反応を起こすのは、1族・2族のアルカリ金属とアルカリ土類金属になるでしょう。しかし、11族・13族も炎色反応を起こす物質です。11族は銅、13族はホウ素・ガリウム・インジウム・タリウムがあります。銅を炎の中にいれると青緑色に、ホウ素は緑色、ガリウムは青色、インジウムは藍色、タリウムは淡緑色に変化するでしょう。

基本的に、銅だけでは炎色反応は起こりません。けれども、塩素やヨウ素などのハロゲン化物と混ぜると炎色反応が起こります。なぜなら、ハロゲン化物には気化しやすい特徴があるからです。

また、炎色反応は完全に分解した原子から光を放出しているわけではありません。原子と一緒に、分子からも光を放出しているケースがあるのです。

接触させる物質によって炎色反応の色が異なるんですね。
はい。ですから、炎色反応を見れば触れた物質が分かります。

3.身近にある炎色反応

3-1.夏の風物詩「花火」も炎色反応の1つ

炎色反応によってさまざまな実験が今でも実施しています。夏によく見る「打ち上げ花火」は、炎色反応の1つです。夏の夜空にさまざまな色を映し出してくれる花火は、見ていてとても華やかな気持ちになるでしょう。

打ち上げ花火に使う花火玉には、ほとんど2種類の火薬が入っています。花火玉の中心に「花火玉を割るための火薬」、そして、そとがわには炎色反応を起こす金属が並んでいるのです。星の中央に向かって種類の異なる金属をいれています。

よって、上空にあがったときそとがわから燃えていくのでさまざまな色に変化できるのです。つまり、打ち上げ花火は炎色反応を上手に生かした手法だと言っていいでしょう。

3-2.行事やイベントで使っているキャンドル

身近にある炎色反応としては、「キャンドル」もあがっています。行事やイベント、キャンプファイアーなどでも使用するケースが多いです。室内演出用のキャンドルには、炎色反応を上手に生かした工夫をしています。たとえば、エタノールを使用して炎をつくり、炎色反応を起こす物質をいれるのです。ステアリン酸と希望の色となる発色剤をそれぞれ5gいれると好きな色の炎が出てきます。

塩化ストロンチウムは赤色、ホウ酸は緑色、ヨウ化カリウムはオレンジ色とさまざまな色が楽しめるでしょう。昔では「花ガス」も炎色反応を利用していました。花ガスとは装飾の1つで広告用のガス灯になります。炎色反応を起こす金属を利用して、好きな装飾に仕上げていたのです。

炎色反応は身近な道具にも使われているんですね。
はい。ただし、個人で炎色反応を起こすのは危険です。設備が整った実験室などで行いましょう。

まとめ

炎色反応とは何なのか、炎色反応の色の種類や身近な炎色反応について説明しました。危険物取扱者の試験には炎色反応についての質問が出てきます。炎色反応の仕組みや物質による色の種類を把握しておけば、難なくクリアできるでしょう。色だけ覚えていても仕組みを知らなければ意味がありません。きちんと仕組みを把握しながら勉強を続けてくださいね。

花火や昔使っていた花ガス、カラーキャンドルなど身近なところにもたくさんの炎色反応があります。炎色反応を理解しておけば、また違った角度から見ることができるでしょう。