絶縁油の性質や種類とは?どんなところに使われているの?

絶縁油とは、液状の絶縁材料のひとつです。
絶縁体というとゴムのような固体がメジャーですが、変圧器の中など多くの電気機器の絶縁材料として用いられています。
今回は、この絶縁油の性質や種類についてご紹介しましょう。
また、絶縁油はオイルの一種ですから可燃性です。
では、絶縁油を使った電気機器は危険物に該当するのでしょうか?
このあたりも今回はご説明していきます。
電気にたずさわる仕事をしている方や危険物取扱者の資格を取得したい方は、必見ですよ。

  1. 絶縁油の性質とは?
  2. 絶縁油の種類とは?
  3. 絶縁油は危険物?
  4. 絶縁油は劣化する?
  5. 絶縁油の管理
  6. ​絶縁油の交換は素人でもできるの?
  7. おわりに

1.絶縁油の性質とは?

絶縁油は、電気機器の絶縁と冷却を目的に使われている液状の絶縁体です。
化学的、電気的に安定していることや、絶縁耐力が大きい性質の油脂が選ばれます。
このほかにも、凝固点が低く引火点が高いこと。
粘度が低いことも大切な性質です。
電気機器は建物の中に置かれているというイメージがありますが、変圧器などは外に置かれていることが多いでしょう。
ですから、外気の影響をダイレクトに受けます。
そのためあまり凝固点が高すぎると気温が低いと電気機器が使えなくなるのです。
また、引火点が低いと火気を近づけただけで火事になります。
電気機器は、場合によっては火花が散ることもあるでしょう。
引火点が低ければ、絶縁体として使えません。
今ご紹介した性質以外にも、機械に侵食しないことが絶縁油の条件です。

2.絶縁油の種類とは?

絶縁油の種類は日本工業規格により、1種~7種までに分類されています。
また、最近では国際電気標準会議規格も取り入れられているのです。
ですから、従来の7種の分類を種類A。
国際電気標準会議企画を種類Bと呼びます。
もう少しおおざっぱな分類の仕方もありますので、ご説明しましょう。
絶縁油の種類は、鉱油、合成油、鉱油と合成油の混合油の3種類に分けられます。
鉱油というのは原油を精製したもので、炭化水素を主成分にしたもの。
合成油はアルキルベンゼンやシリコーン油などを原料としたものです。
絶縁油は、長い間鉱物油を主原料としたものが主流でした。
現在でも変圧器は一般的に鉱物油を主原料にしたものが使われています。
しかし、現在では合成油や混合油を利用した電気機器が増えているのです。

3.絶縁油は危険物?

前項で、絶縁油は原油を精製したものを使用しているとご紹介しました。
原油を精製したものは、危険物第4類の引火性液体の第3石油類に指定されます。
では、絶縁油はどのような扱いになるのでしょうか?
この項で少し詳しくご説明します。

3-1.電気機器に使われている場合

変圧器など電気機器に使われている絶縁油は、(社)日本電気協会発行の「変電所等における防火対策方針」の中で、消防庁に保管方法や取り扱い方法を通達しています。
ですから、たとえば発電所や変電所などでたくさん絶縁油を使用している電気機器があった場合でも、危険物取扱者を常駐させる必要はないのです。
しかし、その代わりに電気主任技術者による電気機器の管理が必要になります。

3-2.絶縁油単独の場合

絶縁油が単独で保管されている場合は、危険物第4類の第3石油類に該当します。
指定数量を超えた絶縁油を貯蔵している場合は、危険物取扱者の専任が必要です。
第3石油類の指定数量は、水溶性で4000リットル。
非水溶性で2000リットルです。
ですから、変圧器をはじめとする電気機器を製造している業者や絶縁油を製造している業者は、危険物取扱者が社員として常駐していることが多いでしょう。
また、絶縁油は引火点こそ高いですが引火しないわけではありません。
そのため、取り扱いや移動には十分な注意が必要です。

4.絶縁油は劣化する?

絶縁油は、使用しているうちに劣化していきます。
ほかの絶縁体も劣化しますが、絶縁油が劣化すると、最悪の場合電気機器が壊れる可能性があるのです。
絶縁油を使っている代表的な電気機器といえば、変圧器。
変圧器は運転すると温度が変化し、外気が呼吸作用によって変圧器内部に取りこまれます。
すると、絶縁油に空気や水が混入して劣化が始まるのです。
この過程で、最初は淡黄色だった絶縁油が茶褐色になります。
こうなると、絶縁油を交換しなければなりません。
絶縁油交換は、電気主任技術者の職務のひとつです。
ですから、電気主任技術者の資格試験には、絶縁油に関する問題も出題されることもあるでしょう。
なお、電気機器の中に入っている絶縁油は、危険物に該当しませんが取り出された油は、危険物に該当します。
ですから、指定数量を超えた絶縁油を廃棄予定とはいえどこかに保管しておく場合は、そこに危険物取扱者が常駐している必要があるでしょう。

5.絶縁油の管理

絶縁油は、定期的に試験を行い劣化具合が調査されます。
これを「絶縁油試験」というのです。
これは、電気主任技術者が行うことも多いでしょう。
この結果を数値化して記録しておきます。
通常、絶縁油の試験は3年周期で行えばよいことになっているのです
しかし、絶縁油が劣化してきて値が要注意値になった場合は、1年ごとに行ってください。
その結果、数値が悪ければ、再生や交換を行います。
また、絶縁油は気象条件や置かれた環境によって急速に劣化することがあるのです。
ですから、変圧器を使っている会社から点検の依頼が来た場合は、絶縁油の劣化が原因の可能性もあるでしょう。

6.絶縁油の交換は素人でもできるの?

絶縁油の交換は、基本的には無資格でも行えます。
ですから、電気主任技術者や危険物取扱者がいなくてもできないことはありません。
ただし、交換した後に通電のチェックなどをする場合は電気主任技術者の監督の元で行わなければならないでしょう。
ですから、電気主任技術者に交換を依頼する場合や、監督の元で行う場合がほとんどです。
なお、交換した劣化絶縁油は、燃えます。
火気厳禁にしては生き業者に引き取ってもらうまで、保管しておいてください。
絶縁油は原油が原料ですから、揮発もします。
揮発した絶縁油でも、引火力は変わりません。
ですから、窓のない部屋などに保管しておく場合は必ず密閉できる金属の缶に入れておきましょう。
プラスチック製の容器などに無造作に入れておくと、容器が絶縁油で変質してしまうかもしれません。

7.おわりに

いかがでしたか?
今回は、絶縁油の性質や種類についてご説明しました。
電気系統を取り扱う仕事に就かないと、液体状の絶縁体があることも知らない方も多いと思います。
しかし、危険物取扱者や電気主任技術者の資格を取得しようと思っている方は、ぜひ覚えておきましょう。
また、変圧器は大きいものほど絶縁油の量も多くなります。ですから、定期的な管理が必要です。
なお、家庭にあるような小型変圧器の場合は絶縁油を使っていない商品が多いので、絶縁油の交換はする必要がないでしょう。
絶縁油が劣化するまで長い時間がかかりますが、劣化しないということはありません。
ですから、必ず電気主任技術者は試験を行ってください。
なお、変圧器の中に入った絶縁油と絶縁油単独の場合は、前述したように違いがあります。
絶縁油を扱っている業者の方は、どういうときに危険物に該当するのか知っておきましょう。
そうしないと、多量に絶縁油を取り扱っている場合は、消防署から指導が入ることがあります。