タンクローリーの運転手になるには? 必要な資格や取得方法は?

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タンクローリーとは、主に石油やガスといった液体や気体を運搬する特殊車両です。街中を走っているのを見たことがある、という人も多いでしょう。

タンクローリーを運転することができれば、転職や就職に役立つと考えている人もいると思います。では、タンクローリーの運転手になるには、どのような資格が必要なのでしょうか?

そこで、今回はタンクローリーの運転手になるために必要な資格について解説します。

  1. タンクローリーの運転に必要な資格は?
  2. 危険物取扱者の資格について
  3. タンクローリーや危険物取扱者に関するQ&A

この記事を読めば、資格の取得方法までよく分かることでしょう。興味がある人は、ぜひ読んでみてくださいね。

1.タンクローリーの運転に必要な資格は?

タンクローリーは、大型車に分類されます。ですから、普通自動車免許では運転できません。大型免許が必要です。また、車両総重量が750kg以上を超える車両を運転する場合は、けん引免許も取得しておく必要があります。
さらに、タンクローリーに積みこむ荷物によって、以下のように必要な資格が異なるので、注意が必要です。

  • ガソリン・灯油・軽油など:危険物取扱者
  • 毒物:毒物劇物取扱責任者
  • ガス:高圧ガス移動監視者講習を受ける。または、高圧ガス製造保安責任者

この中で、最もタンクローリーに積まれる機会が多い物質といえば、ガソリンや灯油・軽油などの危険物です。全国各地の製油所からガソリンスタンドへガソリンや軽油などを配送する場合などに、タンクローリーは活躍します。ですから、まず危険物取扱者の資格と大型車の免許を取得すれば、タンクローリーの運転手になることができるでしょう。

2.危険物取扱者の資格について

この項では、危険物取扱者とはどのような資格かということを解説します。資格取得の方法も紹介しますので、取得を目指している人はぜひ、参考にしてください。

2-1.危険物取扱者とはどのような資格?

危険物取扱者とは、消防法で指定されている危険物を取り扱ったり、保安監督業務を行ったりすることができる資格です。危険物にはそれぞれ指定数量が定められており、それを超える危険物を取り扱ったり保管したりする場合は、資格が必要になります。なお、危険物を扱う施設には、取扱所・製造所・保管所などがあり、タンクローリーは「移動タンク貯蔵所」という扱いです。ですから、運転をするには運転手が危険物取扱者の資格を取得するか、有資格者を同乗させる必要があります。ちなみに、危険物は特徴によって以下の6つに分類されているので、覚えておきましょう。

  1. 酸化性固体
  2. 可燃性固体
  3. 自然発火性物質および禁水性物質
  4. 引火性液体
  5. 自己反応性物質
  6. 酸化性液体

2-2.危険物取扱者の資格区分

危険物取扱者には、以下のような3つの資格区分があります。

  • 甲種:すべての危険物の取り扱いや保安監督業務を行うことが可能
  • 乙種:1~6類に分かれており、取得した類の危険物の取り扱いや保安監督業務を行うことが可能
  • 丙種:危険物第4類に指定されている引火性液体のうち、ガソリンや灯油など一部の物質の取り扱いが可能。保安監督業務は不可

タンクローリーの運転手になるためには、甲種か乙種4類取得を目指しましょう。丙種では扱える危険物が限られ過ぎているので、タンクローリーの運転手になりたいという理由で取得する資格としては、おすすめできません。
なお、乙種4類を取得すれば、ガソリンや灯油といった「引火性液体」の取り扱いや保安監督業務ができます。また、甲種はすべての危険物を取り扱うことができますが、資格試験を受けるためには、大学で化学に関する単位を一定数取得するか、乙種を複数取得していること、など条件をクリアすることが必要です。ですから、大学で化学に関する学科を卒業した、という人以外はまず乙種4類を取得し、そこから異なる資格区分を再取得していきましょう。

2-3.資格取得方法

危険物取扱者の資格は、消防試験研究センターが主催する試験を受けて合格すれば取得できます。講習会などを受講して取得することはできません。試験日は都道府県によって異なっており、どの県も年に最低2回は試験が実施されるので、都合の良い日に受験しましょう。ちなみに、東京のような大都市の場合は、毎月試験が行われます。試験は、全国どこで受けてもかまいませんし、受験回数の制限もありません。その気になれば1年で乙種すべての類をを取得できます。
乙種・丙種は受験資格が定められていません。甲種は、前述したように受験資格が必要です。詳しくはセンターのホームページを確認してください。

2-4.資格取得のメリット

危険物取扱者を取得すれば、タンクローリーの運転手以外にも、危険物を取り扱ったり製造したりしている会社に転職するのに役立ちます。また、資格手当もつくので給与もアップするでしょう。危険物を取り扱っている会社はガソリンスタンドをはじめとしてたくさんあります。

2-5.試験内容について

危険物取扱者の試験は、

  • 危険物に関する法令
  • 物理および化学 (丙種:燃焼および消火に関する基礎知識)
  • 危険物の性質並びにその火災予防および消火の方法

の3科目の学科試験です。各科目で6割以上の得点で合格となります。なお、乙種をすでに取得している人が別の類を受ける場合は、法令と物理・化学が免除になるので、かなり取得しやすくなるでしょう。ただし、乙種を取得している人が甲種を受験する場合、科目の免除はありません。

2-6.試験の申し込み方法

危険物取扱者の試験は、消防試験研究センターのホームページから、電子申請で申し込みが可能です。初めて受験する方は、電子申請を利用しましょう。このほか、全国の消防署で配布している願書に必要事項を記入し、センターに送付しても申し込めます。試験科目の一部が免除される資格を取得している方は、添付書類があるので願書送付で申し込みを行ってください。受験費用は、甲種:5,000円・乙種:3,400円・丙種:2,700円です。

2-7.勉強のコツ

危険物取扱者は、全科目6割以上の得点で合格です。合格率は甲種が38%前後、乙種4類が30%前後となっています。乙種4類のほうが合格率が低いのは、受験者数が多いためです。ただし、乙種の試験はここ数年難化が進んでいます。乙種4類に限れば、平成28年度の試験は合格率が30%に達しない試験も多く、今後は25%前後まで下がるのではという予想です。比較的取得しやすいイメージがある危険物取扱者ですが、しっかりと勉強しなければ合格はできません。

3.タンクローリーや危険物取扱者に関するQ&A

Q.タンクローリーの運転手はどのような業界が求人を出していますか?
A.ガソリンスタンドの運営や提携をしている石油元売り会社が、求人を出しているのでインターネットの転職サイトなどを確認してみましょう。また、化学薬品の製造・販売している会社が求人を出していることもあります。

Q.タンクローリーの運転手は誰でもなることができるでしょうか?
A.はい。現在は女性の運転手も増えてきました。荷物の積み下ろしが自動で行えるので、体に負担の少ないのも魅力です。

Q.危険物取扱者の資格を取得すれば、未経験でもタンクローリーの運転手になることはできますか?
A.はい。危険物取扱者と大型車の運転免許があれば大丈夫です。経験者が優遇されますが、未経験者でもなることはできます。

Q.危険物取扱者乙種は、複数取得したほうが有利でしょうか?
A.はい。取得しておくと何かと有利です。

Q.甲種を取得すれば、乙種の有資格者よりも有利でしょうか?
A.はい。いろいろな危険物を運搬する会社では断然有利です。

おわりに

今回はタンクローリーの運転手になるために必要な資格について解説しました。危険物取扱者というと、ガソリンスタンドで働くために取得する資格というイメージがありますが、このように危険物を運搬する仕事に就くこともできます。

しっかり勉強すれば1発合格も可能ですから、よく勉強して資格試験にのぞんでください。

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