保管できる異なる類の危険物の組み合わせは?同時貯蔵の条件等を解説

危険物は、基本的に1か所の貯蔵所に同じ類のものを保管する決まりになっています。しかし、条件つきでほかの類の危険物と組み合わせて保管することが可能です。危険物取扱者の試験でも、貯蔵の条件に関する問題が出ることもあります。

そこで今回は、危険物を保管する際の条件や一緒に保管ができる類を異にする危険物について解説しましょう。

  1. 危険物の保管(貯蔵)に関する基礎知識
  2. 類の異なる危険物を同じ場所に保管する際の組み合わせや条件
  3. 危険物の保管の組み合わせに関するよくある質問

この記事を読めば、危険物の保管に関する決まりがよく分かります。危険物取扱者の資格取得を目指している人は、ぜひ読んでみてください。

1.危険物の保管(貯蔵)に関する基礎知識

はじめに、危険物を保管する際の決まりや保管場所について解説します。

1-1.危険物は少量でも専用の容器に入れて保管する

危険物とは、消防法で定められた「火災を発生させたり、燃焼を促進させたりする可能性」が高い物質です。ガソリンや灯油など、私たちの身近にある物質の中にも危険物に指定されているものがあります。危険物は少量でも火災の危険があるので、専用の容器に入れて保管することが大切です。たとえば、ガソリンは専用の金属製の容器に入れ、密閉して保管します。適当な空き容器に保管することはとても危険です。

1-2.指定数量を超える危険物を保管する場合は、専用貯蔵所が必要

危険物は、消防法によってそれぞれ指定数量が定められています。指定数量を超える危険物を保管する場合は、専用の貯蔵所で保管しなければなりません。たとえば、灯油の場合は1,000Lが指定数量です。しかし、自治体によっては独自の条令によって指定数量未満の危険物でも、専用の貯蔵場所に保管することを定めているところもあります。

1-3.危険物を保管できる貯蔵庫の種類

危険物を保管できる貯蔵庫には、以下のような種類があります。

  • 屋内貯蔵所
  • 屋外貯蔵所
  • タンク貯蔵所(屋内・屋外・地下・簡易・移動)

なお、ガソリンスタンドは給油取扱所、危険物を販売する場所は販売取扱所となり、貯蔵所には該当しません。また、貯蔵所の管理や危険物の保安監督は、危険物取扱者の資格が必要です。

2.類の異なる危険物を同じ場所に保管する際の組み合わせや条件

この項では、類を異なる危険物を同じ貯蔵所に保管したい場合の決まりを紹介します。

2-1.指定数量を超える危険物の保管は1か所に1種が原則

危険物は、以下のような6種類に分類されています。

  • 第1類 酸性固体
  • 第2類 可燃性固体
  • 第3類 自然発火性物質・禁水性物質
  • 第4類 引火性液体
  • 第5類 自己反応性物質
  • 第6類 酸化性液体

指定数量を超える危険物を保管する場合は、1か所につき1つの類の危険物だけの貯蔵が原則です。

2-2.同時に保管できる類の異なる危険物の組み合わせ

以下のような危険物は、類が異なっても同時貯蔵が可能です。

  • アルカリ金属の過酸化物とその含有品を除く第1類と第5類
  • 第1類と第6類
  • 第2類と自然発火性物品(ただし、オウリンとその含有物のみ)
  • 第2類と第4類
  • アルキルアルミニウム等と第4類のうちアルキルアルミニウム等を含有するもの
  • 第4類・第5類

ただし、これは消防法で定められている決まりです。自治体によっては同時保管に関して独自の条例を定めていることもあります。ですから、消防法に基づいて類の異なる危険物を保管する場合は、必ず条例を確認しましょう。

2-3.類の異なる危険物を同時に保管する際の決まり

類の異なる危険物を同時に保管する場合、以下のような気まりがあります。

  • 屋内貯蔵所・屋外貯蔵所に保管する場合、容器の積み重ねの高さは3m以下
  • 屋外貯蔵所において危険物を収納した容器を架台で貯蔵する場合、高さは6m以下
  • 屋内貯蔵所で容器を用いて保管する場合、危険物の温度が55℃以上にならないように管理しておく
  • 屋外貯蔵タンク・屋内貯蔵タンク・地下貯蔵タンク・簡易貯蔵タンクの計量口や、元弁・注入口の弁やふたは使用するとき以外はしめておく

これ以外の決まりもありますが、詳しくは危険物の規制に関する政令第26条を確認してください。

2-4.危険物と危険物以外のものを保管する際の決まり

危険物は、基本的に単独で保管することになっています。しかし、以下のような場合は危険物と危険物以外を同時に貯蔵することが可能です。

  • 屋内貯蔵所、もしくは屋外貯蔵で危険物と危険物以外をそれぞれまとめて貯蔵し、相互に1m以上の間隔を置く
  • 屋外・屋内・地下・移動のタンク貯蔵所で、危険物と危険物以外をそれぞれ分けて貯蔵する

2-5.同類の危険物を少量ずつ保管する際の注意点

同類の危険物を少量ずつ複数保管する場合、それぞれの危険物の保管量を指定数量で割った数値を足してください。一例をあげると、灯油100Lと軽油50Lを一緒に貯蔵する場合、指定数量は1,000Lなので、合計数は0.15です。この場合、専用貯蔵所は必要ありません。この和が1以上になった場合は消防法に定められた貯蔵所で保管し、危険物取扱者の有資格者が管理する必要があります。1未満の場合は、専用の貯蔵所以外でも保管は可能ですが、防火設備の整った場所で保管することが大切です。

3.危険物の保管の組み合わせに関するよくある質問

この項では、危険物の保管の組み合わせに関するよくある質問を紹介します。

Q.指定数量以下の危険物ならば、どのような危険物でも一緒に保管できるでしょうか?
A.消防法では禁止されていませんが、火事を防ぐためにも可能な限り一緒に保管しないようにしてください。

Q.取扱所では、類の異なる危険物を同時に扱うことはできますか?
A.一方の危険物が指定数量に見たない場合は同時に取り扱い可能です。

Q.貯蔵所に保管する場合、危険物は専用の容器で保管しなければなりませんか?
A.はい。屋内貯蔵所・屋外貯蔵所は容器ごと保管しなければなりません。

Q.貯蔵所において、指定数量以上の危険物と指定数量未満の危険物はどんな組み合わせも保管できますか?
A.法律による規制はありませんが、火事を防ぐためにも許可されている組み合わせ以外は保管しない方がいいでしょう。

Q.危険物の貯蔵所で短時間だけ同時保管が許可されていない危険物同士を保管することはできますか?
A.どんなに短時間でも、保管することはできません。

まとめ

いかがでしたか? 今回は類の異なる危険物のうち、同時保管ができる組み合わせと保管する際の決まりを紹介しました。類を異にする危険物を同時保管する場合は、1種類の危険物を保管するときよりも決まりが多くなります。危険物取扱者の資格試験に出題されることもあるので、よく覚えておきましょう。