反応熱って何?その種類とは?

消防法で定められている危険物の中には、水や空気に触れると反応して発火したり爆発したりするものもあります。
このように、物質と物質が混じりあって化学反応が起こるときにともなう温度変化を「反応熱」というのです。
今回は、反応熱の種類についてご説明します。
「熱」という言葉がついているので、熱くなる現象というイメージを持っている方もいるでしょう。
しかし、種類によっては熱を吸収するものもあるのです。
これから危険物取扱者の資格習得を目指している方は、ぜひこの記事を読んでみてくださいね。

目次

  1. 反応熱とは?
  2. 熱反応の種類や方程式とは?
  3. ヘスの法則とは?
  4. 危険物取扱者の勉強と化学について
  5. 通信教材を利用する方法もある
  6. おわりに

1.反応熱とは?

反応熱とは、物質を生成する過程で放出されたり吸収されたりする熱のことです。
熱が発生する反応を「発熱反応」、熱を吸収される反応を「吸熱反応」といいます。
危険物の中には、前述したように水や空気に触れると爆発したり発火したりするものも、少なくありません。
ちなみに、危険物が起こす反応は熱を発生させるので「発熱反応」ですね。
ちなみに、単位は「kj/mol」(キロジュール毎モル)になります。

2.熱反応の種類や方程式とは?

では、熱反応の種類にはどのようなものがあるのでしょうか?
この項では、熱反応の種類とそれを表す方程式をご説明します。

2-1.燃焼熱

物質1molが、完全に燃焼するときに発生する熱を反応熱といいます。
紙や木に火をつけると炎と熱が発生しますが、これが燃焼熱です。
つまり、酸素と反応すること。ですから、燃焼熱を方程式にする際は必ず酸素の元素記号を使います。

2-2.中和熱

中和熱とは、中和反応によって水1molを生成するときに発生する熱量のこと。
これでは、何のことが分からない人も多いでしょう。
辞書を引くと、酸と塩基の中和によって反応する熱とあります。
塩酸と水酸化ナトリウムを混ぜると水ができるのです。
これが中和反応。
そこで発生する熱が「中和熱」なのです。
このときの値は物質が違っても一定になるケースが多いでしょう。

2-3.生成熱

生成熱とは、元素、もしくは単体から化合物1molが生成される際に発生または吸収する熱量のことです。
一例をあげると、水素と酸素が結合すると水ができます。
この結合の際に発生したり吸収したりする熱量が、生成熱なのです。

2-4.溶解熱

物質1molが溶けるときに発生する熱のことです。
一例をあげると、水酸化ナトリウムが水に溶けると熱が発生します。
これが溶解熱です。

2-5.蒸発熱

ある物質1molが蒸発して気体になるときに、吸収する熱です。
一例をあげるとドライアイス。
ドライアイスは、二酸化炭素を低温で固体にしたものです。
外気に当てると蒸発しますが、その際熱を吸収していきます。
蒸発熱だけは吸収熱しかありません。
危険物取扱者の試験には出ませんが、蒸発熱も熱反応の一種なのでご紹介しました。

2-6.熱反応を表す方程式とは?

熱反応は方程式を使って表すことができます。
これを「熱化学方程式」というのです。
発熱反応の際は発生するエネルギーをプラスで表します。
一例をあげてみましょう。
C(炭素)+O2(酸素)=CO2(二酸化炭素)+394kj
炭素と酸素が反応して二酸化炭素と394の発熱反応があった、ということです。
吸熱反応の場合は、
H20(水)=H2O(水)- 44kj
これは、水が蒸発するときに44の吸熱反応があったということになります。
このように熱化学方程式を見れば、すぐに熱が発生したのか吸収されたのかが分かるようになっているのです。

3.ヘスの法則とは?

高校で化学を選択した方は、「ヘスの法則」を習うと思います。
この法則は、別名総熱量不変の法則(そうねつりょうふへんのほうそく)ともいうのです。
これは、反応熱は、反応物と生成物の種類によって決まり、反応経路によって変わることはないということ。
つまり、AのものがBになる場合、Cという方法でもDという方法でも、発生する熱量は変わりがないということです。
危険物に当てはめると危険物が爆発や発火をするときは、どんな方法であれ発生する熱量は変わらないということ。
たとえば、水と反応して爆発する物質の場合水そのものに反応させても、別の方法で反応させても発生する熱量に変わりはありません。
ですから、保管方法には気をつけなければならないのです。

4.危険物取扱者の勉強と化学について

危険物取扱者の試験を勉強する際、反応熱は化学の科目で出題されます。
学生ならば授業で習っている人も多いでしょう。
しかし、社会人になってから受験する場合は化学の知識など忘れてしまった、という方も少なくありません。
危険物取扱者の試験で出題される化学は、それほど難しいものではないのです。
反応熱も危険物が爆発したり発火したりする理由として、出題されます。
ですから、全く化学の知識がない場合は、できるだけ平たんな言葉で書かれた参考書を選んで化学の勉強をしましょう。
また、危険物取扱者乙種を受験する人の中には、毎年のように受験をして取り扱える危険物の種類を増やしている人もいます。
このようにすでに危険物乙種のある類を取得し、別の類を受験する場合は化学の試験が免除されるのです。
ですから、複数の類を受験する方は最初の試験のときだけ、化学の勉強をがんばりましょう。

5.通信教材を利用する方法もある

危険物取扱者は受験資格がありません。
ですから、年齢、性別、学歴に関係なく受験できます。
文系の大学に進んだ人ならば、化学の知識は中学で勉強する範囲しか知らないという方もいるでしょう。
参考書を読んでもいまひとつ理解できない場合は、通信教材を利用する方法もあります。
通信教材は質問を受けつけてくれますので、分からないことがあっても安心でしょう。
一昔前の通信教材は手紙でやり取りすることが多かったので、返事が来るまで時間がかかりました。
しかし、今ではメールで質問を受けつけてくれます。
早ければ、その日のうちに返事が返ってくることもあるでしょう。
「危険物取扱者の試験を受けたいけれど、化学の知識が全くない。大丈夫だろうか?」と悩んでいる方にもお勧めです。
ちなみに、危険物取扱者の試験勉強は暗記が中心ですが、化学や物理の知識があれば理解がより深まるでしょう。
分からないことも丸暗記すればよいという意見もありますが、理解できた方が暗記もしやすくなります。

6.おわりに

いかがでしたか?
今回は「反応熱」の種類や特徴についてご説明しました。
まとめると

  1. 反応熱とは、物質が生成される過程で発生したり吸収されたりする熱量のこと。
  2. 熱を発生させる場合は発熱反応、熱を吸収する場合は吸熱反応という。
  3. 化学の知識がない場合は、分かりやすい参考書を探して勉強しよう。

ということです。
反応熱は、高校の化学で勉強する分野。
ですから、「なんとなく覚えている」という方もいるでしょう。
危険物に指定されている物質で起こる反応は発熱反応になります。
危険物取扱者の試験には、1~2題出題される程度ですが、よく勉強しておきましょう。
市販の参考書では分かりにくいという場合は、通信教材を利用してみてください。
また、高校生向けの参考書の方が理解しやすい場合もあります。
「化学の分野だけが分からない」という場合は、一度高校生向けの参考書もチェックしてみましょう。